- Kazedayori
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いぐ(1)コンピュータに対する考え方が変わったのは、大学院で、アポロのワークステーションが来た時である。インターリーフというアプリがあって、WYSIWYGの世界を初めて体験した。しかし、私が接していないだけで、とっくに実現しているコンピュータがあったのだ。
2011-07-23 10:02:09いぐ(2)マッキントッシュの1984年のコマーシャルは伝説的である。オーウェルの『1984』になぞらえて、灰色の世界を女性が粉々にする。「マッキントシュを見れば、なぜ1984が1984のようではないかわかるでしょう。」
2011-07-23 10:03:32いぐ(3)全米が注目するスーパーボールのハーフタイムに放映されたマッキントッシュのコマーシャルは強い印象を与え、「アップル」のブランドが一気に確立した。脳の情動系と記憶回路に深く入り込むことで、伝説的なブランドとなる条件が整えられる。
2011-07-23 10:05:11いぐ(4)英国滞在中、Steven LevyのInsanely Greatを読んだ。マッキントッシュの誕生の物語。ここで描かれていたスティーヴ・ジョブズの思想、行動が、私に強い感銘を与え、コンピューティングについての概念が変わった。MS-DOSの灰色の世界が消えた。
2011-07-23 10:07:05いぐ(5)Insanely Great(発狂するくらい凄い!)は、スティーヴ・ジョブズの口癖。すさまじいまでの熱狂と集中で、マッキントッシュを創る。今まで誰も見たことがないような新しいコンピュータ。現代では、哲学は製品となって世の中を変えていくのである。
2011-07-23 10:08:21いぐ(6)スティーヴ・ジョブズの周囲は、Reality Distortion Zone(現実が変容する空間)。そのカリスマと、他の人を巻き込んでいくエネルギーを通して、マッキントッシュを生み出す運動が進められた。創世記には、必ず現実変容空間が出現する。
2011-07-23 10:09:37いぐ(7)そして、スティーヴ・ジョブズの名言の極めつけは、「Real Artists Ship」(ほんものの芸術家は、出荷する)。アタマの中で考えているだけではダメ。夢を語っているだけではいけない。ブツとして「出荷」して、ほんとうの意味での芸術家になれる。
2011-07-23 10:10:42いぐ(8)ポスドクとして訪れたケンブリッジの下宿で、LevyのInsanely Greatを一気に読んで、興奮してそのあたりを歩き回った。それまで科学のことばかり考えていた私にとって、コンピューティングが情熱の一部になった記念すべき一冊だった。
2011-07-23 10:11:59いぐ(9)スティーヴ・ジョブズのプレゼンテーションへの注目度は高いが、そのマネッジメントのスタイルにも今一度目を向けるべきだろう。「発狂するくらい偉大」「現実変容空間」「ほんものの芸術家は出荷する」。停滞する日本には、ジョブズの精神が少しは必要なはずだ。
2011-07-23 10:13:26