掌小説語り～自作つぃのべる集～62

リュカ @ryuka511

征服した地上を見渡し魔王は笑う。空を黒雲が覆い草木は枯れ果てた。空にも地にも魔物が行き交う中、人間はまだ魔族に刃向かおうとしている。絶望の先の未来、人間がそこに希望をまだ見出しているのは新鮮な驚きだった。「まだまだ楽しめそうだな」滅ぼすより希望を潰す方が興が乗るだろう #twnovel

リュカ @ryuka511

主君に裏切られたあの日、俺は逆賊とされ太陽の下を歩けなくなった。それ以来、夜の闇を渡り密かに世界征服計画を進める。誰も逆らったり裏切ったりできない、絶大な権力を手に入れるのだ。誰にも邪魔はさせない。だがお前だけは、弟よ。いつまであの主君に従う気だ? 俺を信じろ。共に行こう #twnovel

リュカ @ryuka511

革命は成就した。だからこれは正しい戦いだったのだ、と思う。これから王族を残らず処刑し、新しい国作りが始まる。断頭台のロープを切った。民衆から上がる歓声。みな新しい国に期待している。死んでいった仲間、殺した敵兵。血に汚れたこの手では、新しい国も同じ運命を辿るのだろう。 #twnovel

リュカ @ryuka511

我が軍を打ち破り、勇者が遂にここへ辿り着いた。地上侵攻では私の心は満たされない。強い者と戦う事、それが私を滾らせ心を満たす。幾度か軽く刃を交えたが、私を本気にさせたのは奴が初めてだ。ずっと奴と戦っていたい。だがその永き闘いも今日で幕を下ろすのなら。部下を退け1人、奴を待つ #twnovel

リュカ @ryuka511

この世界は間もなく滅びるだろう。次はどのような世界にするか。神は数多の混沌から、次なる世界の名を冠すに相応しいものを選ぶのに余念がない。現存する世界から救いを求める声がいくつも届いていたが、神は見向きもしなかった。これは良い世界になりそうだ。早急に今の世界を終わらせよう #twnovel

リュカ @ryuka511

あの人は嘘をついている時にタバコの本数が増える。嘘をついた舌の味は、いつもより濃厚なタバコの味がするからすぐにわかるのだ。口づけに応じながら笑う。バレていないと思ってるのが可笑しくてたまらない。気づいていないフリを、続けてあげましょうか。私達の間が、決定的に壊れるまで。 #twnovel