人材育成と職務指導に関する考察
- naganoteru
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感謝すべきことを当たり前と捉えること、自分を振り返るべきことを環境や他者のせいにすること。他律性、あるいは独善性。こういった社会的、人間的未成熟は、本人が姿勢を変えることさえできれば時間とともに脱却可能だけど、そうでなければ永遠に脱却できない。
2011-07-05 14:49:10若手の部下には、今自分が仕事をできないことを気にするなと言っていた。大切なのは、自己成長への本人の姿勢なのだと。角度が1度でもあれば、長い時間の先にはそれなりの高さにいることができる。今そこそこの高さにいても、角度がゼロであれば高さは永遠に変わらない。
2011-07-05 14:56:42人材育成で一番大切なのは、無知の知を教えてあげること。自分が不十分であることを知り、自分を伸ばすことを知った人間は、その後飛躍的に伸びていく。目の前の仕事のやり方を教える職務指導と人材育成とは、まったく次元が異なる。
2011-07-05 15:00:25職務指導は効率性を目的にしたもの。コストダウンと親和的。一方で、人材育成は生産性を目的としている。自分で考えることや、自ら成果にコミットすることを教えなければならない。これはむしろ収入拡大に親和的。
2011-07-05 15:06:55職務指導は専らブルーカラーに対するもの。対する人材育成はホワイトカラーのためのもの。ホワイトカラーは、訓練するのではなく、人材として、人として育てなければならない。これは長期的な取組であって、短期的利益とは必ずしも一致しない。
2011-07-05 15:13:42ここで気をつけなければならないのは、職務指導が人材育成に先行するということ。テクニカルスキルがヒューマンスキルに優先すると言ってもいい。最低限のことをきちんとできない人材は、決して生産的ではありえない。
2011-07-05 15:19:52ところが、ここに落とし穴がある。テクニカルスキルは生産的であることの必要条件であって十分条件ではないにもかかわらず、それがヒューマンスキルに先行するがゆえに自己目的化しやすいのだ。かくして人材育成は職務指導に成り下がっていく。
2011-07-05 15:23:38だからこそ、職務指導と人材育成、テクニカルスキルとヒューマンスキル、短期と長期、効率性と生産性は、明確に切り分けて認識されなければならない。前者は後者を活かすためにこそ必要とされているという、大前提とともに。
2011-07-05 15:26:57勘のいい人は、職務指導と人材育成の問題が、経済性と人間性の関係とバラフレーズされうることに気付いているだろう。貨幣経済が効率性の追求によってお金の増殖を目論むものだとしたとき、お金の増殖を自己目的化するのが不毛であるように。
2011-07-05 15:35:01経済性の追求によって得た富は、非経済的な価値の実現のためにこそ用いられなければならない。生産的で自律的でクリエイティブなホワイトカラーであるためにこそ、効率的でなければならないように。
2011-07-05 15:40:22こうして、先日のツイートにたどり着くのである。「デジタル録音は、アナログ音楽の良さを保存するためにこそ用いられなければならない」。高橋源一郎氏の指摘は、人材育成と、経済的豊かさの両方に妥当する。
2011-07-05 16:44:37今日午後の「職務指導と人材育成」に関するツイートですが、興味のある方はあわせてこちらのブログも参照してください。職務指導=論理、人材育成=意味として読んでもらえると理解が進むと思います。 【高等遊民の社会派ブログ】 論理と意味の二元論① http://t.co/WNZFpym
2011-07-06 00:15:50