- nirvanaheim
- 2306
- 7
- 0
- 0
・前提目撃タイムライン
個別ハンドアウトや秘密って「パーティが単一の目的に向かうなら、PLひとりで全PC動かせばいいんじゃないのか(僕は必要なのか?)」に対する、より踏み込んだ解決策なんですよね。 TRPGがPCに人格を設定するよう求めるのもそれで、各々異なる動機をもっているからこそ別人が操作する意味が生まれる。
2021-03-30 18:58:43個別ハンドアウトや秘密って「パーティが単一の目的に向かうなら、PLひとりで全PC動かせばいいんじゃないのか(僕は必要なのか?)」に対する、より踏み込んだ解決策なんですよね。 TRPGがPCに人格を設定するよう求めるのもそれで、各々異なる動機をもっているからこそ別人が操作する意味が生まれる。
2021-03-30 18:58:43『CoC』は明確な役割分担があるシステムじゃないし、「あなたがあなたの行動を決めなきゃいけない理由」をそういうので担保しようというのはたぶん自然な発想なんだろうな。 (ゲームへの積極性くらい自分でなんとかしろというのも正しくて、実際そこまでしなくてもTRPGをみんな遊べてはいる)
2021-03-30 19:00:07TRPGのデータが巨大化に向かいがちなのも、「PCを別人が操作する必然性にとぼしいから、ひとりでパーティ全体を管理することが困難なほどPCのデータを膨大にすることで、複数のプレイヤーを必然にする」という考え方はあったと思う。
2021-03-30 19:05:53「複数ユニットを動かす頭脳ゲーム」は大抵ひとりがチームの意思決定(の楽しみ)を独占するわけです。 みんなでわいわいチェスのコマ動かしても楽しいですけど、それは標準ではない。 ではTRPGが複数PLを用意する(ジャンルの先入観以外の)ゲームデザイン上の根拠はどこだろう? という話です。
2021-03-31 17:50:01別に『CoC』にかぎった話ではないです。 むしろ黎明期のダンジョンシナリオこそ指示厨プレイヤーがでてきて「意思決定を別のPLに奪われてしまう」事態が問題になってたし……。 それだけ意思決定の独占というのは魅力的だったし、同時に「誰にも奪われない各PLの意思決定」が尊重・重視されてきた。
2021-03-31 18:15:51面白い見方ですね。実際の発展の仕方としては、個別の導入や別行動をスムーズにするためだったり、個々のPCに「活躍の場」をそれぞれ与えるためだったりするので、経緯としては逆ですかね。そもそも「PLひとりで全PC動かせばいいじゃん」という批判のされ方や不満の出方は一般的にはなかったですし。 twitter.com/Alba_gard/stat…
2021-03-31 21:31:11TRPGの原型として一人のPLが複数ユニットを扱う形だったのがPL一人につきPC一人(メックウォリアーだったり、ちょっと違うけどWraith: the Oblivionなどの例外はありますが)になった、という経緯で見ればそう言えなくもない……? ちょっと無理があるかな……
2021-03-31 21:35:50まあ、一応、TRPG開発史としての経緯でいうなら、ハンドアウトや個別の情報(秘匿情報)といったギミックは、複数PLを前提とした上で「より全員が活躍できるように(活躍したと思えるように)」という方向で発展した技術だと思います。
2021-03-31 21:38:24RT>まあこれはどちらの仰ってることも正しくて、「ミニチュアゲームではひとりのプレイヤーが複数のユニットを管理していた」「それぞれのユニットをプレイヤーが管理するようになった」
2021-04-01 06:40:54「パーティが最良の単位として一糸乱れずアルファプレイヤーの指示通り動いたほうがいいのなら、個々のPCは必要ないのでは? という疑問が生まれる」(中村さんはそういう不満はなかった、と仰ってますが、ボクは中学生の時それがすごくイヤでしたし今でもイヤですね)。
2021-04-01 06:40:54「結果、クトゥルフ神話TRPGやVampire、ルーンクエスト、PARANOIAなどで、“個々のPCの当事者性”という概念が産まれ、それぞれのPCが別の動機からシナリオに荷担する“パーティ”とは別の勝利条件が産まれる」
2021-04-01 06:40:55そうした「個々のPCの勝利条件」を整理するために、トーキョーN◎VAや天羅万象・零で個別導入とセッションハンドアウトが整理され、さらにカゲムシャSSSやシノビガミで「秘密」が整理されていく、という流れだと認識しています。
2021-04-01 06:40:55これは「個別導入がなかったらPC個人の当事者性は存在しない」という意図ではありませんし、「個別導入がないとパーティは単なる戦闘単位になって、誰かの指示に従う」という意味でもありません。一側面を切り出したものなので御理解いただけると幸いです。
2021-04-01 06:43:04↑RT
・サイフィク「秘密」制の歴史的位置づけの話
上の「流れ」の最後の部分の話題。
大要としてはこんな感じだろうけれど、これは分かりやすさのために「秘密」システムへの単線的発展史という形を取っているからこう記述されているのであって、おそらく、セッション整備システムとしてのハンドアウト制度という部分を措いて考えると、「秘密」システムはむしろ保守的なものだよね。
2021-04-01 06:55:5990年代までの思潮では、PCに見えないものはPLにも見えるべきではない、特定PCだけが見て特定PCだけの行動理由となるべき事柄は、そのPLだけがGMから聞くべきもの、という発想があった。PLとPCの体験は一致しているべきだし、別な話題で言えば「シナリオネタバレ」がご法度なのも自明。
2021-04-01 07:01:05PLとPCの一致を旨とし、PCの人格を重んじることで、PC間の協調が軽視されてセッションの体が成り立たなくなることも多々あった。(これへの反動的な動きとして、これを「キャラクタープレイ」などと称しての批判とか、原始ウォーゲーム制時代を仮想しての理想化とかが起きた)
2021-04-01 07:05:42これに対してFEARが確立したのがメタ視点の重視のセッションデザインであり「ぶっちゃけ」の思想であって、今回予告や事前ハンドアウト、シーン制(自分のPCが登場していないシーンへの臨席を自明とした)といったものはPL=PCイデオロギーを冒すメタプレイ層を整備するものだったと言える。
2021-04-01 07:08:22「秘密」システムは、(「なりきり」を極端形とする)PL=PCイデオロギーというよりはボードゲーム的なデザインの発展上で生まれたものではあるだろうけれど、人格的動機という筋で見たらハンドアウト制の上に反「ぶっちゃけ」的非公開の思想を再実装したものと見ることができる、という話でした。
2021-04-01 07:12:57(まあそれこそ8-90年代的文化におけるCoCとかでは、ハンドアウト=物理準備されたセッション内資料を、それを見たキャラクターのPLにだけこっそり渡したりしたわけですしね)
2021-04-01 07:14:43・ロールプレイのはじまり
上の「流れ」の最初の部分の話題。
あと歴史の細部の解像度を上げると面白くて、「ロールプレイのゲーム」の本当の原形であるところのものは、アーネソンのサークルで二人用ウォーゲームが拡張(「軍の指揮官」以外の役割を増設)されマルチゲーム化したものだから、実は「個人の動機」は歴史の創世とともにあったものだったんですよね。
2021-04-01 07:24:53この始原ロールプレイマルチゲームは収集がつかなくなって始原レフリーは失敗だったと考えたそうなんだけれど、つまりおそらくは「創世の時代から既に『ロールプレイ』はセッションのまとまりを崩壊させており、ガイギャックスらがセッション安定化装置としてパーティ&コーラー制を整えた」んだよね。
2021-04-01 07:28:16