救われないからこそ、流した血が報われた-鉄華団の流した血は無駄では無かった説

スパロボ的演出で強引に生き残らせても、道具として使われる世界が変わらなくては意味が無い
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SOW@ @sow_LIBRA11

スパロボ的演出で、如何にすれば鉄華団を救えるか・・・これがね、難しい話なんです。 なぜなら、彼らは「敗北したから」世界を変えた者たちなんです。 「歴史の敗者」としての役割を果たした者たちなんです。 pic.twitter.com/0w1ae4rIPe

2020-09-17 22:40:43
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SOW@ @sow_LIBRA11

「オルフェンズ」世界は、歪な、かつ強固な格差社会なんですね。生まれで、出自で、育ちで、全てが決まってしまう。当人の意志や希望などないのです。 そのくせ、完膚なきまでの絶望はない。 「今日死にはしないが、明日を夢見れない」世界なんです。 pic.twitter.com/6UG7v0zuzZ

2020-09-17 22:45:27
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SOW@ @sow_LIBRA11

オルガや三日月、鉄華団たちは、その「超格差社会と、人の命が軽視され、貧困が捨て置かれた」社会だから生まれた者たちなのです。故に、彼らは「こんな世界をそのままにしておいたら、また”鉄華団”が現れるぞ」という警告の前例として、歴史上の役割を果たしたのです。 pic.twitter.com/gx7ycpEs3F

2020-09-17 22:47:50
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故に彼らは敗れなければならなかったのです。 「繰り返してはならない悲劇」の存在となるために。 具体的に言えば、「なんの専門教育も訓練も施されていない少年が、外科的手法によってエースパイロットを凌駕する力を得られる」阿頼耶識システムなどその極地でしょう。 pic.twitter.com/v2JNIqLgqR

2020-09-17 22:50:16
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SOW@ @sow_LIBRA11

一部の人間が、王や貴族のようになれば、そのピラミッドの下層には、膨大な量の貧者が生まれます。そして最下層にいる者たちの命の価値は、限りなくゼロになる。 道具に等しい価値しかなくなる。 否、『命が道具」になってしまうのです。 阿頼耶識システムとは、そういうものなのです。 pic.twitter.com/eJTAdvTcs9

2020-09-17 22:54:49
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SOW@ @sow_LIBRA11

社会に存在する膨大な量の貧者たちが、弱者たちが、そのまま、膨大な量の破壊兵器となってしまう、成り果ててしまう可能性を持つ、それがどれだけ恐ろしいことか。 これこそが「オルフェンズ」世界の、ある意味で、MA以上に、世界を滅ぼしかねない可能性だったのです。 pic.twitter.com/ZMbkixMxt8

2020-09-17 22:56:13
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SOW@ @sow_LIBRA11

「オルフェンズ」最終回で、鉄華団は壊滅します。 しかし、そのために地球圏の治安維持組織であるギャラルホルンは、艦隊を動員し、禁断の兵器を使用し、膨大な損害を出してようやく抑え込んだとも言えるのです。 pic.twitter.com/1S3HfhbbPT

2020-09-17 23:01:04
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SOW@ @sow_LIBRA11

もし第二第三の鉄華団が現れれば、世界は再び乱れる。今回は抑えられたが、何度も続けば、世界の秩序は間違いなく崩れる。故に、鉄華団の敗北後、弱者切り捨てだったギャラルホルンは大きく舵を変えることになります。 pic.twitter.com/iz4Be3YQRB

2020-09-17 23:04:08
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SOW@ @sow_LIBRA11

事実上の「人身売買」の合法によって発生していた、三日月らのようなヒューマンデブリを生み出さない条約が締結され、ギャラルホルン自体も、鉄華団を滅ぼしたラスタルによって、民主化の道を歩み始めます。 pic.twitter.com/iuRCi2rnKN

2020-09-17 23:06:20
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SOW@ @sow_LIBRA11

皮肉なことに、「鉄華団を倒した」功績ゆえに、ラスタルはこの強行的な改革を成功させたとも言えるのです。世界がそれに納得したのも、全ては、「再び”鉄華団”が生まれないようにするため」なのです。 悪魔の名を持つガンダム・・・バルバトスを蘇らせぬための。 pic.twitter.com/yAe81ai1sA

2020-09-17 23:08:51
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SOW@ @sow_LIBRA11

