アメリカ海兵隊員、昭和30年の日本を語る

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uroak_miku @Uroak_Miku

日本の経営 〔新訳版〕 by ジェームス・C・アベグレン amazon.co.jp/dp/4532311896 昭和33年刊行の古典。「臨時工は農家の余った男子労働者」という指摘にはっとなる。労働者の雇用増減調整は日本が農業国だったゆえに柔軟対応可能だった…これは濱口論考の穴ですね。

2021-01-05 17:20:10
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農村が労働力供給源&出戻り先となって、景気の波による労働力需要の増減をうまく調整していた…私の想像。裏付ける先行研究はないかな。 pic.twitter.com/lsfHSw3WJq

2021-01-05 17:35:49
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日本の経営 〔新訳版〕 by ジェームス・C・アベグレン amazon.co.jp/dp/4532311896 とおしで読了。昭和30~31年に著者が日本で行った調査研究を元にした日本会社文化論の始祖にして古典。2004年新訳版解説の終盤に日本のアニメの話題が唐突にでてくるのが印象的。

2021-01-06 15:48:49
uroak_miku @Uroak_Miku

超高層ビルがだんだんできあがっていく様を見上げながら、ああこれでは耐震構造ではないと頭を抱える設計者の気分。 幸い書き物はリセットができて設計から再スタートできる。ため息とともに。あはは。

2021-01-06 15:55:49
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日本では昭和33年に刊行。当時の日本の人びとには衝撃だったようです。2004年新訳版解説を信じるならば、外国人の目に自分たちはこんな風に映っているのかという衝撃でした。 pic.twitter.com/XQlSMbkarV

2021-01-06 16:01:53
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読んでいて新鮮なのは、昭和30年代冒頭において日本の会社や工場を退職する理由は、女子の場合は結婚だとして、男子のかなりは「親が死んだので田んぼを引き継ぐ」という事実。 日本の雇用体系は農家人口が支えていた。そのぶん良くも悪くも柔軟性があった。

2021-01-06 16:05:22
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戦時中の労使調整システムへの言及は見られない。昭和30年では振り返るには早すぎたのかな。 そういえばトヨタでてきませんね。ちょうど『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の頃の日本。あの映画では日本のトヨタ車が疲弊したUSAの象徴として現れた。

2021-01-06 16:14:58
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本の冒頭がまた印象的。非西洋国が工業化するにあたって西側方式と東側方式があるが日本はどちらでもない道を歩んでいるぶん興味深い研究対象であると宣言。

2021-01-06 16:21:44
uroak_miku @Uroak_Miku

臨時工の分析が鋭い。農家の男子が職安を通して集められる。通常は余剰農業労働者で、解雇されれば農業に戻る。雇用期間は平均五か月。新制中卒者。

2021-01-06 16:25:13
uroak_miku @Uroak_Miku

昭和24年に不況とある。ドッジ不況ですか。東西冷戦開始の落とし子。

2021-01-06 16:27:26
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ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89… >敗戦後、3年を経過した日本は、未だGHQの占領下にあった。 この頃、アメリカとソ連の間では、既に冷戦が表面化していたため、GHQは日本を、アジアにおける反共の砦に仕立て上げる必要に迫られていた。

2021-01-06 16:28:03
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>そこでドッジは、後にドッジラインと呼ばれる経済合理化政策を画策。日本の資本主義を強化する方策を打ち出し、翌年の1949年3月7日、ドッジが内外記者団との会見において発表するに至った。

2021-01-06 16:28:22
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>訪日したドッジは記者団への会見で「日本の経済は両足を地につけておらず、竹馬[3] にのっているようなものだ。 竹馬の片足は米国の援助、他方は国内的な補助金の機構である。 竹馬の足をあまり高くしすぎると転んで首の骨を折る危険がある」と述べた。 pic.twitter.com/bXDY4HsjXf

2021-01-06 16:29:32
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>GHQ経済顧問として訪日したデトロイト銀行(英語版)頭取のジョゼフ・ドッジが、立案、勧告した。1948年(昭和23年)12月に、GHQが示した「経済安定9原則」の実施策である。ドッジ・プランとも呼ばれる。

2021-01-06 16:30:18
uroak_miku @Uroak_Miku

そういえば映画会社大映の社長はドッジとも親交があって渡米の際にもデトロイト財界人の友好団体の一員に迎えられていたとかなんとか。クロサワの『羅生門』のPとして知られディズニー兄弟とも親交を結んだ。マッカーサーともコネがあった。

2021-01-06 16:32:28
uroak_miku @Uroak_Miku

p32に、大量の関連会社や下請け企業を抱えることで、従業員数の調整を下請けに転嫁していくとある。労働組合が機能するのは大企業の場合。下請けほど地元ムラからの因習的チェックも厳しくなるので解雇困難に。

2021-01-06 16:46:54
uroak_miku @Uroak_Miku

海外への工業品輸出に今まで以上に依存するとなると賃金の上昇も避けられず今までのやり方が通用しなくなるのではないか…アベグレンの洞察が光る。その後どうなったのかを知っていると味わい深い指摘です。

2021-01-06 16:50:12
uroak_miku @Uroak_Miku

それにしてもこの本は読んでいて気持ち悪くなってくる。今も存続する、この国のいろいろな利害調整システムが言語化されているから。「そうそう、きっとそうなんだよねー」と顔をしかめながらうなずいてしまう。

2021-01-06 16:52:26
uroak_miku @Uroak_Miku

外国人にこの国のもろもろを説明するには、こういう痛みに耐えないといけない。イタイヨーイタイヨー

2021-01-06 16:54:05
uroak_miku @Uroak_Miku

そうそう元請け工場内で下請け会社の工員が働いてる様にも触れている。アメリカ人学者の目にこれはどう映ったのか。

2021-01-06 16:59:58
uroak_miku @Uroak_Miku

労働法制にそくして考えるならば、こういうのって法の網をかいくぐるための裏技。人員の増減や配置換えがしやすい。

2021-01-06 17:01:21
uroak_miku @Uroak_Miku

ああそういえば農地解放がありましたね。小作農が独立していって自民党の支持基盤になったという。 小作農の激増と、臨時工の供給源としての機能ぶりにはどのくらい関係があるのか、興味があります。

2021-01-07 17:29:40
uroak_miku @Uroak_Miku

戦後日本の農民層分解と農業構造の転換1 l.u-tokyo.ac.jp/2015SSM-PJ/03_…

2021-01-07 17:32:01
uroak_miku @Uroak_Miku

>①戦前期の農家戸数・農業従事者数は、意外なほど一定であった。1905 年から 1940 年までの 35 年間、農家戸数は 550 万戸を中心に 2%程度の変動を示したに過ぎない。

2021-01-07 17:33:26