地理が見えると歴史が見えて世界が拡がる

ふとしたことから地理に意識が向き、調べたら歴史のあれこれが具体的に感じられるようになり、それが今の文化にもつながるものだというのを感じた一連のツイート。そして植民地として開発・近代化されるのは、こういうことなのだな…と改めて。
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key.white.1 @keywhite11

本当に韓国の地理を知らなすぎるので、昨日4時間かけて勉強しました。 テキストでよく山の名前が出てくるのでしっかり確認。 移動を考えて市だけではなく、駅を覚えた方がいいと思って書き書き。 ちょっと覚えたぜよ☺️ コツコツ頑張ります✊ pic.twitter.com/TDpBdlb8Eg

2021-02-07 20:42:50
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八田靖史@コリアン・フード・コラムニスト @kansyoku_nikki

ぜひとも、ぜひとも、この素晴らしい勉強に「山脈」の概念も加えてください。 画像では見えないけど、たぶんあるだろう江原道の雪岳山(の本来もっと北)から、五台山、(太白山)、周王山~釜山あたりまでが「太白山脈」。 小白山、月岳山、俗離山、徳裕山、智異山と連なるのが「小白山脈」です。 twitter.com/keywhite11/sta…

2021-02-08 08:18:44

韓国の話題や歴史の話には、山がよく登場します。ソウルや釜山の街の近くに山があるということもありますが、朝鮮半島の「軸」となる山脈があり、それが朝鮮エリアそれぞれの特徴を作り出し、そして文化も生み出してきたものだからなのですね。

KONESTさんより、地図を引用させてもらいました。
https://map.konest.com/
朝鮮半島は東寄りに(北から連なる)大きな山脈があり、そこから南西へと分かれる山脈があるのですね。そしてその山脈と大河が、古来からの交流軸になっていたと。

八田靖史@コリアン・フード・コラムニスト @kansyoku_nikki

山脈が見えると、韓国は東側に山が多く、東海岸と近接し、西側がなだらかで平野部が多いことが一緒に見えてきます。 その地形がそのまま海へともつながるので、東側の海はいきなり深く(ズワイガニなど深いところに生息する魚介が名産)、西側の海はなだらかで遠浅(貝類などが名産)です。

2021-02-08 08:26:52
八田靖史@コリアン・フード・コラムニスト @kansyoku_nikki

韓国の代表的な平野は西側に集まっていますが、中でも有名なのが、全羅北道の全州一帯に広がる「湖南平野」です。農業に適し、良質な米や野菜が豊富なことから、それらをひとつの器に盛り付けた「全州ビビンバ」が有名になりました。全羅南道の「羅州平野」、忠清南道の「礼唐平野」も米の名産地です。

2021-02-08 08:34:13
八田靖史@コリアン・フード・コラムニスト @kansyoku_nikki

さらに欲を言えば、代表的な河川の名称もぜひに。四大河川と呼ばれる「漢江」「洛東江」「錦江」「栄山江」と、河口部あたりで慶尚道と全羅道の境となる「蟾津江」も! ……と朝から興奮しすぎましたが、この手の話が大好きでつい。韓国の地方を旅すると土地ごとの地理が見えてとても楽しいのです。

2021-02-08 08:53:23

韓国と言えば、山と共に重要なキーワードが、川。
朝鮮王朝時代は川の流れを使った舟運が各地にあり、川もまた朝鮮半島の交流の軸となっていたのですね。

せき のりかず @kotonoha_s

@kansyoku_nikki 川の流れを調べていて、漢江(南漢江)と洛東江が峠ひとつ隔てるだけで「往来として」つながっているというのに気付いたときは、なるほど!と色々なものが頭の中で「つながった」感がありましたですね。

2021-02-08 09:11:37
八田靖史@コリアン・フード・コラムニスト @kansyoku_nikki

@kotonoha_s そう! そしてそれを丹陽とか、栄州とか、そのあたりの地域に住む人たちが誇りに思っていて、交通の要衝としてのお国自慢を旅の最中に何度となく拝聴するのが、また楽しいんですよねぇ。

2021-02-08 09:23:09
せき のりかず @kotonoha_s

@kansyoku_nikki 鉄道好きなのでどうしても鉄道の路線に引っ張られて国土軸とかを見てしまうのですが、なるほどここに太い軸があったのか!というのが突然ハッキリと見えて、そしてその軸に沿ったところになるほど古都があるのだな、と…。ああ、このルートで韓国縦断をしてみたいですね…。

