「暗号通貨の本源的価値は人権」説の議論

暗号通貨スタートアップ「和らしべ」CEOの井元氏(@datushachikujin)が唱えた「暗号通貨の本源的価値は人権」説についての議論を記録します。
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星 暁雄 (ITと人権) @AkioHoshi

@shogochiai 言論・報道の自由、平等(差別の廃止)、民主主義、立法府、行政府、司法制度——これらは人権を構成する「レゴ」のパーツです。 国家はパーツ群を揃え国家という人権擁護システムを構築し、その成果物を国連機関が審査して人権を維持する——これが現代の人権システムです。まだまだ未完成ですが。

2021-02-10 13:02:41
Sgさん@極度Solidity書きなさい @shogochiai

@AkioHoshi よくわかります。人権はフルセットで必要というのは繰り返し語られるべきですから、補足感謝します。 私がニュアンスとしてあたかも自由権がすべての基盤のように述べたのは、民主主義が人権の前提であるように、自由が民主主義の前提だからという点に理由があります。 /1

2021-02-10 13:07:52
Sgさん@極度Solidity書きなさい @shogochiai

@AkioHoshi ですから、前述のツイートを厳密に訂正するなら「安い〜(中略)という『技術的に確保できる自由、そしてそれらへの政府からのユニバーサルな援助』の上に各種人権が組み立てられていく」とでも言うべきでしょうか。

2021-02-10 13:10:32
星 暁雄 (ITと人権) @AkioHoshi

@shogochiai そうです。2016年、国連人権理事会は、オンラインの人権も守られるべきと確認しています。ネットで教育を受け発言をする権利も人権の一部ということです。

2021-02-10 13:14:33
星 暁雄 (ITと人権) @AkioHoshi

@shogochiai この考え方に従うと、安価な回線や端末はもちろん望ましいが、それだけでなく「誰ひとり取り残さない」ように国が支援してユニバーサルなインターネット環境を提供するべきである、という話になります。 バーナーズ=リーのContract for the Webにもこの考え方は反映されています。

2021-02-10 13:15:40
星 暁雄 (ITと人権) @AkioHoshi

@shogochiai ところで、生存と最低限の生活水準の維持も人権の不可分な一部です。すると生活保護やユニバーサルベーシックインカムも真剣に検討されるべき、という話になります。

2021-02-10 13:17:49
星 暁雄 (ITと人権) @AkioHoshi

@shogochiai ここまで考えると、人権擁護は極端な自由主義のもとでは無理、という結論になります。必ず富の再配分の側面が出てくる。 社会制度のバランスをどう取るか、これも人権を構成するパーツのひとつです。

2021-02-10 13:18:53
Sgさん@極度Solidity書きなさい @shogochiai

@AkioHoshi ベーシックインカムは財源確保においてまともな議論を見つけられておらず、手段として賛成しかねます。しかし、目的には賛同いたします。 twitter.com/shogochiai/sta…

2021-02-10 13:22:16
Sgさん@極度Solidity書きなさい @shogochiai

ベーシックインカム論においてベーシックインカム以外の予算をゼロにする話があるけど、医療への政府補助がなくなれば医療は金持ちの方を見るので、アメリカのような高額医療社会になる(まあ今の日本も値上げ待ったなしだが) 畢竟、ベーシックインカムで暮らす人の平均寿命が下がりかねないのでは?

2021-01-03 16:21:10
Sgさん@極度Solidity書きなさい @shogochiai

@AkioHoshi 富の再分配を行う根拠が単なる収奪とバラマキであるより、人権に基づいているほうが幾らか理性的には思えます。論理を頑健にする価値を感じます。

2021-02-10 13:24:15
ELP @ELPhanfan

Cryptoの本源的価値とは人権を保障するところにあるって意味なら納得いく。

2021-02-10 17:09:46
ふーさんX ふー説の流布∞ ♦︎ 🦇🔊 OFF THE CHAIN @chubchubkun

財産権が人権につながるってことですよね。しかし人権というよりも国家への帰属の薄れといった感じかなと。でもそれって原始の社会に戻る様な部分もあるし、国家を超えたプロトコルが守ってくれないと成り立たないのではないかと。

2021-02-10 18:17:55
ふーさんX ふー説の流布∞ ♦︎ 🦇🔊 OFF THE CHAIN @chubchubkun

統治の枠組みが少し変わるよって話じゃないのかな。そんなに夢物語ばかりではないかと。

2021-02-10 18:21:47
星 暁雄 (ITと人権) @AkioHoshi

以前、「自由と平等のブロックチェーン」という記事を書いたのですが、ここで書いたことを。 note.com/akiohoshi/n/ne… (1) 平等 暗号通貨/パブリックブロックチェーンには、権力は分散されているほど良いという価値観がある(decentralization)。これは倫理学の概念である「平等」に相当する。(続く

2021-02-10 18:52:44
星 暁雄 (ITと人権) @AkioHoshi

(2)自由 暗号通貨の所有や移転はその持ち主だけが許される(self-sovereign)。これは、倫理学の概念では、人の尊厳に由来する「自由」に相当する。 つまり、パブリックブロックチェーンは、自由と平等の機能を提供する。人権システムを組み立てるレゴのパーツになる。

