ロバート・ブランダム『プラグマティズムはどこから来て、どこへ行くのか』読書メモ集
- arishima_takeo
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訳者のお一人である朱喜哲さんから、ロバート・ブランダム『プラグマティズムはどこから来て、どこへ行くのか』(勁草書房)をご恵投いただきました。ありがとうございます。 pic.twitter.com/pUl2tBejk2
2020-11-01 10:24:27朱さんは、第四章「言語的プラグマティズムと規範についてのプラグマティズム」、第五章「プラグマティズムのボキャブラリー」をご担当。来年は「日本のプラグマティズム」の書籍化作業に取り組もうと思うので、ちゃんと勉強して反映させていきたいです。拝読します。
2020-11-01 10:28:01ブランダム『プラどこ』上2。カントは御三家に先立つプラグマティスト。その基軸は、規範的転回とプラグマティズム的方法論にある。前者は判断と行為に責任を認める。後者は概念よりも判断こそを意識や経験の最小単位とする(意味論が語用論に応答していなければならない)。
2020-11-12 13:32:42プラグマティストにとっては、経験は学習プロセスへの入力ではない。経験はまさに学習である。byブランダム『プラどこ』上12
2020-11-12 18:29:46ブランダム『プラどこ』上17。実践的と言説的の二つの志向性を区別。前者は言語はもたない動物の環境への同調のこと。後者は概念で物事を明示し命題で評価すること。基礎的プラグマティストが熱望しているのは、言説的思考性を特別な種類の実践的思考性として描き出すこと。
2020-11-12 18:37:54「客体自然主義とは対照的に、アメリカン・プラグマティストたちは主体自然主義者である」(ブランダム『どこプラ』19)。確認だけど、ここでいう自然主義って自然主義的誤謬のそれと一緒って理解でOK?
2020-11-12 18:40:51プラグマティズムって自然と規範をごっちゃにさせると理解されがちで一部の倫理学者からは割と嫌われやすいと思うが、この事情はネオプラにとっても同様なんだろうか。
2020-11-12 18:45:20ブランダム『プラどこ』上28。道具的プラグマティズムを真理ではなく意味の理論として理解せよ。しかし、これをジェイムズはのむのだろうか?
2020-11-12 19:17:50「道具的プラグマティズムを真理についての理論として繰り出しても、プラグマティストに益はない」。益があるとかないとかそういう話なんだろうか。
2020-11-12 19:19:28プラグマティズムは、言語的なものを区分するための、そしてさらにその結果として言説性一般を区分するための、合理的な基準と、有益に融合されうる。byブランダム『プラどこ』上50
2020-11-13 16:07:55「ウィトゲンシュタインが「言語ゲーム」と呼ぶちょっとした実践のほとんどは、声を出す実践ではあるが、本当に言語的な実践でもなければ、まさしく言語的なゲームだと言えるようなものでもない」(ブランダム『プラどこ』上52)。ほう。
2020-11-13 16:11:36ブランダム『プラどこ』。プラグマティズムをプラグマティックに使うためには道具主義的な理解を斥けなければならない。これはよい。ただし、古典的プラグマティズムに道具主義的解釈の線がなかったということにはならないだろう(勿論ブランダムもそれを承認している)。
2020-11-13 16:17:10「プラグマティズムはロマン主義の一種ではない。これらふたつの思想運動は啓蒙思想の主知主義に対する反感を共有しているが、プラグマティズムは、その反動で理性の拒絶に陥ったり、思考よりも感覚を、経験よりも直観を、そして科学よりも芸術を特権化する方向へ進んだりすることはない」。
2020-11-13 18:00:54ブランダム『プラどこ』上76.なるほどなー。私はプラグマティズムの観点から立ち上がる文学論があり得ると思ってるんだけど、その種の固有名があんくいぶかしがっていたのだが、本性的に芸術と背反するものをもっているのかもね。
2020-11-13 18:02:50ある意味、『遠読』的なものがもっとも文学的プラグマティズムに近いのかもね。私はそういうことやりたいわけじゃないわけだが。
2020-11-13 18:05:33ロマン主義との絶縁はエマソンのような超越主義との距離でもある。私から見るとプラグマティズムがそのような財産を負っていることは思想の厚みに資すると思うのだが、現代プラグマティストはむしろ邪魔に感じるんだね。
2020-11-13 18:07:25「プラグマティズムは戦争の影響なしには生起しなかったかもしれないが、そうした必要条件でしかないものを指摘したところで、それが生んだ思想を理解するのにはほとんど役に立たないかもしれないからだ」(ブランダム『プラどこ』上82)。うーん、ここは哲学(とその解釈)に関する専断があると思うな
2020-11-13 18:43:51ブランダムは、ジャズ勃興の背後には南北戦争が残した余剰軍需品の安価なラッパがあったがそれを知ったとしてジャズの本質は分からない、という。ジャズについては門外漢だが、やはり違和感が残る。
2020-11-13 18:53:01あとのページで解消されるかもしれないが、少しメモ。【どのようにしてそれができたか】は【それがなにか】を説明しない、というのは一つの立場としてあると思う。現代の倫理学者は【である(であった)】と【べき】を峻別せよという。それと同じで。
2020-11-13 19:00:27ただ、プラグマティスト(ブランダムがいう意味でも)はこのような区別を先験的なものとして受け入れるのだろうか。私の理解では、彼らは独立した規範なるものを認めず、それは経験のなかで改訂と繰り返すのでは。
2020-11-13 19:04:12