【ケイジ・オブ・モータリティ】 #4
(これまでのあらすじ:支配企業倒産後に無法地帯と化したボンボリ・ディストリクトのポンポン・ビルディングは88階建ての要塞ビルディング廃墟である。そこはいわば、ザンキ・ギャングに飼われた凶悪犯罪者や生活市民が暮らす八角柱の檻であった)
2021-03-09 21:44:19(今ここに、ソウカイ・シックスゲイツの強力なニンジャ、ガーランドとインシネレイトが入り込んだ。たちまちザンキ・ギャングとの激しい戦闘が開始。一方、上層から何らかの事情で逃げてきたハッカーのサイダ3は、ヨロシサンの社員エージェント、クレッセントに強制現地雇用され……)
2021-03-09 21:46:26【ケイジ・オブ・モータリティ】#4 pic.twitter.com/xj0d9QyaQw
2021-03-09 21:48:14「イヤーッ!」インシネレイトのカトン・ジツが炸裂し、金網越しに銃撃を行っていた銃火ギャングが丸焦げのバーベキューと化した。「アババーッ!」網の目の赤熱越しに死がひろがる!「イヤーッ!」ガーランドがクナイ・ウィップを打ち振り、姿勢を低めて向かってきたククリ・ギャングを迎撃! 1
2021-03-09 21:51:48「グワーッ!」ククリ・ギャングは走りながらバラバラになって床に転がった。ガーランドはクナイ・ウィップを振り回し続けた。BRRRTTTT!三階へ上がる階段踊り場から銃撃してくるガトリング・スモトリの攻撃を、この鋼鉄鞭ひとつで防ぎきってしまう!「いけますぜ」インシネレイトがすぐ後ろ! 2
2021-03-09 21:54:15ガーランドは一瞬で鋼鉄鞭を巻き取り、インシネレイトに隙を与えた。インシネレイトは横から腕を突き出した。「イヤーッ!」「アバーッ!?」ガトリング・スモトリの胸が火を噴いた。「楽勝ォァ!」叫ぶインシネレイトに構わず、ガーランドは滑るように走り出し、階段を跳び、踊り場の壁を蹴る。 3
2021-03-09 21:57:29稲妻めいたトライアングル・リープの先は4階踊り場、そこで待ち構えていたスタンジュッテ・ギャング達にガーランドはエリアル・カラテで攻撃する。「イヤーッ!」「グワーッ!」「アバーッ!」跳び回し蹴り、回し肘打ち、鋼鉄鞭の旋回。四肢が吹き飛び、首が飛び、死が階段を転げ落ちる。 4
2021-03-09 22:00:46「オラッ!」インシネレイトは足元に転がってきた生首を蹴飛ばし、後に続く。ポンポン・ビルディングの下層はショッピングモール。生活必需品やドラッグ、ギャングT「残機」を取り扱うギャング直営コンビニやギャング丼レストランがテナントだが、彼らの用事は買い物ではない。スルーだ。 5
2021-03-09 22:06:52「コイツら完全にアホだな」インシネレイトは吐き捨てる。「ニンジャでもねえくせによォ、クロスカタナをナメ過ぎだろ」「ザンキ・ギャングは戦闘ドラッグの常習者だ。恐れを知らない」ガーランドが説明した。インシネレイトは隅に唾を吐いた。「キマッてる奴は勇気とは言わねえッスよね」「そうだ」6
2021-03-09 22:11:18「勇気ッてのは、理性をキッチリしてよォ、そのうえで、それを上等した先にあるンスよ。それが真のヤクザブレイブッショ?」「そうだな」ガーランドは淡々と肯定するが、インシネレイトは気に食わない。「俺の話つまんねッスか?ガーランド=サン」「お前は俺と同格だ。俺の機嫌を伺う必要はない」 7
2021-03-09 22:14:05「別にご機嫌覗っちゃいねえッスよ!センパイに上等するにはそれなりの理由が要るじゃないスか。わかンねえかなあ?アンタには」「成る程……」「つまり、いつでも理由さえあれば、アンタより上に行きますけどね。自分、そこは遠慮しねえンで」「そうなれば、俺の審美眼もなかなかという事だ」 8
2021-03-09 22:19:28「そこですよ」「アバーッ!」インシネレイトはさらに襲いかかってきたジャンプ・ギャングを対空カトンで焼き殺し、下階へ捨てて、なお問うた(彼らは階段を上がりながら淡々と殺し続けていた)。「アンタはなんで俺をシックスゲイツに引っ張り上げたンスか。落ち着かねンスよ」「使えるからだ」 9
