茂木健一郎さんの「日本の社会に根本的に欠けている、文化的多様性について」

脳科学者・茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの7月6日の連続ツイート。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

たよ(1)シャルルドゴールに着いて、北駅まで列車で向かった。駅舎の中を歩いたら、いろいろな人がいる。アフリカ系の人や、中東の人。中国人の団体のような雰囲気のグループが、大声で喋りながら歩いていった。

2011-07-06 12:36:19
茂木健一郎 @kenichiromogi

たよ(2)研究所にいき、リュック・スティールズと話をして、それから荷物を置いて街を歩いた。大学が近いからか、若者たちがカフェにうわーっといて談笑している。インド料理屋に入ったら、ベトナム人らしい人たちがフランス人らしい人たちと何やら話をしていた。

2011-07-06 12:38:07
茂木健一郎 @kenichiromogi

たよ(3)グローバリズムの時代。フランスの首都もまた例外ではない。さまざまな肌の色の人たちが、いろいろな様子で佇み、行き交っている。世界が密につながり、関わり合う。それが肌で感じられるから、パリに来るのが好きだ。

2011-07-06 12:39:17
茂木健一郎 @kenichiromogi

たよ(4)世界のいろいろなところから人が集まり、溶け合う。そのような感覚は、パリだけでなく、ニューヨークやロンドンでも同じ。では、東京はどうか。外国人の数は増えてきているけれども、多様性に包まれる肌感覚がない。今日の世界を生きる上での、坩堝の手応えが、どうにも乏しい。

2011-07-06 12:40:37
茂木健一郎 @kenichiromogi

たよ(5)グローバリズムは、今始まったことではない。かつて、唐の都、長安には、東西のさまざまな目の色、肌の色が集ったという。魅力があれば、人々は集まる。今の日本には、そして東京には、開放的なダイナミクスの中、人々が集って溶け合う、そんな吸引力が欠けているのではないか。

2011-07-06 12:42:27
茂木健一郎 @kenichiromogi

たよ(6)日本の大学のキャンパスを歩く。少数の例外を除いて日本人ばかり。その風景に、本能的な恐怖を抱く。グローバル化時代、ビジネスや学問で活躍するためのfinishing schoolとしての機能を果たさず。大学が、ガラパゴス化の象徴になっている。

2011-07-06 12:44:28
茂木健一郎 @kenichiromogi

たよ(7)もし、ボクが文部科学大臣だったら、就任一日目に、国内の主要な大学の学長を回って、「とにかく入試を変え、国外からの留学生の数を増やして下さい!」と頭をいくら下げても頼みにいく。それくらいの恐怖と危機感がある。このままでは、日本は沈むのではないか。

2011-07-06 12:45:56
茂木健一郎 @kenichiromogi

たよ(8)もしボクが経済産業大臣だったら(厳密な意味で所轄かわからないけど)、就任一日目に経団連に行って、お願いですから新卒一括採用を、即時廃止してくださいと頭を下げる。「均一性」を前提にものを考える企業のmindsetを打破しないと、グローバル化の中日本は終わる。

2011-07-06 12:48:08
茂木健一郎 @kenichiromogi

たよ(9)東京や大阪のような大都市は、本来国際社会の縮図でなければならない。そんな役割を果たせていない現状は、日本のダメさの象徴。付加価値は、ハブになることで生まれる。パリを歩いている時の感覚を東京でも得られるようになったら、日本は本当の意味で再生するだろう。

2011-07-06 12:49:37
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、日本の社会に根本的に欠けている、文化的多様性についての連続ツイートでした。

2011-07-06 12:50:11