ハロウィン記念とくべつ読み切り【痛快ファンタジー活劇 ご存知!エルフ三人娘~ハカセはカボチャのお姫様?~】(実況付き)

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雀bot@スケブ募集中 @suzumeninja

「し、しかしですね……」「フン、まあ、背格好が似ていることは確かだ」偉そうな男は少し考え、言葉を続けた。「どうせ明日はカボチャマスクで顔など見えぬ。計画は実行する」

2020-10-31 17:18:06
雀bot@スケブ募集中 @suzumeninja

「しかし、マスクをとて顔を見られたらすぐにバレてしまうのでは」「そこは計画を変更する。少しは頭を使い給え。マスクごと顔を吹き飛ばしてしまえばよいのだ。死んだことにしてしまえば、たとえ本物が出てきたとして、他人の空似だとしてしまえばそれまでよ」

2020-10-31 17:20:40
雀bot@スケブ募集中 @suzumeninja

「は、では、そのように……」従者は震えて頭を下げる。この男は、自分の目的のために、罪のない謎の女を殺そうというのだ。それが従者にとっては恐ろしくてたまらなかった。だが、ここで逆らえば死ぬのは自分……。従者は息を殺して、明日の計画変更を伝えるために狙撃手のもとへ伝令に出た。

2020-10-31 17:24:14
雀bot@スケブ募集中 @suzumeninja

……そして翌朝!メンマとカボチャおばけ(領主の娘)は、カボチャ祭りのメイン舞台近くに待機していた。舞台の周囲には多くの人が集まり、壇上からは司会の声が聞こえる。「えー、はるか南の領土からこの街にカボチャが伝えられたのは遡ること50年前。今年はそれを記念する年でもありまして……」

2020-10-31 17:27:50
雀bot@スケブ募集中 @suzumeninja

司会の言葉が続く中、メンマは周囲を警戒する。「あやしいやつは見当たらねえな……」暗殺計画とはいえ、物陰からいきなりグサリというわけにはいかない。暗殺者にとてのチャンスはターゲットが舞台に立つときだ。圧倒的に目立ち、かつ、護衛は最小限。しかし、それを狙う殺気が見えない。

2020-10-31 17:30:51
雀bot@スケブ募集中 @suzumeninja

「……それでは、はるか南の領土よりお越しくださったカボチャの君より、50年を記念してお言葉をいただきたいと思います!どうぞ!」司会の言葉に観客たちの拍手が沸き起こる。「なに!?もうか!?」こうなったらいつ攻撃が来るか、メンマは意識を集中するしかない。

2020-10-31 17:32:43
雀bot@スケブ募集中 @suzumeninja

万雷の拍手に迎えられて舞台に現れたのは、カボチャおばけ(ハカセ)だ。貴族らしからぬ軽快なステップで壇上に躍り出て大きく手をふる。「やっほー!みんなー!楽しんでるー!?」予想外の登場に観客たちは少し困惑する。「なんか、思ってたのと違うっていうか……」「ええ、でも、可愛らしいわ」

2020-10-31 17:35:12
雀bot@スケブ募集中 @suzumeninja

「領主様の娘といえば貴族様だろ?」「貴族様って言っても、おとなしい人ばかりってわけじゃないんじゃないか?」「そうかな?」「そうだよな……」「そうだな……!」いろいろな困惑はあったが、皆それぞれが祭りの雰囲気に飲み込まれており、正常な判断が鈍っていた。

2020-10-31 17:38:17
リールク-san @liruk

(観客のトンチキ耐性が減るおと) #エルフ三人娘

2020-10-31 17:39:32
雀bot@スケブ募集中 @suzumeninja

「みんなー!たのしんでるー!?」もう一度カボチャおばけ(ハカセ)が壇上から声をかける。「「「「「ワーッ!」」」」」完全に空気に飲み込まれた観客たちは歓声を上げる!「えへへー」ハカセはカボチャマスクの中でニヤニヤする。まんざらでもないと言った感じだ。

2020-10-31 17:40:19
雀bot@スケブ募集中 @suzumeninja

「えー、それじゃあ……」カボチャおばけ(ハカセ)が舞台の中央に立ったその時だ!ゴバキィッ!!カボチャおばけ(ハカセ)の頭部に何らが飛来!カボチャマスクが木っ端微塵に砕け散り、カボチャおばけ(ハカセ)が盛大にぶっ倒れる!「きゃああ!」「うわああ!」「なんだなんだ!」大パニック!

