「…そういえば」「……そういえば」三点リーダの重ね方で漫画家や絵描きさんか、小説家などの文筆業かを見分けられるという話が面白い

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浅井ラボ@されど罪人は竜と踊る24(2023年2月17日発売) @AsaiLabot2

「……」は三点リーダと言って、とくにルールはない。ただ「…そういえば」と使うのは漫画家や絵描きさん、「……そういえば」と使うのは小説家やライターの文筆業だと分かる。後者はまず校正に三点リーダは二回繰り返して使うもの、と注意されるので。

2020-08-19 07:08:56
浅井ラボ@されど罪人は竜と踊る24(2023年2月17日発売) @AsaiLabot2

作家。一般社団法人日本推理作家協会員&変格ミステリ作家クラブ会員。著書「されど罪人は竜と踊る」等。Discord上に公式ファンクラブがあります。★FF外は見えない設定です。支援:amazon.jp/hz/wishlist/ls…

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浅井ラボ@されど罪人は竜と踊る24(2023年2月17日発売) @AsaiLabot2

「…………」 とだけ書くタイプの作家は漫画家寄りとも言える。普通の作家なら、誰々が沈黙していることを地の文で書くと思われる。 「…………」 「…………」 「…………いや、誰かなんか言えや」 みたいな沈黙からの突っ込みも、コメディ小説ではあるだろう。タイポグラフィ的な遊びも多い。自由。

2020-08-19 07:13:55
浅井ラボ@されど罪人は竜と踊る24(2023年2月17日発売) @AsaiLabot2

「」は台詞を示す記号だが「たとえば『固有名詞』が」や「たとえば〈固有名詞〉が」など人によって違う。一方で「たとえば「固有名詞」が」はほぼ使われない。 ただ「「なんでやねん」」と二人同時に突っこんでハモったと表現することもできる。現状は各自が読みやすさと発想で自由にやっている。

2020-08-19 07:23:50
浅井ラボ@されど罪人は竜と踊る24(2023年2月17日発売) @AsaiLabot2

漫画家さんは吹き出し内部という文字制限が厳しいし、単語が行跨ぎになってしまうのも避けたい。なるべくなら「、」が入る地点、てにおはで行替えしたい。それらを考えに考えて無理だからと「…」となるときがある。台詞を吹き出しに収めるのは、ずっと俳句や短歌をやっている苦しさがあるだろう。

2020-08-19 07:33:28
浅井ラボ@されど罪人は竜と踊る24(2023年2月17日発売) @AsaiLabot2

文章に戻ると「!」はわりと便利。たとえば「違う」と大声を出した、と「違う!」と大声を出した。 後者は台詞の時点で大声と分かる。前者は地の文まで行ってから台詞が大声だったのだと分かる。リアルタイム性は後者のほうが上。だけど「!」は漫画的だと避ける昔気質の人もいる。これもまた好み。

2020-08-19 07:42:37
浅井ラボ@されど罪人は竜と踊る24(2023年2月17日発売) @AsaiLabot2

感嘆符「!」疑問符「?」は行頭で使わない、あとには一字空け、句点を入れないというルールは、読みにくさを避けるためだろう。 「!そうか!、あれは!そういうことだったのか?。」とやると読みにくい。一方で狂気の人の台詞としては通常の話法と違うことで適切に見えてくる。

2020-08-19 07:51:30
浅井ラボ@されど罪人は竜と踊る24(2023年2月17日発売) @AsaiLabot2

「」は人間の台詞だが『』は宇宙人や怪物の台詞としてしまってもいい。 怪物や怖い台詞だけ、書体フォントを淡古印調や行書体にするなんてのも、大昔からやられている。 文字や記号の遊びもまた進化する。電子通信のリアルさのために顔文字や絵記号を表示するのも、すでに誰かがやっているだろう。 pic.twitter.com/OFbAMWx8cS

2020-08-19 08:04:34
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浅井ラボ@されど罪人は竜と踊る24(2023年2月17日発売) @AsaiLabot2

