Dr. ファンクシッテルーによるChick Corea追悼音源紹介

2021年2月9日、ジャズ・ピアニスト/キーボーディストとして著名であり、幅広い作風を晩年まで保ち続けたChick Corea(チック・コリア)が死去しました。享年79才。 ジャズ界における、マイルス・デイヴィスに負けず劣らずの彼の多芸多才・好奇心旺盛ぶりは、ここ半月の間だけでも、ジャズ評論家の柳樂光隆さんを始め、多くの音楽関係者が豊かな情報を提供してくれていますが、Dr.ファンクシッテルー(筆名/芸名)氏は、ファンク音楽においても重要な役目を持つフェンダー・ローズ(Fender Rhodes)とチック・コリアの関係についても触れながら楽曲紹介をしたところに特色があります。1960-70sの古典ファンク・ニューソウルの音源を分析する際に、当時のジャズ・フュージョンの名曲について理解し、論じる必要があるということを、ファンク評論の立場から改めて示している議論かと思います。
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Dr.ファンクシッテルー🤩【ファンクの歴史】 @DrFunkshitteru

Fickle Funk / Chick Corea (1978) youtu.be/FCuMz9qIGAo 本日はチック・コリアの追悼をさせていただきたいと思います。今日はツイート多めで。 まずは長らくCD化されていなかったこちらのアルバムから。 名盤「マッド・ハッター」と同年リリース、こちらもれっきとした名盤・名演です!

2021-02-14 12:00:15
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Miles Davis - Directions (Live In Copenhagen, 1969) youtu.be/YHx1-BPgkkM 私が一番思い入れがあるのが、このマイルスバンドでの演奏です。「(調性のある)フレーズを弾くな」と言われ、フリージャズぎりぎりの演奏を繰り広げていました。 この時代はアウトフレーズの嵐なのですが(続く)

2021-02-14 14:00:08
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実は別のキーでペンタトニックスケールをメインとしたフレーズを駆使していたり、調性と無調性のはざまを意識的に探っていました。崩れそうで崩れないジェンガのような…。「危ない!大丈夫か?」というラインを常に攻め続け、音楽が崩壊するぎりぎりのところで踏みとどまる(続く)

2021-02-14 14:00:08
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高い芸術性を持ったバンドでした。ぱっと聴くと完全にフリージャズなんですけどね。笑 この時期のマイルスバンドは私は大好きでなのですが、マイルスではなく、チックのプレイに一番心惹かれます。 そして、この時期のチックはラーメンズの片桐仁さんそっくりです。 pic.twitter.com/o8TiHAw0TX

2021-02-14 14:00:11
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Spain / Chick Corea and Return To Forever (1972) youtu.be/sEhQTjgoTdU さて、やはりこの曲を世に生み出した功績がありますよね…。後年のアコースティックバンドのバージョンも大好きですが、私はフェンダー・ローズの楽器の可能性を大きく拡げた、このRTFのバージョンが大好きです。続

2021-02-14 16:00:09
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1969年のマイルスバンドで、チックはフェンダー・ローズ(電子ピアノ)を弾くように言われて初めてローズに触ることになったのですが、結果的にローズの奏法を極め、ジャズ・フュージョンにおける新しい世界を開拓します。マイルスバンドではローズの限界を探すような、がむしゃらなプレイでしたが、続

2021-02-14 16:00:11
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それが結果的にRTFの成功に繋がっています。これが生ピアノで弾かれていたら、当時ここまでヒットしなかったでしょう。1972年、電子楽器は「新しいサウンド」だったのです。さらにエフェクターもかけて、曲の終わりでチックがワウを踏んでいます。これもマイルスバンドで学んだ技でした。

2021-02-14 16:00:12
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Chick Corea & Gary Burton: Tiny Desk Concert youtu.be/15IHNYq6stw チックの晩年で一番広く観られた姿は、もしかしたらこの動画だったのではないでしょうか。長年の盟友、ゲイリーバートンとのTiny Deskです。まさかチックがTiny Deskに!と驚きました。

2021-02-14 18:00:13
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これは、もう…言葉で語ることができません。彼らの最初の共演、「Crystal Silence(1972)」もぜひ聴いてみてください。 open.spotify.com/album/1bvhjpp4…

2021-02-14 18:00:14
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"Night Streets" - The Corea / Gadd Band youtu.be/yaH8bL7KN_g 晩年も非常に元気でした。スティーブ・ガッドとのバンドでツアーを回ったり、アコースティックバンドや、ソロでのライブなども精力的でした。チックは永遠に元気なように思えました。正直…彼の死は、ぜんぜん信じられません。

2021-02-14 20:00:06
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Chick Corea Livestream Day 32 Piano Improvisation Landscape youtu.be/r3PQIPb18T0 この動画が、チックの最後の作品になりました。コメント欄は追悼の言葉であふれています…。 改めて、安らかに…。本当に偉大な、偉大すぎる音楽家でした。

2021-02-14 22:00:05
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最後に。公式サイトで、活動の歴史や、若い頃の写真などが見られます。 若い頃、本当にイケメンで(晩年もステキな姿を保ち続けましたが!)、オシャレだったことが分かります。活動の歴史も、よくまとまっていてわかりやすいです。ぜひご一読を! chickcorea.com

2021-02-14 22:00:06
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Chick Corea Elektric Band - Light Years (1987) youtu.be/wq1hcOVHtL4 たまにチックの映像もはさみつつ。 デイブ・ウェックルがギターの形をしたエレドラを叩いて(弾いて)います。

2021-02-17 18:00:06
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やっぱり、考えれば考えるほど、ハービーと同じくらいチックも先見の明があり、かつ同じようにアコースティックジャズへの熱意もあった。ですがなんというか、完全に私見ですが、チックよりハービーのほうが人気があったように思えます。 ここを分けたのは何だったんでしょうかね…。

2021-02-17 18:00:08