- poli_pro_info
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下読み中。時代・歴史小説は体裁を整えればそれなりに見えるのでもしかすると自己満足に陥りやすいジャンルなのかもしれない。歴史的事実を書いただけで満足している作品が多いのですが、そこで生きたり死んだり笑ったり泣いたりする人間のほうには関心がないのだろうか。なぜ小説を書くの。
2021-05-01 10:52:23下読み中。一行空けで場面転換することに慣れきってしまっている書き手。場面と場面のつながりがどういう意味を持っているのか、読者がどういう印象を抱くかに無関心だということがよくわかる。映画でもお芝居でもメモを取りながら一度ご覧になってみたらいかがかしらん。
2021-05-01 10:59:07下読み中。冒険小説は単なるアクションの数珠繋ぎではなくて、関わる人間たちがそれぞれの命を賭けて意地を通す物語。彼らがなぜ身を張るのか。納得のいくような設定を準備できるかが肝だと思うのだけど、そこに無頓着な書き手が多いんだよなあ。そんなぺらぺらの舞台では役者は踏ん張れないんですよ。
2021-05-01 11:06:57下読み中。主人公にどういう属性を持たせるかということにもうちょっと心を配ってもらえないものか。特にアクション小説。必殺技と主人公が乖離しているものがあまりに多すぎる。眠狂四郎に円月殺法といった、これしかないという決め技を作るつもりがない人はアクション小説を書かないほうがいいよ。
2021-05-01 11:14:15下読み中。青春小説で目立つのが序「AとBが出会って衝突する」破「何か他のことを経験してAがBに対する認識を改め始める」急「Bが死んでAは悔恨するが強く生きようと思う」というもので、話に山を作るためだけに殺されちゃうBはいい面の皮だと思う。このパターンでしか話を作れない人もいるみたいで。
2021-05-01 11:23:22下読み中。何度も書くのだけど、書き出しは小説の玄関だから魅力的じゃないと読者は踵を返して帰ってしまう。8行、いやせいぜい6行。そこで読者は読むかどうかを決める。何も掴みで事件を起こせとは言わないが、綺麗な描写を見せるとか、読者の気を惹くことが何かできないか考えても罰は当たるまい。
2021-05-01 11:43:12下読み中。コロナの話いっぱい来てる。わかる。書きたい気持ちは。でもなぜその題材なのか。世間で話題になっているからそれを書く、でいいのか。コロナ流行によって浮き彫りにされたものがあるからこそ誰もがその話題に引きつけられるのではないか。現象ではなくて、その下にある構造を書くんだ。
2021-05-01 11:47:53下読み中。これも前に書いたけど、主人公の特殊能力は本人を縛るものとして出してくれ。超能力があるゆえに他人と違う生き方をしなければならない。石ノ森章太郎作品がそうでしょ。主人公の得になる特殊能力なんて読者にとっては面白くも何もない。足枷・聖なる傷でなければ。主人公を可愛がるな問題。
2021-05-01 11:58:37下読み中。途中の辻褄合わせだけしていても話は小さくなってしまうが、最小限の整合性は必要。選評でよく重箱の隅つつきに見えるものがあるけど、あれは「細部をないがしろにして全体のデザインが整うはずがない」という意図で言っているはず。存在しない部署にいる刑事はちゃんと活躍しないのです。
2021-05-01 12:09:30下読み中。プーケットを舞台にしても熱海を舞台にしても同じ「海」という意味しか伝わってこない書き手がいる。記号論にこだわっているのでなければ、情報を伝えるための素材選びが駄目なんだと思う。視覚だけではなく行きかう人々の体臭や波音、足元を焼く路面の温度など、なんでも試してみなくちゃ。
2021-05-01 12:14:09下読み中。年配男性の応募作に無駄なセックス描写が多いのを不思議に思っていたのが、サービスの意図なんだと思う。今の読者はそんなにセックス描写をありがたがらないのではないか。筋立てを骨とすると文章は肉。その肉に何を選ぶのかがセンスだが、セックスありがたがりの小説には加齢臭がする。
2021-05-01 12:21:54下読み中。特に若い応募者に目立つのだが、作り物めいた感じを嫌うのか現実に近づけた会話を書こうとする。「というか」「そうそう」みたいな相槌を多用して。でもこれは小説ですからね。そういう情報量ゼロの会話で1行使っちゃうのはな、と文章の価値に自覚的な人がやっぱりプロになるんだと思うの。
2021-05-01 12:30:39下読み中。スポーツにしろ音楽にしろ、主人公が何かに打ち込むことを主題にする作品は多いのだが、愛情をもって書いてもらえまいか。ただ出しただけ、という作品は反発を買うだけなので、資料を集めたり現場に行ってみたりしても興味が持てないようなら、その題材はあなたに向いていないと思います。
2021-05-01 12:40:55下読み中。主人公の前から恋人(ないし重要な登場人物)が姿を消し、理由がわからずに思い悩む、という話をよく見る。そういう話で最後に恋人が手紙で自分の行動について縷々説明するのは蛇足に感じる。意外性がまったくないもの。心理の不可解さが作品の肝なら、種明かしにも気を遣ってもらいたい。
2021-05-01 13:38:16下読み中。明らかに語彙が少ないことがわかる作品。それを補うためか主人公の内的独白が多めなのだが、手持ちが足りないので同じことを言い換えて繰り返すだけになっている。言葉は武器だから折に触れて増やしていく必要がある。一度文章を検索して、同じ表現がどれくらい頻出するか調べてはどうか。
2021-05-01 13:52:40下読み中。すごもり生活の反映なのか、作者の私生活をそのまま描いたものが散見される。でもね、あなたがよほどの有名人ではない限り、私生活は平凡で退屈な題材なのです。日常をそのまま書いておもしろい作品は存在するが、それは文章が素晴らしいから。文章の天才でないのなら物語性で工夫しないと。
2021-05-01 10:16:57下読み中。ひさしぶりにこれぞバブル、という小説を読んだ。ブランド品や高級酒などの名前が散りばめられたカタログ小説。こういう作品が評価されることが会ってもいいと思う。しかし固有名詞を列挙するのであれば、2021年のそれでなければ今の人が読む小説にはならないのではないか。必要なのは今だ。
2021-05-01 14:03:52下読み中。手垢のついた概念をそのまま使うことの危険を思う。たとえばSFにおけるロボット。人工知能を持って自律する動体というだけでも、現代科学の情報を強いれつつプロの作家は自前で概念を更新し続けている。他人の概念をそのまま使うと自動的に時代遅れになってしまう。自分も更新しないと。
2021-05-01 14:12:41