匿名批判は卑怯? ずる? 脆弱?
- toiimasunomo
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http://t.co/fE4nE2K 小谷野敦さんの日記を読んで。匿名批評についての私の考えを書いてみます。念のため言っておくと枡野浩一は生まれたときは本名でしたが今は筆名です。結婚して姓が変わり、離婚する時それを残しました。その戸籍名のみで私を認識してる人は、ほぼ0人です。→
2011-07-23 02:28:39→その戸籍名は親しい人には明かしているし、仕事先にも明かしているが、ネットなどでは積極的には明かしていません。じつは著作では暗に明かしているのだが、暗に明かしていると気づく人は少ないです。「もうひとつ名前があると面白いから」という理由で、しばらく秘密にしておこうと思っています。→
2011-07-23 02:32:37→私の戸籍名を知っている人は大勢いるから、だれかがネットに書いてしまったら、私が秘密にしておいて面白がろうと思っている諸々は台なしになります。つい先日も「筆名と戸籍名がちがう」ことを利用した小説の原案をメルマガに書きました。その小説を書き上げるまでは戸籍名は広まらないでほしい。→
2011-07-23 02:37:49→そう願っているけれど、その願いを台なしにする人がいてもおかしくない。願いを台なしにされたら残念だが、しかし戸籍名のほかに筆名を持って物を書いて食っている以上、それくらいの「残念」は覚悟しています。こうして書きながら気づくのは、私が戸籍名を伏せていることは「弱み」だということ。→
2011-07-23 02:41:38→物書きにとって、隠していることがあるというのは、「弱み」なのです。人と人が論争になったりしたとき、「弱み」が少ないほうが有利に決まっています。その意味で私は「匿名批評は卑怯」という意見に全面的に賛成します。ネットでは匿名的な人のほうが数が多いから、多数決では負けるでしょうが。→
2011-07-23 02:44:36→「匿名批評は卑怯」という言い方が強すぎるなら「匿名批評をする人は、ずるをしている」と言いかえてもいいです。以前ネットで、「匿名で人を批評する人は実名で人を批評する人に、ある意味甘えているのだ」(大意)という意見を読んだことがあります。その意見が正味のところ的を射ていると思う。→
2011-07-23 02:49:40→さきほど《物書きにとって、隠していることがあるというのは、「弱み」なのです。》と私は書きました。が、その物書きの隠していることが周囲にバレない状態が続いた場合、隠していることがある人が得をしているように、見える瞬間もあるかもしれない。でも長い時間を経て、隠しごとがバレたとき、→
2011-07-23 02:51:41→その「かつて匿名だった人」の発言は説得力を失うのです。批評は説得力です。実名(戸籍名)、性別、年齢、学歴、職歴、容姿……他を明かしている人の発言は、それらの情報こみで評価されます。ハンサムでない人がハンサムのふりをして発言しても、その「ふり」がバレたら説得力は消えるでしょう。→
2011-07-23 02:56:13@toiimasunomo 「匿名批評は卑怯」に同意です。自分も時々、匿名でつまらないと思う映画や小説について思いっきり書きたい衝動にかられます。でもやらない。本気で批評的なことを書くときは反撃されることを覚悟する。匿名だと逃げ切れるから、覚悟が弱くなって、文章が濁ると思う。
2011-07-23 03:01:22→筆名をつくることは、「現実の自分」とは別の「もう一人の自分」をつくろうとする行為です。生身の自分に、げたをはかせることもできる。しかし、「あんな華麗な筆名だけど本名は▼▲だろ」「その顔で、この文かよ」と言われることから、永遠に逃げることはできない。だから「匿名の発言は脆弱」。→
2011-07-23 03:04:17つまらないと思う映画をつまらないと言い切ることは、その全スタッフを批判することになると思ってる。どこかでそのスタッフの誰かと自分が仕事することになるかもしれない。その時、批判の跳ね返りを受けなくてはいけない。受ける覚悟がないのに、批判だけするのはずるいと思ってる。)続く
