内藤先生と地政学の複雑な関係

実際に地政学という言葉を使っているのは出版社やハサン先生や池内先生で、内藤先生の解説には地政学がいかに似非学問でダウトオウルの著書は地政学ではないと書いてあるのかもしれない。しかしトルコと日本は脱亜入欧の歴史的経緯も地政学的位置もよく似ているから参考になるとついつい言ってしまいがちではある。
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masanorinaito @masanorinaito

一言で言えば中身がないから。大抵は「地政学的リスク」という用語で使われるだけで「分野」にもならない。 政治、経済的な問題の地理的要因と言えば良いだけ。それは一つの課題足りうるが独立した学問にはならないから「地政学」の用語を使うのは慎重に twitter.com/karimalyabani/…

2019-05-20 08:54:33
Earl Karim @karimalyabani

ディシプリンや方法論があり体系だっているわけではないので独立した学問ではないですが、軍事学や戦略学の隣接分野といったところでしょう。今では学問というよりは国際政治や安全保障分野で実践的に用いられる概念で、まさに出自にあるとおり地域的・国際的な覇権を制するための学知ですね。 twitter.com/masanorinaito/…

2019-05-20 08:17:51
masanorinaito @masanorinaito

頭から「地政学」を使うなとは言わないが、「学」とついてるのになぜ「地政学部」はないんだろう?という疑問を持つのは大事。地政学に無理に体系性を持たせようとすると主権国家の利害が前面に出た身勝手な言説にしかならない。 かつての南洋進出、八紘一宇もそうで、その根拠として地政学が使われた

2019-05-20 09:03:52
masanorinaito @masanorinaito

何度でも繰り返すけど、「地政学」って言葉を安易に使うな。あれは、どこかの国や地域を自国の利益のためには侵略しても支配しても良いんだという言説に「根拠」を与えた偽科学が出発点。

2019-10-01 23:50:28
masanorinaito @masanorinaito

こういう発想が地政学の源流。 twitter.com/gloomynews/sta…

2019-10-04 08:26:47
deepthroat @gloomynews

エジプト国会議長がシシ政権の開発政策を擁護する際にヒットラーを称賛。「ヒットラーは過ちを犯したが、東部、西部への拡大は強固なインフラ開発あればこそだった」「移行期の国家建設には荒療治が必要だ」 bbc.com/news/world-mid… 軍事独裁国家エジプト。

2019-10-04 08:25:13
masanorinaito @masanorinaito

地政学という言葉には抵抗があるのだが、敢えて使うなら、世界の地政学的な地図は、パンデミック以前にその兆候が現れていた新興「帝国」群の台頭と戦後秩序の中の古典的自由主義陣営の衰退、堕落したイスラム圏諸国の自己崩壊によって分極化されるだろう。

2020-03-29 02:40:17
masanorinaito @masanorinaito

パンデミックによって、疲弊した人々は富裕国でも巨大な問題となるが、帝国化する諸国は自国の格差と分断を隠す為に、さらに世界を分断する戦争に乗り出す。敵はパンデミック以前に既に作り出されていた。国家秩序が崩壊した国々からは一層劇的な国民の流出が起きて領域国民国家を翻弄することになる。

2020-03-29 02:47:02
masanorinaito @masanorinaito

パンデミックは、国連が訴えるように世界が一つになって闘うべきものだが、現実の国家は、それとは裏腹にパンデミックを利用して敵にダメージを与え、覇権を握ろうとする。同時に発生した原油価格の暴落、バッタの大発生による食糧危機、既に始まった膨大な人の移動は諸国家による秩序をさらに破壊する

2020-03-29 02:52:00
masanorinaito @masanorinaito

人種や民族差別をあたかも科学のように説いたのが「地政学」。写真はハウスホーファーの『太平洋地政学』の目次だが、私が「地政学」という言葉を使うことに抵抗を感じるのは、↓のように偽科学として登場した過去があるから。 pic.twitter.com/NGHJeDl2WN

2020-06-06 00:13:54
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masanorinaito @masanorinaito

因みに日本から文明の『等級』分類を寄稿したうちの一人は新渡戸稲造である。

2020-06-06 00:20:55
masanorinaito @masanorinaito

「○○の地政学」というタイトルが付いてると、私も胡散臭い感じがあって手に取らないですね。政治学が地域研究しようが地域研究が政治に渡ろうが当然なので、わざわざ地政学という固有のジャンルがあるかのように見せるのは好きではないです。 twitter.com/haebaru/status…

2020-06-06 16:00:06
haebaru @haebaru

@masanorinaito すぐに「地政学」を言い出す人たちに、わたしも相当な抵抗があります。帝国主義の残滓であり、せいぜい「軍事的地勢論」とか「戦略的地理観」といったところで、固陋な優劣主義に基づく都合のいい政治的ドグマにつながっているように思うのです。

2020-06-06 07:01:14
masanorinaito @masanorinaito

その通りです。元々Geopolitikであって、国家にとって有用な戦略や政策の話であって学問ではありません。wissenschaftlich な匂いがしない😞 twitter.com/jonathan_1955/…

2020-06-06 19:23:15
masanorinaito @masanorinaito

ダーウィンの誤用以上に、19世紀の進化論を持ち出したところに酷く胡散臭いものを感じる。日本では、明治期に進化論が入って以来、生物よりも社会や国家の進化への適用に関心が集まったからね→ 進化論の誤用、憲法改正に引用 自民のツイートに批判:朝日新聞デジタル asahi.com/articles/ASN6N…

