【僕ヤバ】市川と山田は特別であり、私など足元にも及ばないという話
- DaisyAdreena
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市川と山田、両名の特性について。それぞれに「呪い」と「チート性能」が与えられている。どちらも二者間を結ぶための設定。乖離を埋めるための鬼設計のエンジンだ。
2020-08-02 11:37:05市川の受けた呪いは「他者(とくに女性)への不信」。山田の呪いは「男性(とくに下心)への壁」。山田の呪いの方が理解されにくいかも知れない。 端的に言うと、2人とも「異性との交際が不可能に近い」形に設定されている。この点は以前述べたとおり。
2020-08-02 11:37:30それら呪いの発生源は、おそらく周囲の「普通」の連中。市川は「普通」にないがしろにされ続けた。山田は「普通」に敬遠され、あるいは土足で押し入られて下心を押し付けられてきた。 そうされざるを得なかったのだろう、呪われた2人という事だ。
2020-08-02 11:38:26市川について。まずKarte.6。あいつの美点が凝縮されたエピソードだ。Karte.6まではフリーで公開されている。 mangacross.jp/comics/yabai
2020-08-02 11:40:18また、1巻に関しては私自身が全15話解説したものがあるので、「市川と山田が打ち解ける経緯」が不明な人間は各話参照してくれ。理解が早いだろう。 note.com/daisyadreena/n…
2020-08-02 11:41:24以下に性的かつショッキングな報道内容を載せるので心臓の弱い奴は帰れ。
僕ヤバの話題に出すには適切でないかもしれない情報だ。
帰ったか。
まだいる奴はそれなりの奴だろうから遠慮なく見ていくといいけど、
普通に地上波報道された内容なので肩透かしかも知れないな。
リンクとしてのみ貼るので、見たい奴だけ見ればいい。
そうした被害を受けた女性を見て見ぬ振りした連中に対し
「卑劣」とレッテルを貼り断罪した、某サイトのニュース記事だ。
https://www.j-cast.com/2007/04/23007096.html
「卑劣」じゃないんだよ。いざそういう場面に出くわすと思うほど動けないんだよ人間。それが普通だ。イジメだって9割以上の人間は見逃すだろ。市川自身も自分へのイジメには怯えるだけだ。
たとえ影であろうと「他人のために必要な場面で適切に動ける奴」は英雄なんだよ。あの6話において、後先考えず、チャリを自立走行でかっとばして場を乱せる様な奴がどこにいる。 ただ止めるのではなく、あれをやれたのが市川だ。さらには冗談で煙に巻いてチャラにしてしまう。
2020-08-02 11:41:57あの判断で何が優れているのか?「あの経緯により生じた悪感情がひとつもない」。損害は自分だけ。悪質ナンパ野郎ですら誰からも責められず、問題が片付いてしまった。 「誰一人傷つけずあの場をクリアする」事が他の誰に出来る?私には出来ないよ。
2020-08-02 11:42:26ついでに言うと、あの場面でも、市川はおそらくカッターを持っている。 どういう事かはわかるだろう。 …で、なかば無意識の状態で、あいつが選んだのはカッターではなく自転車。そういう奴だ。
2020-08-02 11:43:28ナンパ屋の南条ハルヤに対し、桜井先生からも救済措置が与えられている。それは悪事を補う相当な善人要素であり、博愛の持ち主である市川にそれを認めさせる。 ただの悪人で終わらせないバランス感覚によって、作品から雑味が取り除かれている様に思う。余計な要素のない、2人のための物語だ。
2020-08-02 11:44:03【桜井:『ロロッロ!』はとにかく優しい世界で、お別れとかは描きたくなくて、悲しいことが起こらないように心がけています。嫌なヤツを登場させないのも同じ理由です。
悪役はいいんですけど、イヤなことを言ったり、したりする人を出さない。それはすべての作品で共通しています。】(以上、元記事より抜粋)
この記事を見れば気付く人間も多いだろう。
僕ヤバにおいて、作中での離別エンドも、将来的な悲劇や陳腐化もまず起こらない。
安心を保証する姿勢であり、信頼出来る作家だと思う。
漫画家という先を期待させてナンボの商売が、普通こんな事は言わない。
自分がやってもいない原さんの落ち度。その責任を、「女子間の平和を守るため」などという理由で、殴られそうになってまで自分が泥をかぶる。しかもハタ目にはただの変人だ。言い出しっぺの山田にすら理解されなくても仕方ない。それでも構わないのだと思う。
2020-08-02 11:44:48あいつの優しさはアピールではない。見返りを求めない。理解されたところで恩にも着せない。自分に優しくない世界で、よくぞこんな人格を維持できたもんだ。
2020-08-02 11:45:13で、そんなワケわからない市川に、直接名指しで罪をかぶせた訳でもない山田が、寄り添って謝るわけだよ。無実の罪をかぶった事はもちろん、それが原さんのためであるという事も山田には見えているだろう。罪を着せた自分を責めもしない。Karte.6と同質の美点が、ここで山田にバレてしまう。
2020-08-02 11:45:57このKarte.10のハイライトと言える謝罪シーンの距離を見れば、この回で市川という「男」に対し山田の心が開かれた事が分かるだろう。女として心を許せる相手がようやく現れたという段階。証拠として次回に家の位置など教えてしまう。もちろん恋愛経験ゼロレベルで当人にまったく自覚はない。
2020-08-02 11:47:12山田は山田で聖人なんだよ。山田へのアピールのために無実の罪で市川を殴ろうとした上、いらない捨てゼリフ吐いて体裁繕った足立と比較してみろ。 私はどちらかというと足立にしかなれない。そうでなくとも市川に謝るという選択肢は出づらい。善意の者・山田ならではの行動だ。
2020-08-02 11:48:03そういう流れで山田の美点を続ける。Karte.1のカッター貸与時からもうおかしい。 教室で嫌な視線をよこしていた上、今現在も自分の様子を伺っていたらしきチビの陰キャが、キョドりながらカッター渡してくるんだよ?だが山田は、喜んで受け取って、お礼まで言えてしまう。
2020-08-02 11:48:41(もちろんそれも急な事ではなく、秘密の保持を約束するという第一の信頼が置かれてからの話なんだが。あの場面、市川は単に無難に尊重の形を取ったのだろうけど、その選択が出来た時点で単なるラッキーパンチではないとも言える)
2020-08-02 11:49:03