2021-03-09 22:22:42「なンスか、それ。ヤクザってのは、ソンケイが……」「イヤーッ!」「グワーッ!」「アババーッ!」鋼鉄鞭に切り裂かれ、スモトリが転げ落ちていった。「シックスゲイツはソウカイヤを背負い、ラオモト=オヤブンの手足となる威力部門だ。必要なのは、使える奴だ」「……」「オヤブンが不服か?」 10
2021-03-09 22:27:43「ンなワケ無いッスよ!オヤブンは……まあ……そッスけど」インシネレイトはタバコを超自然点火し、階段を上りながら吸った。「まあいいや。この話は充分ス」「お前が無駄口を叩くのはこのミッションをナメているからで、ヤク中のモータル相手ならばそれもやむなし。……喜べ。来るぞ」「ア?」 11
2021-03-09 22:31:02階段は8階で止まった。ガーランドが廊下を指差し、インシネレイトが先に進んだ。その目線の先に、ニンジャが二人。吹き抜けの柵には痩せたニンジャが腰掛けている。ソウカイヤの二人を目で追いながら、腕に燐光放つ薬液を注射した。「……アー、キク……」もう一人はその横、床にソンキョで待つ。 12
2021-03-09 22:36:34インシネレイトはタバコを指で弾いた。タバコは火花を放って燃え消えた。ガーランドがまずオジギした。「ドーモ。ソウカイ・シンジケート、ガーランドです」「インシネレイトです」ザンキ・ギャングのニンジャ二人がアイサツを返す。「ワープリングです」薬物恍惚者。「バッカーニアです」床。 13
2021-03-09 22:38:39「なんでソウカイヤがポンポンに来てンの?」バッカーニアがソンキョしたまま二人を見上げ、首を傾げてみせた。「カチコミ?」「今のところは正当防衛だ」ガーランドが答えた。「キクーッ」ワープリングが薬液をポンピングし、痙攣し、笑った。「ウケル!正当防衛はこっちだろ、不法侵入 しといて」14
2021-03-09 22:40:58「そういう、法律ッぽい話の世界じゃねえンだよ。屁理屈言ってんじゃねえ」インシネレイトが一歩前に出ると、バッカーニアがかすかに重心を移し、反撃準備。ワープリングは首をぶらぶらと揺する。「蝿のニンジャの名前を教えろ」ガーランドが尋ねた。バッカーニアとワープリングは顔を見合わせる。 15
2021-03-09 22:44:55「ヒーヒヒヒヒ!」「いちいち把握してらンねえよ、上の事なんてよォ!」ザンキの二人は嘲笑った。「そうか。充分だ」ガーランドは頷いた。横目でインシネレイトを見る。「まだまだ、上だ」「上ッスかァ……タリィイなあ……」「ヒヒヒ……」ワープリングの姿が溶け、笑いが残った。 16
2021-03-09 22:49:49「イヤーッ!」ガーランドがインシネレイトの背後に回り込み、鋼鉄鞭でアンブッシュ攻撃を受けた。ワープリングのバックスタブは防がれた。「イヤーッ!」ガーランドが蹴りを繰り出すと、再びワープリングは溶けて消えた。インシネレイトは前へ飛び出し、バッカーニアに殴りかかった。「イヤーッ!」17
2021-03-09 22:52:49「イヤーッ!」バッカーニアはカエルめいて手をつき、背中のサイバネティクスを展開させた。肩甲骨が開き、中から砲塔が出現、インシネレイトを超近距離砲撃した!KA-DOOOOM!「グワーッ!」インシネレイトは不意をつかれ、この砲撃を防ぎきれぬ!一方ガーランドはワープリングの姿を探す! 18
2021-03-09 22:56:13「こっちはどうだァ!」上方、11階吹き抜け!ガーランドの視線の先、ザンキ銃火ギャング達が一斉にチャカ・ガンを構え、ガーランドを撃った!BLAM!BLAMBLAMBLAM!「イヤーッ!」鋼鉄鞭で防御!その死角から襲い来るスナイパースリケン!BOOOM!「ヌウッ!」ガーランドは身を捻り、危うく回避! 19
2021-03-09 22:59:02「ホホーゥ、キクーッ!」同じ階層、吹き抜け対岸、ワープリングは腕から射出したスナイパースリケンをリロードし、再び笑いを残して消えた。「チ……」ガーランドは煙を噴いて転がってきた煤まみれのインシネレイトの襟を掴み、引きずるように持ち上げ、投げた。「イヤーッ!」 20
2021-03-09 23:01:52インシネレイトを投げ上げたガーランドに、バッカーニアが頭突き突進してくる!眉間からサイバネ衝角展開!「トラヒトアシ!」ガーランドは地面スレスレに身を沈める!衝角突進が頭上すれすれを通過!バッカーニアが驚愕に目を見開くと、ガーランドは縮めた全身のバネを解き放った!「イヤーッ!」21
2021-03-09 23:05:32