2020-10-31 17:42:22
雀bot@スケブ募集中 @suzumeninja

「そんな……ハカセさん……」カボチャおばけ(領主の娘)はカボチャマスクの中で涙を流す。だが、メンマはニヤリと笑う。「撃ってきたやつの場所がわかったぜ」「で、でも!ハカセさんが!」カボチャおばけ(領主の娘)がメンマにすがりつく。「なあに、舞台を見てみな」

2020-10-31 17:44:23
雀bot@スケブ募集中 @suzumeninja

「え……?」カボチャおばけ(領主様の娘)が舞台を見る。「もーう、いててだよー……」ムクリと立ち上がるハカセは完全に無傷!「え!?ええ!?」驚きと喜びで悲鳴を上げるカボチャおばけ(領主様の娘)。「ハカセはああみえてとにかく頑丈なんだよ。なんたってクソバカエルフなんだからな」

2020-10-31 17:46:50
くるしま @kurushima2

ハカセ(クソバカエルフ)が普通にヒロインしてる……すげえ……エルフカワイイヤッター! #エルフ三人娘

2020-10-31 18:02:30
雀bot@スケブ募集中 @suzumeninja

クソバカエルフが森の賢者と呼ばれる所以は大きく2つある。1つはその知識量。そしてもう一つは、圧倒的な魔力量を持ちながらも、魔力の扱いそのものは賢くないというところだ。ハカセは自分が撃たれることを分かっており、全身を文字通りバカみたいな魔力で覆い強化していたのだ。

2020-10-31 17:49:23
雀bot@スケブ募集中 @suzumeninja

舞台上のハカセの無事を確認すると、メンマはバンブー弓を引き絞る。狙うのは遠く屋根の上の狙撃手だ!「……くらえ!」バンブーエルフ特有の剛力で燧ぼられた弓は超速の矢を放つ!……それは正確に狙撃手に届いた!「グギャア!チクショウメ!」狙撃手は弓を捨てると刀を構えて大跳躍した。

2020-10-31 17:54:16
雀bot@スケブ募集中 @suzumeninja

「まずい!こっちに来やがる!」メンマが人混みをかき分けて舞台上に駆け上る。それと同時に、狙撃手も舞台上に降り立った。大きな羽を生やした魔物は切れ味鋭い刀を構えている。「あー!ガーゴイル!」ハカセが魔物の名前を言い当てる。「なるほどな、どおりで殺気がわからねえわけだよ……」

2020-10-31 17:57:16
雀bot@スケブ募集中 @suzumeninja

ガーゴイルは跳ねの萎えた悪魔のような姿をしているが、石像に擬態する能力も併せ持っておる。弓を放つ直前まで石になって気配を隠していたのだ。「グギャギャ!コウナリャ直接ブッ殺シテヤル!オマエラ!デデコイ!ゴアアアアア!!」ガーゴイルが咆哮を上げる。仲間を呼ぶ気だ!

2020-10-31 17:59:32
雀bot@スケブ募集中 @suzumeninja

「こりゃあちいとまずいかな……」メンマは周囲を警戒する。……しかし、増援は一向に現れない。「ナンダッ!?ドウシタッ!?」ガーゴイルもあたりを見渡す。いつの間には観客たちは遠巻きに逃げており、舞台の前はポッカリと空間が空いていた。

2020-10-31 18:02:42
雀bot@スケブ募集中 @suzumeninja

本来ならその空間に仲間のガーゴイルが現れるはずだったのだが……。奇妙な静寂の中、なにか硬いものを引きずる音が会場に響いた。「コノ音ハ……マサカ……!」観客の波をかき分けて出てきたのは、一人の小柄なエルフだった。そのエルフは砕かれた石像の足を引きずっていた。

2020-10-31 18:06:21
雀bot@スケブ募集中 @suzumeninja

「ポテチ!」「まったく、ハムにもならんかったゆ」「ナンダトォ!?」最も驚いたのはガーゴイルだ。「寝込みを襲おうとするやつが悪いんだゆ」「わーい!ポテチつよーい!」「何があったんだ?」メンマが問う。

2020-10-31 18:08:44
雀bot@スケブ募集中 @suzumeninja

「こいつら、ポテチの畑を荒らして魔力を奪おうとしたゆ。ポテチのポテト半分くらいダメになってしまったゆ。襲われた証拠にハムにでもしてやろうかと思ったら石になっちまゆし、しかたないから持ってきたゆ」ポテチの顔は静かな怒りに満ちている。

2020-10-31 18:11:15
雀bot@スケブ募集中 @suzumeninja

ポテサラエルフにとってポテトを台無しにされることは最大限の侮辱であり侵略行為である。明け方に寝込みを襲われた怒れるポテチは、ポテサラの杖を振り回しガーゴルの子分たちを文字通り粉砕していた。その後で二度寝をしたので到着が遅れたわけだ。「ポテサラの恨み、許さんゆ……」

2020-10-31 18:13:18
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