ロバート・ブランダム『プラグマティズムはどこから来て、どこへ行くのか』読書メモ集

ロバート・ブランダム『プラグマティズムはどこから来て、どこへ行くのか』(加藤隆文+田中凌+朱喜哲+三木那由他訳、勁草書房、2020)の読書メモをまとめました。
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荒木優太 @arishima_takeo

たとえば同じ単語でも、文脈や状況の違い、その使用によって異なる意味を帯びることがある。プラグマティズムはそういったことを重んじる思想であり、ブランダムがいう意味論は語用論に応答していなければならないというのもそういうことなのでは?(間違っていたらスマン)

2020-11-13 19:07:24
荒木優太 @arishima_takeo

で、それをいうんだったら、【どのようにしてそれができたか】が大事じゃなくなるってのはおかしくないか? プラグマティズム思想だって、言語の体系なわけだから。

2020-11-13 19:09:24
荒木優太 @arishima_takeo

つまり、【どのようにしてそれができたか】なしで【それがなにか】を究明できるという立場は、どんな使用であるかを無視して言葉の意味を確定できるという立場に見えるんだが、どうだろうか。

2020-11-13 19:11:47
荒木優太 @arishima_takeo

語用論と歴史(文脈)の関係についてもう少し勉強すべきなのかもしれん。

2020-11-13 19:12:15
荒木優太 @arishima_takeo

少し補足。「一つの立場としてあると思う」と書いた。言い換えれば必ずや別の立場と衝突する。即席の例を挙げれば、ハイデガーを解釈するのにナチスへの協力を無視することはできない派や西田哲学には禅の経験が不可欠派などに相同的な立場に。

2020-11-13 19:17:34
荒木優太 @arishima_takeo

そのとき、現代プラグマティストは、その違いをどのように処理するのか。彼らは哲学(の解釈)について思い違いをしている、と論難して終わるのだろうか。私の観点からすると、プラグマティズムの多元主義がもっていた魅力をかなりそぎ落としているように思えるのだが。

2020-11-13 19:21:30
荒木優太 @arishima_takeo

「プラグマティストは信じる(believing)という行為についての――大まかに言えば、可謬主義は狂信よりもましな態度であるという――結論を引き出すだけではない。プラグマティストの哲学理論の中核をなすのは信じられているないし信じうる(believed and believable)内容についての説明である」。

2020-11-13 19:29:00
荒木優太 @arishima_takeo

ブランダム『プラどこ』上83.これはいい説明だね。

2020-11-13 19:30:00
荒木優太 @arishima_takeo

ブランダム『プラどこ』上103.ブにとってプラグマティズムを狭くとったのが御三家で、それは「信念をそれによって欲求の充足が容易になる度合に照らして評価する」発想を指し、広くとると「実践的なものがそれ以外のものに先立つ」発想になる。ブは後者に属する。

2020-11-14 12:59:21
荒木優太 @arishima_takeo

私から見ると、プラグマティズム財産を現代的に選り分けたのが(つまり狭くしたのが)ミサックやブランダムのように映るのだが、本人たちからしてみれば違うようだ。

2020-11-14 13:00:31
荒木優太 @arishima_takeo

ブランダム『プラどこ』上105.語用論の定義。一般的にいわれる「使用状況次第で意味が変わる表現の意味論」ではなく、フレーゲのいう「発話の力」を研究する立場をブランダムはそう名づける。分かるようでよく分からん。

2020-11-14 13:03:59
荒木優太 @arishima_takeo

「痒みが和らいだかどうかについて生物は誤りえない。だが自分が欲しているものを隠したかどうかについては、いつでも、かつ自動的にわかるなどというわけではない」(ブランダム『プラどこ』上132)。うん、これはいい話だね。

2020-11-14 16:06:03
荒木優太 @arishima_takeo

王堂の具体理想主義でも欲望の充足が議論になることはなく、どの欲望を優先させようかという「方針」の話に終始する。でも、欲望が達せられたかどうか自体が実は多くの問題をはらんでいるんだよな、人間にとって。

2020-11-14 16:09:51
荒木優太 @arishima_takeo

ボールをリングに入れたい、チェスがうまくなりたい、世界の貧困を根絶したいなどと私が欲した場合、実際には充足されていないにもかかわらずそうした欲求がうまく充足されたと私が誤って思うということは、どの例においてもありうる。byブランダム『プラどこ』上133

2020-11-14 16:11:52
荒木優太 @arishima_takeo

「原理的に言って、信念がそれに基づいてなされる実践的活動の成否に対していかなる貢献を果たしているのか、それを単独で取り出す(isolate)ことなど一般的に不可能である」(ブランダム『プラどこ』上133)。そうだね。

2020-11-14 16:14:30
荒木優太 @arishima_takeo

真なる信念が実践における成功をもたらすのは、真なる背景信念の集合がつくる文脈内でのみである。byブランダム『プラどこ』上134

2020-11-14 16:16:22
荒木優太 @arishima_takeo

「私が異を唱えているのは、言語を全体としてそれが何かのためのものであるという仕方で、つまりその眼目は目的追求のための手段になることにあるのだとする仕方で理解しようという発想に対してである」(ブランダム『プラどこ』上140)。ほう。

2020-11-14 16:29:31
荒木優太 @arishima_takeo

超どうでもいいけど、加藤隆文さんって私より二つ上くらいの学者さんなんだね。もっと年長の方かと思っていた。

2020-11-14 16:35:19
荒木優太 @arishima_takeo

ブランダムはロバストという言葉が好き。メモ。

2020-11-14 18:29:20
荒木優太 @arishima_takeo

ブランダム『プラグマティズムはどこから来て、どこへ行くのか』上巻読了。第三章はセラーズの仕事をよく知らないのでよく分からなかった。つづけて下巻を読む。

2020-11-14 18:37:31
荒木優太 @arishima_takeo

「もし私たちが注意を払う範囲を広げ、自分たちが求めるもの、あるいは必要なものさえ変化させるというボキャブラリーの果たす役割にまで目を向けるならば、表象主義の描像が提供しうるものはずっと不明瞭になる」(ブランダム『プラどこ』下55)。うん、ここは面白い。文学部役立たない?問題でもある

2020-11-17 16:28:56
荒木優太 @arishima_takeo

アリストテレスは徹底的な再教育を受けるのでなければ現代物理学の進歩を理解できないだろう(歴史主義的断絶)。が、人口が増えたり高いビルや流通の整備が向上したことはすぐに理解できる(自然主義的連続性)。

2020-11-17 16:38:57
荒木優太 @arishima_takeo

プラグマティズムには、自然主義と歴史主義があり、前者は査定されるすべてのボキャブラリーによって特定できる目的に奉仕し、後者はボキャブラリーの特権的な部分集合によって特定可能な目的に奉仕する。哲学のボキャブラリーにとってこの両輪が必要、とローティ=ブランダム。

2020-11-17 16:45:08
荒木優太 @arishima_takeo

ボキャブラリーを道具として解釈するというボキャブラリーこそが、この分断を整合的で非二元論的なものとして解釈するための、ローティにとって最も重要な道具である。byブランダム『プラどこ』下65

2020-11-17 20:47:25