妖浮世草子（あやかしうきよぞうし）

櫨染忌憚 @D9A62E_SS

時「へえ、ふぅン……日用的な買い物をする所……うーん……買い物……？　わざわざ出向くの？　持ってきてくれないの？」 祢「ほらね箱入りだからあんた。伊勢は人間でしょ、人間的な営みも多少は知っておいて損ないわ。あんたとずっと一緒にいるからって金銭感覚バグってもヤダし」

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祢「あんたに食わす分にはそんな下々の物なんて口に入れさせないけど。若衆に食わす分にはたくさん必要だし、ごくたまにだけど、そういうとこに出向いて買い物する事だって必要なの。基本は業者に頼んでるけど。だから伊勢にも教えとくの」 時「ふぅン。祢杏は働き者なんだね。ありがとう」

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黄傘会、会長の方針で基本的に血を見るような争い事には参加しないし金儲けばっか精力的にやってるから他勢力には昼行灯って揶揄されたりもするけど、実際妖怪としての歴史があって金もあって他勢力の金貸しもやってるから圧倒的に安定した基盤で関西に君臨してる

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伊勢、屋敷の敷地内に小さな菜園スペースをもらってて、そこで3品目ほど野菜を育てておりそこで採れたものを時鳥の朝ご飯にするなどしている（時鳥の朝ご飯を作る係として最近祢杏にお許しを貰った）

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朝ご飯の時間は時鳥が祢杏から今日のスケジュール確認されたり情報入れられたり新聞速読してたりで忙しいし伊勢とはほぼ話さないけど、伊勢は横で時鳥がご飯食べてるの見てる 時「今日、ご機嫌そうだね」 伊「……ふふーん」 時鳥が今食べたトマトが自分の作ったトマトだから

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狭衣吾鷹（さごろも・あたか） 関東最大規模妖怪団体・双藍会（そうらんかい）会長。鬼。身長2mくらいある。表向きは民間軍事会社社長。妖怪の武力的な揉め事には必ずと言って良いほど双藍会の傭兵が雇われており、尸仙対策本部との繋がりも深い。あらゆる軍事団体の軍事力を知っているとされる。

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双藍会に一度も軍事協力を仰いだ事のない団体で最大規模の団体が黄傘会。また黄傘会からの資本融資を受けていない団体の最大規模の団体が双藍会。よって互いに中立とし、シマを争わない事と会長同士の親睦会を定期的に行う事で事実上の和平が保たれている。

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「ご足労大変ありがたい。俺から迎えに出るべきだったな」 「そんな仰々しい事は良いよ。私も少しは歩かないとね。この身ではなかなか歩かせてもらえないのさ」 「俺達の大概の仕事はふんぞり返っている事だからな」 「君もそれを言うのかい……ふんぞり返っているだけで良いなら私も楽だろうけどね」

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「茶を用意しようかと思ったが……おまえに下手な茶など出してみろ、はは、俺が恥をかく！　俺はコーヒー派だからな、コーヒーを用意させてもらうぞ。なに、豆は良いのを使っている」 「お気遣いなく。コーヒーなんて普段飲まないし、ありがたく頂こう」 「毒味は要るか？」 「要らないよ」

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「さて、下らん話をしても良いが……今はその時ではない。先日俺がうずらの卵を孵化させた話はまた今度だ」 「いや絶対聞きたいなその話、なにそれ」 「しかし今日は【バーン】の話をすべきじゃないか？　南禅よ」 「バーン？　……ああ、東ではそう呼ぶのか。こっちでは【ハゼ】と呼ばれてる」

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「うちの末端で出てしまってな。正直いたちごっこだ」 「そもそも同じものかな。ヘロインとガソリン、塩酸と人間の血と聞いてるけど」 「ガソリンは違うかもしれん。だが根本的には同じものだろう。人間の血は尸仙からの流れ物だ」 「問題はヘロインがどの流通ラインに乗ってるのかだねえ」

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「尸仙ではないと考えているのか？」 「大量生産できる土地というか、パイプを持ってないと思うのだよねえ。だからヘロインはこっち側で、人間の血は尸仙、あとの混ぜ物はどこでも手に入る。人間に売り捌いてた頃は見逃してやったけど」 「プッシャー（売人）を捕まえてもキリがないぞ」

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「南禅のところでも被害は出ているか？」 「間接的にかなあ。ほら、人間に対するドラッグの効きと、妖怪に対する効きは大きく差があるだろう？　大麻くらいなら私も嗜むけど、人間のこの島では法で禁じられているようだし。だからヘロインを人間がやる分には良いんだよ、すぐ死ぬからね」

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「でも顧客が妖怪に移ったら話は違う。そもそも同じドラッグでも人間へのレートと妖怪へのレートは違う。このレートの差で荒稼ぎしてる連中がいると言う事でしょ」 「確かに、人間から手に入れて妖怪に売れば随分な儲けが出るな」 「しかも妖怪はなかなか死なない、つまり長い金蔓になるって事だ」

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「それは困る。私のシマでの小銭稼ぎは私共を通してもらわないとね」 「俺としては若衆にやって欲しくないだけなんだが。クリーンなイメージでありたいからな。こと、人間相手の商売はイメージが大切だ」 「なら、私も狭衣くんも目的は同じと言える」 「そのようだ。ではまあ、潰すとするか」

櫨染忌憚 @D9A62E_SS

伊「ピアスあけたい」 時「そういう年頃かな」 伊「とき様とおそろいがいー」 時「あーそっち？　まあ良いのではないかな。今度先生を呼んで開けてもらおうね」 伊「とき様あけて」 時「えっ。いや、私は人の耳に穴を開けた事などないし」 伊「とき様にあけて欲しいもん」 時「えー……どうしよう」

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時「良いかい伊勢、耳とは言え穴を開けるのは痛いもので」 伊「とき様いっぱいあいてる」 時「私は人間じゃないから良いの。痛くないの。伊勢は人間だろう」 伊「いたくないもん」 時「だから専門のお医者様にだね」 伊「とき様にあけてほしいもん」 時「我儘になったねー……」

櫨染忌憚 @D9A62E_SS

時「仕方あるまいね」指ぱっちん 伊「わっ。……ぐぅ」 時「おーい祢杏。ピアッサー持ってきて」 祢「えーなに。うわっ時鳥あんた、流石に寝てる子供に穴開けるなんてそんな……」 時「いや誤解！　凄く誤解なんだよね！　説明させてもらえる！？」

櫨染忌憚 @D9A62E_SS

祢「それってさー……寝てる間にやっても意味なくない？」 時「なんで？　眠っている内は痛くないだろう」 祢「えーいやー……あんたがそんで良いならそんで良いわよ。あとで伊勢の機嫌取っておいてあげるわよ……」 時「え、ほんとになんで？　あとついでに祢杏やってくれない？」 祢「あんたねえ💢」