2020-06-21 23:55:17
masanorinaito @masanorinaito

明治に進化論が入った時、欧米と違ったのはキリスト教会の力が弱く「人獣同祖説」批判は力を持たなかった。その反面、国家を生物に擬えて富国強兵に進化論を使ったことを忘れちゃいけない。自民党の憲法改正の話、そのつもりで使ったのかね?それにしても誤用だけど

2020-06-22 00:06:48
masanorinaito @masanorinaito

ついでに言えば、私が「地政学」に批判的なのは、国家を生物に喩えて、生存のために必要な空間を自国の外に確保するのは必然という方向で作られたから。進化論を勝手に国家に応用して「適者生存」や「弱肉強食」の話にすり替えた上で「大東亜共栄圏」構想も科学的だと主張したのが「地政学」の源流

2020-06-22 00:15:39
masanorinaito @masanorinaito

今回の新型コロナでも思うのだが、世の中で「科学」だからと言われる時には慎重に見たほうが良いと思う。○○モデルとか✖️✖️理論とかいうものが出てきた時もそう。きちんと検証できる話なのか、合理的予測なのか、希望的観測なのか、見極めないととんでもない方向に誘導される。

2020-06-22 00:21:40
masanorinaito @masanorinaito

@najiihiroko ええ、そうです。地政学自体はドイツの武官だったハウスホーファーが日本について書いて翻訳されています。『太平洋地政学』として。国家有機体説もドイツで強まりました。統一国家として出遅れたドイツでウケる発想だったのでしょう。

2020-06-22 09:28:43
masanorinaito @masanorinaito

前にも呟いたが、戦後、地政学にコミットした学者(地理学者も)は公職から追放された。戦後「地政学」という講座も学会もなかったのは、侵略と支配を正当化する目的を「科学」を名乗った地政学がタブー視されたから。国際政治が流動化してくると「○○の地政学」本が増えますが私は批判的に見ています。

2020-06-22 09:35:39
masanorinaito @masanorinaito

中田先生訳のダウトオウル元首相の大著に、ちょっとした解説を書かせて頂いたのだが、もうゲラが上がってきて…しばらく熟成させてから直そう😰こういう壮大な世界を俯瞰する戦略論を書いてから、外相、首相を務めたところが凄いな。直接言葉を交わしたのは、広島で開かれた核不拡散の会議が最初だった

2020-07-15 01:36:18
Satoshi Ikeuchi 池内恵 @chutoislam

ダウトオウルの伝説的の地政学の大著『戦略的縦深性』が中田考監訳で『文明の交差点の地政学――トルコ革新外交のグランドプラン』として刊行。言及されるけど英訳がなく、バルカン半島やイランでのみ翻訳があるというのが何かを物語る、新オスマン主義の世界戦略 amzn.to/3kk8n7y @amazonより

2020-10-20 20:56:22
masanorinaito @masanorinaito

過去二十年、公正・発展党政権のもとでのトルコの外交方針がどういう世界認識に立っていたかを描く大著。著者ダウトオウルは大学教授から外相、首相を歴任。現在はエルドアン 政権と袂を分かち未来党の党首。 amazon.co.jp/dp/4910213090/…

2020-10-21 01:14:43
中田考 @HASSANKONAKATA

今こそ読もう‼️ダウトオウル『文明の交差点の地政学』amazon.co.jp/dp/4910213090/… twitter.com/HASSANKONAKATA…

2020-10-29 13:45:43
中田考 @HASSANKONAKATA

フランスに対する批判はトルコの不倶戴天の敵のエジプトやサウジも同調しています。四面楚歌のトルコが久しぶりに株をあげた、というのが実態です。 twitter.com/masanorinaito/…

2020-10-29 10:45:50
書肆心水 @SHOSHISHINSUI

近刊ダウトオウル著『文明の交差点の地政学――トルコ革新外交のグランドプラン』中田考監訳、内藤正典解説。日本語版序文、目次、監訳者後書PDF。要約や評論とは一線を画すリアルで主体的な新しい地政学。具体的諸議論の有機的連関。池内恵氏推薦! shoshi-shinsui.com/SPL209.pdf amazon.co.jp/dp/4910213090

2020-11-02 11:13:57
書肆心水 @SHOSHISHINSUI

池内恵氏推薦の辞「知る人ぞ知るまぼろしの地政学の名著、待望の全訳。その存在を広く知られながら、主要欧米語の翻訳がなかった大著。トルコの外相・首相を歴任した文明思想家ダウトオウルが国際政治史のパワーセンター・イスタンブールを主軸に構想する、もう一つの世界帝国がもたらす新しい秩序。」

2020-11-02 11:13:58
masanorinaito @masanorinaito

トルコはなぜ今嫌われるのか?そこには欧米諸国やそれに追随するアラブ諸国民とは全く異なる世界認識があった。国際政治学者や国際関係論の専門家ではなく、イスラム学者の中田先生が、なぜこの本の翻訳に心血を注いだのか、そこも注目点です。 twitter.com/SHOSHISHINSUI/…

2020-11-03 15:09:25
masanorinaito @masanorinaito

🎉 twitter.com/hassankonakata…

2020-11-12 13:48:50
中田考 @HASSANKONAKATA

見本が出来てきました。いよいよ20日発売です。『文明の交差点の地政学――トルコ革新外交のグランドプラン アフメト・ダウトオウル 』amazon.co.jp/dp/4910213090/… pic.twitter.com/eKinEAGu1P twitter.com/SHOSHISHINSUI/…

2020-11-12 11:43:13