2011-07-23 03:04:43「説得力なんていらない。とにかく罵倒したい」というような意図で匿名で書かれた文章が、「場」の力によって妙な説得力を持ってしまう場合がたまにある。2ちゃんねるをたまに見ると出くわすことがある。そしてかつて『短歌現代』には『31ちゃんねる』という匿名時評が存在した。こんな例もある。
2011-07-23 03:05:46かつて批判したスタッフが、「あんたとはやりたくない」と言って、私の現場放棄するかもしれない(そんなことは実際にはないけど)。でも、そういう可能性まで含めていつも考えてる。その時、「あーあんなつまらない作品のスタッフだから帰っていいです」と言えるほどの自分なら、いいけど…続く)
2011-07-23 03:07:17『31チャンネル』(カタカナでしたすみません)は、主にアララギ系の立場から最近の短歌を批判する、という文脈で統一されていた。荻原裕幸さんは「あそこで批判された回数は僕が一番多い」とかつて発言した。そしてこう付け加えた。「まあ、ガス抜きの意味もあるんだろうな」。
2011-07-23 03:09:04その覚悟も自信もないのに、批判できないです。軽はずみには。するときはさし違える覚悟でいかないと。作ったひとや書いたひとがどれほど命かけて作っているか知っているので、批判も命がけで…と思ってます。
2011-07-23 03:09:21あ、枡野さんが有栖川有栖をDISった(違うかw)RT @toiimasunomo: →筆名をつくることは、‥生身の自分に、げたをはかせることもできる。しかし、「あんな華麗な筆名だけど本名は▼▲だろ」「その顔で、この文かよ」と言われることから、永遠に逃げることはできない。‥→
2011-07-23 03:10:43→その脆弱性にだれもが薄々気づいているのに、気づかないふりをしているから、匿名批判は「卑怯」なのです。私は、あらゆる人が戸籍名で発言すべきだとは思いません。ただ、匿名批判はそのように読まれる宿命を持っているということに、皆、もう少し自覚的であってほしいとは思います。(一応おわり)
2011-07-23 03:11:05と言いつつ、中学生の頃、匿名でラジオ番組に葉書送ってました。自分の通っていた学校は厳しくて、ラジオやテレビに出ると退学だったので。あと大学生の頃、ペンネームで素性を証さず、エロ小説書いてました。あ…これらは批評じゃないからいいのかしら。匿名でも。
2011-07-23 03:18:06(追伸。私のツイート、「匿名批評」と「匿名批判」が混在していました。小谷野敦さんは「匿名批判」と書いています。私は「匿名批評」という言葉をつかいたかったのですが、「匿名批判」という言葉に置きかえて読んでくださってもかまいません)
2011-07-23 03:18:59文章を読めばその人が誰かはわかるが、あえて匿名にする、という場合が存在する。あと誰だかわかってほしい文脈であえてイニシャルとかで表記するブログをたまに見る(S藤S藤さん、とかU山さん、というように)。これはどういう意図なのだか未だにわからないでいる。
2011-07-23 03:28:13明日早起きなのに、「名前」について考え込んでしまう。2ちゃんねるみたいに誰だかわからない良さもあると思う。巨悪に立ち向かう時、最初から本名でいったらつぶされるかもしれない。匿名で仲間を募って革命起こすってこともあるかもしれない。だから一概にいつでも「名を名乗れ」ってわけじゃないが
2011-07-23 03:35:35そういえば、自分は「白金カナ」っていう名前もあったんだった。テレビのエンタメ系の脚本書くとき、こっちの名前だったわ。あるドラマを書いている時に、カナという犬が亡くなってしまって、いろいろ混乱してて、カナの名前をつけてしまった。
2011-07-23 03:39:18「匿名批判は卑怯だ論争」って、やっぱFacebookが侵食してきたことの露見なんだろうな…徐々に実名派が増えてって大半が実名になれば俺も実名にするけど。あんなのは結局「赤信号、みんなで―」だからな。
2011-07-23 03:41:59