【切るのではなく】福間健二 #k2fact292

4月24日から5月3日まで。サーフィンで、やってくる波に乗って、乗れるところまで波についていくような「途中から途中まで」感覚で書きたい。これがずっとあるのだが、ここのところ、それをやれテイル気がしている。その上で、なにかを動かすのではなく、なにかが動くように(勝手に動いてくれるように)、と言うところから、「切るのではなく」が出てきた。札幌でやっている「福間健二展」が張り合いになっている。 音楽は、Alice Phoebe Lou。Lou Reed の名曲「Walk on the wild side」を楽しそうにやっている。 https://www.youtube.com/watch?v=WVBfmOYvTiI
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福間健二 @acasaazul

ポケットに両手つっこんで歩く男。速い。追い抜くのに汗をかいた。大事なことをひとつ忘れて足もとにはセージの小さな花だ。光のぶつかる音に心をつまずかせる。落ちる。落とす。どうちがうか。不注意、そして絶望が足りない。そうだろうけど、きみに言われたくない。(切るのではなく1)#k2fact292

2021-04-24 17:53:41
福間健二 @acasaazul

この日、細胞の揺れが止まらない。助けてくださいの虫、何から生まれる。てのひらに空の廊下を歩いてきた新資料としずかな毒。アジアの川、なにかになりきるという宿題。どういう春だったらよかったのか。セージ、もう少し大きくなったら天ぷらにしてもらって食べる。(切るのではなく2)#k2fact292

2021-04-25 11:21:14
福間健二 @acasaazul

路地の人影にも、四月の箱から出てくる小人たちは信号を送りたい。抱いてほしい、だとしても、叩いて昼の現実に戻る手は、できることがありすぎて迷う。早いうちのキャベツ。むしろ背負うものがあってこその、速度。バスを見送った。妥協でなく予感の容れものになる。(切るのではなく3)#k2fact292

2021-04-26 15:02:29
福間健二 @acasaazul

まともな生活でなくても、新たな生。心配してくれた人に葉書を書き、いっそのことキリンを飛ばしたい快晴の空からの、透明度。ぼくらこそは、だ。おはよう、おやすみ。最近いつも工事中の一橋大裏を避ける。旭通りも避ける。ブルースっていいよねと夢でも言わせない。(切るのではなく4)#k2fact292

2021-04-27 16:34:42
福間健二 @acasaazul

指はどこから指なのか。油断するな、突出以前の萌芽。一度盗まれたものは返されてもなにか戻っていない。新緑とバランスわるい立ち方の人たちの、午前十一時半。来ているはずの昼食。消えているはずの火。大丈夫かなと思いながら救急車の音を聞く耳はどこから耳なのか。(切るのではなく5)#k2fact292

2021-04-28 13:47:42
福間健二 @acasaazul

雨になったが、いまはあがっている。インサイド、どうしてもアフリカが座らない。抗議するそれ以上に、胸椎の動き。省略できない、濡れた赤い滑り台とカモミールの黄色い花。なら、青い鳥も、と滴ぬぐう構成。吟遊詩人にあこがれたころのジャンプがまだ着地していない。(切るのではなく6)#k2fact292

2021-04-29 10:30:13
福間健二 @acasaazul

首都、割れた爪を気にしながら。神田で山手線に乗り換えて新橋に着いた。信じられないかもしれないが、死因をさぐる目が誘い込まれる花園がある。お父さん、ちゃんとトイレ行っておくのよ。家族の心配をする人の内幸町。普通に仕事している人もケンカしている人もいる。(切るのではなく7)#k2fact292

2021-04-30 17:57:29
福間健二 @acasaazul

五月になった。大事にしたい、まだ動く部分。ほんの少しだけ積極的に、街。ただそのまま歩く。きょうの夕食どうしようという生活が作品である。うれしいが、そんなこと思っていなかった。春の甘さを許そうとして揺れる液体の、言い分。さする。手で察するだと教わった。(切るのではなく8)#k2fact292

2021-05-01 14:59:46
福間健二 @acasaazul

見つからないと思ってたものに接触している。だが、偶然で靴を光らせたくない。立ちあがるのと同時に静かな郊外という目的が生まれた。人のいない管理室からの声。諸君、なにかをどうするという場合だろうか。切るのではなく、刺さる。ナイフじゃなくてもできることだ。(切るのではなく9)#k2fact292

2021-05-02 15:44:09
福間健二 @acasaazul

回想よりも風景に自由に動かれる移動だ。歩道橋から落ちてくる物体は、全身でも部分でも未来のドアの把手のしずくに反応させたい。くやしいのだ。捨てられて、向かいあい、また捨てられる。アフリカにあこがれた少年。胸からだよ、胸から動けば大地が足に触ってくれる。(切るのではなく10)#k2fact292

2021-05-03 18:49:00