小学館の漫画は、吹き出しの台詞の文末に「。」の句点が入っているので他と見分けがつく。あれ、拒否できないのかなと思う。

2020-08-19 08:09:56
浅井ラボ@されど罪人は竜と踊る24(2023年2月17日発売) @AsaiLabot2

むしろあれこそが「おまえは小学館の謎ルールに従えるのか?」という、踏み絵としての句点なのかもしれない。 なお江戸時代の踏み絵は、神父が「信仰が正しく伝わっていれば、信仰心こそが大事なので、人が書いた絵などは踏めばいいとなったのに」となっている。

2020-08-19 08:17:01
浅井ラボ@されど罪人は竜と踊る24(2023年2月17日発売) @AsaiLabot2

そして三点リーダを二回変換するのがめんどくさいので、たいていの文章書きは「てん」か「てんてん」で三点リーダ×二回が一発で出る辞書登録をしているはず。はず、と統計的に確認したことはないが、そうしないとすげえめんどくさい。

2020-08-19 10:14:08
浅井ラボ@されど罪人は竜と踊る24(2023年2月17日発売) @AsaiLabot2

??「…そうか!文章ってそういうルールがあるんだな。」 私「気をつけろ、そいつは小学館の漫画家から文筆家になった、と見せかけた間者だ!」 ??「なにを証拠に!?。」 私「どこの校正も小説や記事の台詞表記規則は同じ! そして 『!?』は縦書きになることも考えて最初から『!?』と書く!」

2020-08-19 10:55:13
浅井ラボ@されど罪人は竜と踊る24(2023年2月17日発売) @AsaiLabot2

「流   れ    て     い      く       ~         」  みたいなタイポグラフィ的な遊びは、夢枕獏さんが「カエルの死」で1984年にだいたいやっている。文で絵を描くかのようで、しかも話としておもしろい。それくらい小説の文章は自由である。 pic.twitter.com/SrM9IcinWL

2020-08-19 17:12:47
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浅井ラボ@されど罪人は竜と踊る24(2023年2月17日発売) @AsaiLabot2

自分でやってみたい遊びもある。小さな写真を集めて大きな絵を描くように、1Pか見開きを文字で埋め尽くすと、顔が浮かびあがる、みたいな表現である。つまり本を読んでいるはずが、その本に人格みたいなものがある、という表現。 人力では難しそうなので、そういうプログラムを組める人の協力がいる。

2020-08-19 17:27:44
浅井ラボ@されど罪人は竜と踊る24(2023年2月17日発売) @AsaiLabot2

「……」の三点リーダの繰り返しから始まったが「‥‥」二点リーダの繰り返しでやる場合もある。とくに漫画などは三点リーダだと文字列が詰まって見えるから、とすることもある。 表現に絶対的ルールはない。ただ知っておいて無視するのと、知らずに、または知ろうとせずに完全自由でいい、は違う。

2020-08-19 17:38:57
浅井ラボ@されど罪人は竜と踊る24(2023年2月17日発売) @AsaiLabot2

世界で本がその一冊だけならどうでもいいが、他の本が多くある。そこで、ある程度の標準ルールがあると、読者が毎回作者の文章の暗号解読をせずにすむ。 言ってしまえば、数分で覚えられるルールを使っての効果と破っての効果、どちらが大きいかを計算して書くのは そこらの人でもやる遊びですしね。

2020-08-19 17:48:48
浅井ラボ@されど罪人は竜と踊る24(2023年2月17日発売) @AsaiLabot2

はい、またすっかり忘れていたので、自著の宣伝でもしておきます。読み進めていくと、文章ルールに対する作者の変更と無視具合の進行度が分かります。 amazon.co.jp/%E3%81%95%E3%8…

2020-08-19 18:06:05
くられ @reraku

@AsaiLabot2 !のあとに1マスあけるかどうかでも業種が見えてきますね(笑)

2020-08-19 17:40:00
森 久都 @hisato_mori

ああ〜それで私、最近まで「…」で使ってしまってたんだな。 漫画的だったわけだ、三点リーダに関しては。 ちょっとずつ直してますけども。 twitter.com/asailabot2/sta…

2020-08-19 18:36:07
おQ3飲めたね @q3Q9RZBJ

小学校で作文習ったときは二回繰り返すものだと習ったなあ。>RT twitter.com/asailabot2/sta…

2020-08-19 18:24:17