ノーベル賞受賞経済学者・シムズ教授の財政政策 ―― FTPL vs MMT
さて、これのどこが、画期的なのだろうか? 伝統的(リカード的)経済学では、財政を物価(や金利や国債残高など)に合わせるべきと考えるのが普通だった。
2021-01-05 22:45:10それは要するに、「プライマリーバランス」や財政均衡、財政黒字、財政再建、財政規律など、反緊縮系論者の憎しみの対象となっている考え方だ。
2021-01-05 22:48:04しかし、FTPLにおいては、政府が財政再建を放棄することで、物価が上昇し、増税ではなく、インフレ税によって国債を返済するのだという。
2021-01-05 22:49:18つまり、政府が財政再建を止めると、結果的に財政再建できる。非常にトリッキーに見える、この仕組みを支えるのが「インフレ期待」の形成だ。
2021-01-05 22:52:02「バーナンキの背理法」があって、インフレしないなら無税国家ができるが、経済に「フリーランチ」はないから、結局どこかでインフレすると。
2021-01-05 22:54:56奇妙な感じがするが、たとえると、「追われると、逃げたくなる」が、「逃げられると、追いたくなる」という、恋愛心理みたいな感じだろうか(笑)?
2021-01-05 22:57:15これは、日本で言うと、70年代に「オイルショック」でインフレが続き、インフレは沈静化したものの、今度は90年代頃から、デフレと財政赤字に悩まされるようになった状態を想定しているらしい。
2021-01-05 23:03:16つまり、インフレのコストを財政赤字につけ替えただけではないか、それならインフレの方がマシではないか、というのがFTPL論者から見た時の疑問。
2021-01-05 23:05:34先に私の立場から結論を言うと、経済政策として、「FTPLはアリだが、MMTはナシ」という立場だ。両者には違いがある。それが何なのか、これから違いを見ていこう。
2021-01-05 23:10:38FTPLが財政主体の立場なのは、「物価水準と関係があるのは、貨幣供給よりも、国債残高ではないか?」という疑問を持っているからだ。実証的な裏付けもあるらしい。
2021-01-05 23:13:00俗に言う「マネタリーベースのブタ積み」を、見せつけられた経験も日本にはあるので、金融・財政の協調政策というのは、昔より説得力を持っただろう。
2021-01-05 23:15:10