徳久倫康さんの「僕の妹は漢字が読める」の感想。

徳久倫康(@tokuhisan)さんの「僕の妹は漢字が読める」の感想と考察。 僕の妹は漢字が読める(体験版) http://www.hobbyjapan.co.jp/hjbunko/tachiyomi/1107/110702/_SWF_Window.html 続きを読む
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徳久倫康 @tokuhisan

『僕の妹は漢字が読める』読みました。続きものなんですね。まずはふつうに読み物としておもしろかった。内容ですが、タイトルに反して、23世紀に漢字が使われなくなっているという設定はそこまで核心ではなく、むしろ「萌え」が世界を覆ってしまった未来という世界観のほうに力点が置かれてます。

2011-07-18 11:52:09
徳久倫康 @tokuhisan

このあたりはけっこう手が込んでいて、たとえばほとんど白痴化したオタク(=23世紀の一般人)である主人公と、21世紀に生きるヒロインでは、世界の見えかたが違っていることがさらりと書かれていたりします。

2011-07-18 12:00:00
徳久倫康 @tokuhisan

ヒロインは主人公の男と自分の兄の「目元とか、唇のまわりとか」が似てると細部について指摘するのですが、当の主人公は「メガネの有無」といった記号的な差異でしか類似点を認識できないので、ヒロインの言っていることがよくわからない。たぶんこのへんは計算して書かれているのだと思います。

2011-07-18 12:02:59
徳久倫康 @tokuhisan

あと重要なのは、日本文学史=歴史の決定的な屈曲点として2060年に書かれる作品のタイトルが『おにいちゃんのあかちゃんうみたい』というタイトルだ、ということですかね。歴史を変えた作品に出産というモチーフが埋め込まれているというのはなかなか巧妙です。たぶん続編で回収される伏線ですが。

2011-07-18 12:09:36
徳久倫康 @tokuhisan

ただまあ、「文学」が歴史や文化を規定するという世界観は、ある意味でかなり身勝手というか、「文学至上主義」そのものだったりするので、そのへんは割り引いて考えなきゃいけないのかな、とは思います。いずれにせよ続きは楽しみです。

2011-07-18 12:15:19
徳久倫康 @tokuhisan

これおそらくぼくの勝手な深読みではなく、かなりのぶぶん作者が計算して書いてるので、単に乗せられてるだけって感じもしますがw、興味のあるかたは読まれるといいんじゃないでしょうか。はい。

2011-07-18 12:19:34