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大事な記憶

いぞーさんがりょーまさんの記憶だけなくった話
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かむい @sunyaxxx

「嘘だ嘘だ!!いぞーさんが僕を忘れるはずがないだろ!!」 「何を言いゆがか!!わしは、おまんなんぞ知らん!!」

2021-03-26 20:48:24
かむい @sunyaxxx

「だ・ヴぃんち女史、僕は貴方に聞いた時、貴方は霊気異常はないと、調べてみると言いましたね」 どこまでが底だろう、その瞳は冷たく凍てつき地の底よりも深い闇色をしていた。 「お前、いぞーから何を奪った」 もう隠すことなどできはしない。

2021-03-27 04:02:01
かむい @sunyaxxx

大事なブリーフィングを行っている部屋に許可を得ることもなく、その扉を破壊し中に入ったきたのだ。 「隠すことは許さんぞ」 おりょーの髪がゆっくりと伸びる。 今行っている中には、ただの人間しかいなかった。 だが、だ・ヴぃんちは狼狽えることなく、ただ一度だけ目を伏せ覚悟を決めた。

2021-03-27 04:02:01
かむい @sunyaxxx

「おかだくんは、君を助けるために君に関する一切の記憶を『捨て去った』」 ただの人間である職員を後ろに下がらせ一歩を前に出る。 「どういうことだ」 おりょーの瞳が深い血の色を思わせるほどの闇色に近い紅に染まり爬虫類のような目に変わる。 そのまま人間体をやめ真の姿に戻ろうとすらしているの

2021-03-27 04:02:01
かむい @sunyaxxx

を、手を伸ばし止める。 「説明、してもらえますよね」 「今度は、隠し事もなく、全てを話すよ」 ◆◆◆ 「いぞーさんが僕との記憶はいらないって言ったんですか…」 自分が消滅することより…世界の後押しがなくなるより…何よりも…、 「そんなこと言うはずないじゃないですか」

2021-03-27 04:02:02
かむい @sunyaxxx

「言ったんだよ、確かに」 「嘘だ」 顔をあげてまっすぐに見る、その瞳は泣き出しそうで。このカルデアの中で誰もみたことないだろう。 掴みどころのない穏やかな笑みを浮かべ誰にでも優しく物腰柔らかな姿から想像もつかないほどだ。 ただ一人いぞーがりょーまとの縁を切り捨てる

2021-03-27 04:02:02
かむい @sunyaxxx

そう言われるだけでこの狼狽えようだ…。 「嘘だ!!いぞーさんが僕を捨てるはずがない!!」 伸ばそうとする手が届く前にブリーフィングルームから駆け出した。 認めない、絶対に嘘だと、いぞーから自分を捨てることなど…たとえ、それが自分を助けるためだとしても…。 「いぞーさん!!」

2021-03-27 04:02:03
かむい @sunyaxxx

りょーまが出て行って、一人で部屋にいたいぞーを捕まえる。 「ねえ、いぞーさん!!僕を忘れてないよね!!わかるよね!!僕が誰だかわかるよね!!だっていぞーさんは僕を忘れない!!」 逃げようとするいぞーの両腕を強く掴み揺さぶりかける。

2021-03-27 04:02:03
かむい @sunyaxxx

ダメだ、何があってもいぞーが自分を忘れるなんて耐えられない耐えることなんてできない。 だって、いぞーは、自分のためにいるんだ、りょーまがいるところには必ずいぞーがいないといけないのだ。

2021-03-27 04:02:04
かむい @sunyaxxx

りょーまを憎み続けるそれでいて自分から離れず…そう願った、抑止力になる為に望んだ身勝手ね『呪い』だ。 「やかましい!!わしはおまんみたいなおよけん奴なんぞ知らんわ!!」 それは、今までいぞーが面と向かって言ったことのない言葉だ。

2021-03-27 04:02:04
かむい @sunyaxxx

楽しくもないのにへらへらしゆうがは腹が立つ 何考えとるかなんぞわからん。 喜んで殺されようとする奴の気がしれんちや

2021-03-27 04:02:04
かむい @sunyaxxx

そう言ってくれるならいい。 今のいぞーは、生前のりょーまが言われたことを言ったのだ『気持ちが悪い』と、誰に言われても気にしたことのない言葉。 いぞーとおりょーだけはりょーまを理解してくれていた。

2021-03-27 04:02:05
かむい @sunyaxxx

りょーまが周りから何を言われようともいぞーとおりょーは常に守ってくれていた助けてくれていた。 だが、りょーまはどうだ。りょーまのいない間の党の連中に何をされていたのかも知らず、たまに会いに来てくれるいぞーたの楽しく美味い飯を食べ美味い酒を飲んでバカ騒ぎをしていた。