2021-02-08 09:30:51
せき のりかず @kotonoha_s

@kansyoku_nikki 釜山(東莱)→ソウルの「科挙受験生上京ツアー」とか、ソウル→慶州の「両班さま御帰郷ツアー」とか、やってみたくなりました…

2021-02-08 09:35:05
八田靖史@コリアン・フード・コラムニスト @kansyoku_nikki

@kotonoha_s いいですねぇ。土地ごとの古宅で宗主さまの話を聞いたりとか、書院を訪ねたりもできますね。 鉄道が通っているところは朝鮮時代の主要路とも共通するので、小白山脈を越えるのはやっぱりココ! みたいな地形の発見があって面白いです。あと高速道路も。

2021-02-08 09:44:43
せき のりかず @kotonoha_s

@kansyoku_nikki 経由地の歴史文化や食材などだけでなく、科挙ツアーを経て辿り着くソウルで改めて見る考試院とか、現代の文化の見え方も変わったりもしそうですね。

2021-02-08 09:51:38

八田靖史@コリアン・フード・コラムニスト @kansyoku_nikki

せっかくなので河川と峠のイメージを。ソウルと慶尚道を往来するには小白山脈を越えねばならず、比較的越えやすい3つの峠(竹嶺、聞慶セジェ、秋風嶺)が主要路となりました。いずれも現在は慶尚北道と忠清北道の道境。このあたりの地域では、交通の要衝地として栄えた歴史が郷土自慢になっています。 twitter.com/kotonoha_s/sta… pic.twitter.com/UdEipo7GqP

2021-02-08 17:43:04
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八田靖史@コリアン・フード・コラムニスト @kansyoku_nikki

個人的には慶尚北道の栄州で聞いた、「朝鮮時代の川は現代のKTX。栄州からはソウルも釜山もあっという間」との話が忘れられません。地図上では距離があるように見えても、歴史的にはそうではない、ということを学びました。事実、栄州は儒学者の町として中央に多くの人材を輩出した歴史があります。

2021-02-08 18:07:34
八田靖史@コリアン・フード・コラムニスト @kansyoku_nikki

栄州は中央から近いという話を聞いた後、郷土料理のテピョンチョ(そば寒天入りキムチ鍋、태평초)を食べたら、そのルーツが宮中料理のタンピョンチェ(탕평채)にある(との説がある)なんて話が出てきて震えましたよ。地方の郷土料理を追いかけていると、地理の話、歴史の話、本当に大事です。 pic.twitter.com/5RHtnJJVL1

2021-02-08 18:21:09
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八田靖史@コリアン・フード・コラムニスト @kansyoku_nikki

まあ、朝鮮時代の話なので言うほど「あっという間」ではないですけどね。そもそも峠を越えるだけでもひと苦労ですし。あくまでもひとつの町をより深く知るためのアプローチとして、山とか、川とか、道とか、峠とかの話はとても大事だということで、僕が専門とする食文化においても密接に関係します。

2021-02-08 18:13:27
八田靖史@コリアン・フード・コラムニスト @kansyoku_nikki

補足ひとつ。最初の地図で、竹嶺とあるあたりが栄州です。栄州側から見ると、竹嶺を越えたところが忠清北道の丹陽。丹陽の市外バスターミナルに着くと、すぐ目の前に漢江(南漢江)が流れていて、この流れがソウルにまで続いて行くんだなぁ、というなにやら不思議な感慨に浸れます。 pic.twitter.com/FmKURyjLPO

2021-02-08 19:02:10
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せき のりかず @kotonoha_s

漢江(南漢江)、最奥辺りになる丹陽でもこの川幅・水量であれば、なるほど舟運でこんな内陸まで来れるのも納得という感じです。そしてここから峠ひとつ越えたら、今度は慶南の海まで洛東江でスルっと行ける、と…。 twitter.com/kansyoku_nikki…

2021-02-08 19:07:35

栄州は峠を挟んで洛東江側の街で、ここから川を下ってゆくと大邱そして昌原・金海近郊を経て釜山(亀浦そして東莱)へとつながります。
丹陽は峠の北側でソウルから続く漢江(南漢江)の最上流にあたるエリアにある町。ここの時点でこの川幅・水量であれば、なるほど舟でソウル(漢陽)とつながっていたというのも納得です。

masahiko kikuchi @mkickm

@kansyoku_nikki まさしく分水嶺! 古朝鮮神話の天帝の子が降り立った地もここのほうが納得できますが北朝鮮側らしいですね(太伯山と太白山は別モノだとか)。

2021-02-08 21:22:43