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YOTSUnoFUNE
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@YOTSUnoFUNE 「…そうかな」(うん)「……そう、かな」顔が赤くなっていくのが、自分でわかる。この部屋には鏡はないが、もしあったら自分の真っ赤になってる顔とご対面してしまうだろう。(あお……)ぎゅ、と姉ちゃんの腕に力が込められた。不意打ちだった。
2011-08-05 23:16:34![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@YOTSUnoFUNE その言葉は、もしかしたら俺が言いたい言葉だったのかもしれない。だがその言葉を言うより先に、不意打ちでバランスを失った俺の身体は姉ちゃんに押し倒される形でベッドにダイブしていた。(あ……)ああどうして、姉ちゃんはこんなに綺麗なんだろう。
2011-08-05 23:19:33![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@oroshiwanko (今日、一緒に寝よっか) 「いっ・・・!?」 僕が驚くと、姉ちゃんの顔がゆるんで、あの素敵で安心する笑顔になった。 (・・・冗談だよ) 「・・・姉ちゃん、ひょっとして、俺の事遊んでる?」 (鳥飼さんともっと仲良くなれたらいいね・・・)
2011-08-05 23:24:16![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@YOTSUnoFUNE 「…姉ちゃん」やっぱり俺は、まだ姉ちゃんには敵わないなと思う。そりゃそうだ。13年一緒にいた姉だもの。俺の事なんか知りつくしてるよな……(…あお)「ん?」何か言おうとしたが、姉ちゃんの顔のあまりの近さに言葉を失った。何故か自分の鼓動も、高まっていっていた
2011-08-05 23:27:15![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@YOTSUnoFUNE これは果たして浮気になるのだろうか。相手は、実の姉なのだ。でもそう思っていても、自分自身の13年かけて築き上げてきた倫理観が、鳥飼さんという恋人の存在が、身体を動かさない。それ自体が、答えだったのかもしれない。姉ちゃんは…そんな俺をじっと見つめていた。
2011-08-05 23:55:39![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@oroshiwanko (・・・・よかった) 姉ちゃんが口にしたのは、意外な言葉だった。僕がいろいろ考えていたことをそのまま見ていたかのように、安心したような瞳だった。ようやく姉ちゃんが、僕の上から身をどけた。「よかっ、た?」 (あお、鳥飼さんのこと、大事にしてるんだなーって)
2011-08-05 23:58:47![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@YOTSUnoFUNE 「……」(あお)「…何?姉ちゃん」(鳥飼さん泣かせたら、絶対許さないから)「…泣かせないよ、泣かせない。」果たしてその声は、姉ちゃんにどう届いていたのだろうか。それは俺には分からない。そんな俺を、姉ちゃんはぎゅっと抱きしめていた。
2011-08-06 00:01:33![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@oroshiwanko (あっ。もう午後十時・・・) 「いつの間にか、こんな時間になってたんだ・・・」 (そろそろ、寝よっか) 「うん・・・そうだね」 (あお、頑張ってね) 「頑張るよ。俺・・・」 (だから・・・) 「んっ?」 (幸せを願って) チュッ 僕はおでこをおさえた。
2011-08-06 00:08:21![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@YOTSUnoFUNE 姉ちゃんは、頬を軽く染めながらそそくさと部屋を出ていった。額にはまだほのかな暖かさが残っていた。(姉ちゃんには…かなわないな……)そう思い、寝る準備をしようとした時、一つ気づいた。「…湯呑、忘れてってる……」
2011-08-06 00:11:12![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@oroshiwanko 僕と姉ちゃんのさっきまで使っていた湯のみ。(しょうがない。俺が洗っておくか・・・) 僕は二つの湯のみを取り上げた。手に持った湯のみを・・・僕はカチンッと、合わせた。(これもある意味間接キスかもな) そんなことを思いながら、僕は湯のみを持って部屋を出た。
2011-08-06 00:15:31![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@oroshiwanko (むー。なんなのだ、この気持ちは・・・) 青に、姉としては精いっぱいの応援をしたのだから、満足といえば満足なのだが、釈然としない気持ちになってしまっていた。梶原さんが布団から顔をのぞかせると、机の上のスケッチブックが目にとまった。(何か描こうかな・・・)
2011-08-06 00:23:32![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@YOTSUnoFUNE 思えば、昔一番近くにいた存在である青をよく描きたがったものだった。だが元気いっぱいだった頃の青は、モデルとしてじっとしている事を嫌がり彼を描くことはできなかった。やがて描きたい対象も変わり、青の事を描こうと言う気もだんだん薄れていったのだが…
