- chiikama_06
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「ドナルドからは、何もなしか…」 晋三はスマホを机上へ戻した。 (相談なしに決めたことだ。怒っているのだろう) 晋三がそう寂し気に笑ったところで、「首相!」と秘書が部屋に飛び込んできた。返事をしようとした時、外から爆音が割り込む。窓の方を向くとそこには――見慣れた大統領専用機が。
2020-08-29 13:15:45@hershamboyz 「シンゾウ」 ヘリのドアを開けて、大男がこちらを呼ばった。 「ドナルド」それは返事としては、中々に陳腐なものだったろう。しかし驚きと喜びに埋め尽くされた晋三の心象を表すには、その鸚鵡返しのような台詞で充分だった。 「少し、出れないか」その人ドナルド・トランプは言った。 「街を廻ろう」
2020-08-29 18:16:35@Qu6cgW8u6WrbpvY @hershamboyz 引き継がずにはいられんな。 -街は、昼の顔から夜の顔へと彩りを変えているところだった。 仕事、学校、用事…様々な人たちがその昼の役目を終え、思い思いの夜を迎える為に足早に進んでいく。 「良い街…いや、良い国だな」 ドナルドが辺りを見渡して言う。 「シンゾウそのもののようだ」
2020-08-29 19:36:06@rjlPOjq0LswEVWy @Qu6cgW8u6WrbpvY @hershamboyz 引き継がずには以下略 「……怒っていないのか」 彼の言葉に私は思わずドナルドにそう問いかけていた。 彼の表情は残念ながら逆光のせいで影となり、少しばかり私には見え難かった。それ故に彼が何を考えているのかわたしにはわからない。 私の問いに彼はチラリとこちらを見やると口を開いた。
2020-08-29 20:09:29@7yKXfT6H0YSQal2 @rjlPOjq0LswEVWy @Qu6cgW8u6WrbpvY @hershamboyz 「全てには終点がある、私にも、君にも。でも人は終わらない為に足掻く。それは本能であり、尊厳であり、それ自体だ。だからこそ人は優美たれる」 夏模様は変わり、秋の姿を移し見せる。やがて景色も変わり、冬を、春を、そして又夏を見せる。 だから私は誇って言うのだ 「嗚呼、いい国だろう」
2020-08-29 20:28:19@tuitama_tarou @7yKXfT6H0YSQal2 @rjlPOjq0LswEVWy @Qu6cgW8u6WrbpvY @hershamboyz 「次は誰だ」 ドナルドは尋ねた。 「私が決めることではない」 その言葉が、晋三の首相としての終わりを告げているかの様だった。 「これから日本はどうなる」 「わからない。だが次の候補達は皆いい人ばかりだ。心配はいらない」 それを聞くドナルドの目には、まだ捨てきれない寂しさが残っていた
2020-08-29 21:28:07@mstk_desu 「シンゾウ・・・」 彼は寂しげに呟いた。 「どうしたんだ、トラン・・・」 答えようとした瞬間、私の瞳のすぐそばに彼の瞳があった。彼の唇が私の全身を包みこんでいるようだった。
2020-08-29 21:39:01@ILoveAnime_Game 彼の気持ちに応えることは容易な事であった。 これまでの騒動の中、駆け抜け続けてきた。少しくらい彼との時間を過ごしてもよいだろうと考えがよぎる。 しかし私は彼のことをそっと押しのけた。 「まだやるべきことがある」 「それでこそシンゾウだ」 私は彼のニッとした笑みに微笑み返した。
2020-08-29 22:27:20@Rizityousama @ILoveAnime_Game 「だから、絶対に戻ってくるさ」 「ああ、待ってるよ」 その言葉を聞いただけで、少し胸が軽くなった気がした。 彼の瞳は少し寂しげだった。彼にそんな目をさせたのは、他でもない自分だ。 ならば、尚更急いで戻ってくる他あるまいと胸に誓った。 「ありがとう、トランプ」 飛行機雲は眩しかった。
2020-08-29 23:31:41@hershamboyz そういえば、首相官邸の前庭はヘリポートとして使えるとか。 news24.jp/articles/2014/…
2020-08-29 16:11:01