2021-03-27 04:02:05
かむい @sunyaxxx

いぞーが何も言わないから弱音を吐かず、大丈夫だと、党の連中も先生もみんな優しくしてくれるのだと言っていたから、それを信じて…ただただ信じていた。 自分が困った時、挫けそうになった時、おりょーとは違った方法で元気づけてくれたから安心して前を向いていられた。 「い、や、だ…」

2021-03-27 04:02:06
かむい @sunyaxxx

「はあ?」 腕を掴んだ手を引き寄せ抱きしめる。 「罵倒されたっていい、斬られたっていい、殺されたっていい…だから、お願いだから、僕を忘れないで、いぞーさん」 背骨が折れると思うほどの力で抱きしめられた。

2021-03-27 04:02:06
かむい @sunyaxxx

本当は泣いた顔は大嫌いだ。 ずっと笑っていてほしいと願っていた。 お前の方こそ太陽のような奴だとずっと思っている。 大事なんだ、大事だからこそ、自分がもつお前の記憶をすべてもっていかれても助けたい。 大事だからこそ、この『記憶も記録』も全て失くしてしまおう。

2021-03-28 22:17:12
かむい @sunyaxxx

ただただお前のお前達の幸せのために、もういいだろう、お前は十分に駆け回った、もう解放されてもいいだろう。 我が願いは、誰よりも大切で大事な幼馴染みとその女の幸せだ。 ◆◆◆ 「僕は、君の幼馴染みなんだ」 毎日飽きもせずしつこくまとわりついてくる白い男が面倒でやれない。

2021-03-28 22:17:13
かむい @sunyaxxx

どれだけ追い払ってもしつこくくるので仕方なく座っている。 最初こそ泣きそうな顔で見ていたが、最近は、泣きそうな顔に笑みを張り付けている。 いっそう『気持ちが悪く』てたまらない。 だがそんな『気持ち悪い』ものに好かれるのが自分なのかもしれないと納得もした。

2021-03-28 22:17:13
かむい @sunyaxxx

自分がようやく聞く姿勢をとったと思われ目の前に座り幼い頃の自分の事を語りだす。 知ってるからなんだというのだ、このカルデアには多くの記録と記憶がある、それで調べればいくらでも自分の事がわかるだろう。 「ほいで、わしは、さかもとさんと『昔のように仲良う』なればえいいうんかえ」

2021-03-28 22:19:16
かむい @sunyaxxx

鼻を鳴らして言ってやる。 思い出せなのでは、『知らない』のだから何を言われても心に響きもしない。 「仲良くしてもらえたら嬉しいよ、でも、記憶が戻ってくれたらの方がもっといい」 「記憶ねえ、そいを思い出したら、おまん、わしになにするっちゅうじゃ」 「なにって、まず仲直りかな」

2021-03-28 22:19:16
かむい @sunyaxxx

湯呑を片手に持ち視線を少しだけ向ければ、 「幼馴染、仲直り、おまん、わしを馬鹿にしゆうやろ」 「そんなことないよ」 「わしらん里にゃあ、あったがやろ」 にぃっと犬歯を見せ嗤う。

2021-03-28 22:19:17
かむい @sunyaxxx

「わしは、おまんのことをちくとも覚えちゃあおらんが、わしの穴ぁ使うて癖になっちゅう、数ある兄さまの一人っちゅうがやろ」 湯呑をテーブルに置き、

2021-03-28 22:19:17
かむい @sunyaxxx

「ま、わしと兄弟の契り結ぼうなんぞ思う奴ぁあ、都合のえい時くらいやったがな、ほいでもえいぞ、この場限りの兄弟になっちゃっても、にゃあ、兄さま」 あからさまに色をのせてねっとりととびきりの甘い声で手を伸ばし指先で顎をなぞり湿った瞳で見てやる。

2021-03-28 22:19:17
かむい @sunyaxxx

「いぞーと、遊ぶかえ、兄さま?そいとも旦那様?」 「そうだよ、僕は君と兄弟の契りを結びたい、だけども、それは遊びじゃない、僕は君が昔から変わらず大好きだからだ、だからこそ思い出してほしい、そして、初めて兄弟の契りを結んでほしい」 伸ばされた手を柔らかく握りまっすぐに見返す。

2021-03-28 22:19:18
かむい @sunyaxxx

「僕は、君に頭を下げるだけじゃ足りないほどの酷いことをたくさんした、いや、今もなおしてる、し続けてる、だから思い出して、そして僕を『憎んで』」 微笑みながら泣いてる顔。 「っち、およけんぜよ」 掴まれた手を振り払い席を立つ。 「いぞーさ、」

2021-03-28 22:19:18
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