こう考えると、マクギリスがバエルを擁したにも関わらず、誰も賛同しなかったことにも、意味があるのです。 如何に「バエルに乗る者がギャラルホルンの長」という掟があったとしても、そんなものに則るなど、競技主義どころか、もはやカルトです。 pic.twitter.com/tKXIEE05EU

2020-09-17 23:13:45
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SOW@ @sow_LIBRA11

「あんな機械を持ち出されたからって、命を捧げさせられてたまるか」と、踏みとどまれた・・・それはあの世界が、まだギリギリやり直せる境界線に立っていた証でもあるわけです。 バエルは絶対の神になれず、バルバトスは不死身の悪魔にも成れなかった、だから「人の世界」が保てたのです。 pic.twitter.com/ziSEQ2agVX

2020-09-17 23:15:40
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SOW@ @sow_LIBRA11

ガエリオは、三日月やマクギリス同様、ガンダムに乗り、かつ疑似阿頼耶識とも言える「TypeE」を埋め込みましたが、ギリギリのところで立ち返り、体の半分が不自由になったものの、人間に戻ることができたとも言えます。 pic.twitter.com/AEidP3xAkO

2020-09-17 23:20:36
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SOW@ @sow_LIBRA11

「人間が人間の価値を失い、機械の従属物に成り下がることで強大な力を得られる世界」で失くすために、鉄華団の敗北が意味を成し、彼らは「敗者の役割」を全うして、世界を守ったとも言えるのです。 なので、鉄華団にとっての「救い」は、実は勝利じゃないんですな。 pic.twitter.com/xuoqqqJTQ8

2020-09-17 23:27:16
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SOW@ @sow_LIBRA11

仮にあそこで勝ったとしても、その後はまた、血みどろの戦いの日々です。そのたびに、三日月の体はバルバトスに飲み込まれていきます。第一話で、倉庫に置かれていたバルバトス。 三日月の前に、アレに乗っていた者はどうなったのでしょうかね・・・全てを、奪われたのだとしたら・・・ pic.twitter.com/u8eS9nntbd

2020-09-17 23:34:56
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SOW@ @sow_LIBRA11

というふうに考えると、「人として”死ね”た」だけ、まだギリギリ救いがあったのかも知れないなと。 なにせ機械は死にません、壊れるだけです。 一応「自律兵器」とされていたあのMAも、かつての「人であったもの」の成れの果てで、死ぬことも出来なくなった誰かだったのかも知れないのですから。 pic.twitter.com/mjCs4E2bJG

2020-09-17 23:37:41
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SOW@ @sow_LIBRA11

それでも彼らをスパロボ的演出で、なんとか救うにはどうすればいいかと考えると、方法は一つです。「敗者」としての役割を全うした後、バルバトスの首はジュリエットさんに持ってかせて、鉄華団たちはどっかに逃がすしかありません。 pic.twitter.com/IIXW7LQJCV

2020-09-17 23:42:43
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SOW@ @sow_LIBRA11

しかもただ逃がすのではダメです。地球圏にもはや彼らの居場所はありません。月もコロニーも火星も、ってか太陽系でもちと厳しい。ならばどうする? そう、外宇宙に逃がすしかない。そう、エクソダスです! pic.twitter.com/eoSHi0XHIx

2020-09-17 23:45:32
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SOW@ @sow_LIBRA11

というわけで、長谷川裕一先生の「機動戦士Vガンダム プロジェクトエクソダス」の、恒星間航行船ダンディライオンに乗せて、オメガケンタリウスに逃しましょう。 pic.twitter.com/naD0W4WdFG

2020-09-17 23:48:12
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SOW@ @sow_LIBRA11

なぁに、木星じいさんことグレイ・ストーク卿はクロスボーン・ガンダムにも出ていますから、ギリOKです。なんせこの人も元ガンダム乗りですし、アレでアレなアニメじゃない人だからなんとかしてくれる! pic.twitter.com/zmgo0cCrTK

2020-09-17 23:51:04
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SOW@ @sow_LIBRA11

「オルフェンズ」のラストは、放送当時物議を醸しましたが、私はあれで「満たした」と思いました。 ですが、それでも、彼らにほんのちょっと、それが蛇足と言われるものでも、陳腐と言われても、他メディアでも、救いを与えたいなと思ってしまうのは、きっと幼き日に読んだこの一冊のせいですなw pic.twitter.com/6FmjaE7nho

2020-09-18 00:08:07
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