- Yamashita238
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メイ 「ねえおばあちゃん、トリチウム860兆ベクレルって、どれくらいの量?」 おばあちゃん 「そうさねえ、結論から言うと、2.4グラムじゃよ。」 メイ 「ねえねえ、それどうしてわかるの?」 おばあちゃん 「さんすうとせいかつかの話から説明してやるぞえ。メイちゃんも小学校にあがるからねえ。」
2021-04-17 23:41:19おばあちゃん 「トリチウムっていうのはね、陽子が1個、中性子が2個からなる水素原子の同位体なんじゃ。」 メイ 「メイ水素知ってる!水素獣エッチって怪獣がいたもん!」 おばあちゃん 「あんれ~、メイちゃんよく知ってるね~。」
2021-04-17 23:44:31おばあちゃん 「そんでな、ベクレルって単位は、放射性同位元素が1秒あたり何個壊変するかをあらわす単位なんじゃ。 ここではな、量そのものはわかんねっけど、とにかく、毎秒860兆個のトリチウムが壊れる、って考えていいぞい。」 メイ 「それでそれで?」
2021-04-17 23:46:39おばあちゃん 「放射性同位元素っていうのはな、半減期ってのがあるんじゃ。 トリチウムの場合は、12.32年で、430兆ベクレルになるんじゃ。 これを数式で表すと、トリチウムがそもそも何個あるかわかるんじゃぞい。」 メイ 「どうやるの?」
2021-04-17 23:49:08おばあちゃん 「今の時間を0秒、半減期をT秒、経過時間をt秒、今の放射能をBベクレルとおくんじゃ。 そうして、「t秒後の放射能をf(t)ベクレル」とおくと、こうなるんじゃぞ。 f(t)=B*(1/2)^(t/T) t=0のときにf(0)=B、 t=Tのときにf(t)=B/2になるのを確かめてみんさい」 メイ 「…ほんとだ!」
2021-04-17 23:53:46おばあちゃん 「今度はこの式をtが0から∞の範囲で積分するんじゃ。 その前に、tで不定積分する式を解いてみるぞい。 F(t)=∫f(t)dt =∫B*(1/2)^(t/T) =B*T*(1/2)^(t/T)/(ln 2)(lnは自然対数 Cは積分定数)」
2021-04-17 23:59:10おばあちゃん 「この式F(t)はな、F(t2)-F(t1)で、 t1秒からt2秒まで何回放射性同位元素が壊れたかをあらわすんじゃ。 そうすると、0秒から∞秒をあてはめると、 一定量の放射性同位元素は、時間が無限に経過後何個壊れるか、 つまり、 0秒の時点で何個あるか がわかるんさね。」
2021-04-18 00:01:59おばあちゃん 「おんや~ 2ツイート前の式、間違いがあったみたいさね~」 「B*T*(1/2)^(t/T)/(ln 2)(lnは自然対数 Cは積分定数)」 ↓ 「B*T*(1/2)^(t/T)/(ln 1/2)+C (lnは自然対数 Cは積分定数)」
2021-04-18 00:08:37おばあちゃん 「そんでな、この式に、t=∞とt=0をあてはめて引き算するんじゃ。 そうすっと、 B*T/(0.693) ln 1/2=-0.693として近似 B*T/(0.693) 個の放射性同位元素が、0秒の時点で存在する、って計算できるんぞい。」 メイ 「すっごーい!」
2021-04-18 00:11:55おばあちゃん 「ほいでな、原子量が3の原子の個数がわかるとな、 それをアボガドロ数でわると、何グラムかがわかるんさね。 アボガドロ数は6.02*10^23個で、 たとえばトリチウムが6.02*10^23個あったら、 3*6.02*10^23/6.02*10^23 =3 3グラムになるんじゃ。」
2021-04-18 00:16:28おばあちゃん 「トリチウムの個数を計算してみるぞい。 860000000000000*(12.32*365*86400)/0.693 =4.821504*10^23 個 これに3をかけてアボガドロ数で割ると、 3*4.821504*10^23/(6.02*10^23) =2.40274285714 約2.4グラムになるんさね。」 メイ 「少ない~~!」
2021-04-18 00:21:59おばあちゃん 「ついでに計算するとね、2.4グラムのトリチウムが出す放射線の全部のエネルギーは (4.821504*10^23)*(18.6KeV) =1436831580ジュール 約400kWhで、1kWh=20円とすると、 8000円さね。」 メイ 「びみょう~」
2021-04-18 00:27:33