2011-08-06 00:26:23![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@oroshiwanko (あお・・・) 心の中に浮かぶ青は先程と同じように、心がちょっぴり大人になっていて、「頑張る」と力強く言う、男の子であり――どこまでも大事な弟だった。スケッチブックのページを開き、鉛筆を立てる。(そうだ。鳥飼さんも描こうかな・・・) 鉛筆を動かした。
2011-08-06 00:30:36![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@YOTSUnoFUNE しゃっ、しゃっ、と鉛筆と紙がこすれる音だけが部屋に響いていた。(鳥飼さん……幸せそうだなあ……)ごく自然と、空の描く彼女は満面の笑みの表情を浮かべている。そしてその横に、青が描かれていた。文字通り、手が勝手に動いていた。
2011-08-06 00:33:34![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@oroshiwanko 絵が出来上がったのは、深夜三時を過ぎていた。(今日はツイッターできなかったなぁ・・・) そう思いはしたものの、梶原さんは満足感でいっぱいだった。うーんっと背伸びをして、スケッチブックから完成した絵を切り離し、部屋を出て、青の部屋の扉を開けた。
2011-08-06 00:37:00![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@YOTSUnoFUNE そこでは青がすやすやと優しい寝息を立てて熟睡していた。(あお……幸せになってね……)眠っている青の頬にそっと唇を当てると、つい先ほど完成した絵を枕元に置き、空はそっと部屋を出た。
2011-08-06 00:38:40![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@oroshiwanko 翌朝。目覚まし時計よりも早く起きた青は布団から這いだした。枕元に何かがあった。寝ぼけ眼でそれを持って眺めると、どうやら絵のようだった。「あれ?なんだこ、れっ!!?」 絵に描かれていたモノを見て、青は眠気がおさまるほど驚いた。絵には、自分と鳥飼さんがいた。
2011-08-06 00:42:28![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@YOTSUnoFUNE その絵に描かれていた二人は、見ていて恥ずかしくなるほどに良い笑顔をしていた。鳥飼さんの愛らしい笑顔は見ていてうれしいが、それでもやはり恥ずかしい。これは多分、というか絶対姉ちゃんが書いたに違いない。着替えもすませぬまま、空の部屋に向かった。
2011-08-06 00:44:28![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@oroshiwanko 「姉ちゃん!」 (・・・おー。あおー。おはよ~) 「どうしたの、この絵!」 (いい絵であろう) 「うん、すごく・・・!」 (私から、青へのお祝いだよ) 「お祝い?」 (あお) 「?」 (この絵みたいに、幸せになるんだよ)
2011-08-06 00:49:33![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@YOTSUnoFUNE ああ、だめだ。あんなに良い笑顔で、良い笑顔の絵を渡されたら、文句も言えないではないか。小さく溜息をつくと、そっと俺は姉ちゃんに言った。「…ありがとう。」
2011-08-06 00:51:46![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@oroshiwanko (よろしい) 「じゃ、姉ちゃん」 (?) チュッ (!?) 梶原さんがおでこを押さえた。青が顔を真っ赤にする。 「昨日のお返し・・・」 (//////) 「じゃあ、朝飯作ってくるからっ・・・!」ダッシュ! 梶原さんがおでこを触った。 (・・・えへっ)
2011-08-06 00:56:58![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@YOTSUnoFUNE ぎこちないままに、朝食を終え、学校へ向かう。「おー空、おはよー」「おはよう、梶原さん。」学校が見える坂道で、麻生さんと鳥飼さんと出会った。鳥飼さんの顔を見た時、何故か心が温かくなって――(おはよう、麻生さん、鳥飼さん)
2011-08-06 01:06:27![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@oroshiwanko 「んー? 空、なんで目にクマ作っとーと?」 (いろいろあって、眠れなくて・・・) 「梶原さんが夜更かしなんて珍しいわね」 (・・・鳥飼さん) 「なーに?」 (あおを、よろしくね) ボンッ(鳥飼さんがゆでダコになる音) 「うお!葉月どげしたとー!?」
2011-08-06 01:09:02![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@YOTSUnoFUNE 「な、ななななんでもないわよ?早く学校行かないと遅刻しちゃうよ?」「……空、なんて言ったと?」(ふふふ、ナイショ)
2011-08-06 01:10:56