2021-02-10 18:53:55
星 暁雄 (ITと人権) @AkioHoshi

暗号通貨の重要な機能が自由と平等であり、これは「暗号通貨の本源的価値は人権(のパーツであること)」という仮説と整合するものと考えています。

2021-02-10 18:55:55
Sgさん@極度Solidity書きなさい @shogochiai

@H4kut 個人的にはこちらの「インターネット上の人権」という国際合意がもっとも簡潔かつ堅牢に暗号通貨の本源的価値を表現していると考えています。 twitter.com/AkioHoshi/stat…

2021-02-10 19:53:16
Sgさん@極度Solidity書きなさい @shogochiai

@H4kut 人権は国際人権法で定義されるおおよそ影響力があると考えられるものです。ビットコインのナラティブで語られる財産権や自由権の存在や価値への影響は理解するものの、その説明枠組み・論理体系よりもより普遍的な定義が可能であるという立場を取ります。 twitter.com/AkioHoshi/stat…

2021-02-10 20:24:06
星 暁雄 (ITと人権) @AkioHoshi

@shogochiai ちょっと補足させてください。 人権を自由権(参政権は自由権の一部)、社会権と分けて整理する考え方は今では古く、1993年以降は「人権は分割不可。フルセットでなければ人権ではない」がスタンダードです。 下記の連続ツイート参照されたし。 twitter.com/AkioHoshi/stat…

2021-02-10 12:36:01
Sgさん@極度Solidity書きなさい @shogochiai

数学的・普遍的な理解をする癖、よりよい体系化の存在に常に謙虚である癖は、みなさんお好きな複利で効いてきます。

2021-02-10 20:25:55
岡部典孝 JPYC代表取締役 @noritaka_okabe

自分以外が絶対に送金できないCryptoの性質は国と社会のあり方を一変させると確信している。 今までは国や銀行や大企業に力を集めるのが合理的だったが、 これからは異能の個人や従業員に力を持たせるのが合理的になる。

2021-02-11 07:15:50
岡部典孝 JPYC代表取締役 @noritaka_okabe

国は戦争で負ければ無くなるし、銀行は規制で潰せば良いし、大企業は経営者を潰せば良い。 でも、Cryptoで守られた異能な個人が沢山いたら潰す事はできない。 そういう人が沢山いる分散型企業、分散型金融、分散型拡張国家が勝つ。

2021-02-11 07:23:44
しのぶ@東京暴威 @ojisan_revo

岡部さんのこのツィート共感。 国という意味では中央集権だけど、他の国より個人にチャンスを与えてきたのが米国。 だって、ピーターティールもイーロンも、ピチャイも生まれはアメリカじゃないんだ。 個人に選ばれる国、そうならなければ未来はない。 twitter.com/noritaka_okabe…

2021-02-11 08:23:12
岡部典孝 JPYC代表取締役 @noritaka_okabe

@Ericashimks @togo818 法、規範、市場、アーキテクチャの4つの要素で守ることになります。(レッシグの四元論) 法はその1要素になります。 インターネットの秩序がどのように守られているか?を考えると、法律がなくなる事は無いでしょう。

2021-02-11 09:38:55
岡部典孝 JPYC代表取締役 @noritaka_okabe

@777shosuzuki クリプトがあれば焼き討ちされても商人の財産は守られるんですよね。

2021-02-11 09:39:42

おわりに——非国家の通貨と社会システム

いろいろな議論が出てきました。振り返ると、前提となる知識、文脈をある程度揃えておいた方がいいかもしれません。

まとめの最後にこの分野の記事をまとめておきます。まとめ役AkioHoshiの仕事を中心となることはご容赦。

ブロックチェーン/暗号通貨と社会に関する論考など

「ビットコインのバブルを馬鹿にするのは愚か」慶大・坂井教授が語る"暗号通貨と国家"
"サトシは電子空間に社会を作ったわけです。これに気づいたときには鳥肌が立ちました。"
"私はべつに「反国家」ではありません。「非国家」なものを大切にしたいだけです。"

自由と平等のブロックチェーン──倫理、人権と技術を接続する
医療倫理学者による論考記事を下敷きに、技術と倫理を結ぶフレームワークを考える。

ブロックチェーンは公共のものか──「アップデートされた公共性」を考える

市民社会の公共性にとって最も重要なものが「個人の自由な契約を守る」ことであると考えるなら、ブロックチェーンと暗号通貨は市民社会にとって重要な役割を果たす「公共性の装置」として機能する可能性を秘めている存在といえるだろう。

新型コロナ後の世界、そしてブロックチェーンと人権
「国家は市民に優越する存在である」という考え方はいぜん根強いが、これは19世紀的な考え方。人権概念とは矛盾する古い考え方といえる。

人権フレームワーク関連の資料

世界人権宣言テキスト(日本語、国連広報センター)

●もうひとつの世界人権宣言である谷川俊太郎訳「わかりやすい世界人権宣言

●日本弁護士連合会による 国際人権文書(条約及び基準規則等)

ウィーン宣言と行動計画(英文)

2016年 国連人権理事会決議(英文、オンラインの人権を確認)