King-biscuit先生による、西田稔『基地の女』講義

JO H N s O N h A l L#101 @7bEvA6V

昭和50年代、かすかに残っていたんだよなぁ。再開発で北口南口共にかわった。私が小学生の頃。痴女に襲われそうになった映画館も twitter.com/kingbiscuitsiu…

king-biscuit @kingbiscuitSIU

「また女たちに部屋貸しする家も、立川基地を中心として高松町から曙町、錦町、富士見町の一部に二十余軒できていた。部屋貸しといっても1時間か2時間の時間貸しで、女たちは一回二百円也の使用料を払う。当時は隣近所に気兼ねして商売は夜だけに限られ、後のパンパン店のように女を置かなかった。」

2021-05-09 09:30:34

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｢立川には刺青を職業としていた者はいない。女たちは気の合う仲間同士でこの刺青を実行している。旧い刺青を消して新しい刺青をしたのである。昔の情夫の名を刺青した時のように愛情の炎を燃やして苦痛に耐えたのではないそうである。ただ生きるために金を得るために刺青する苦痛に耐えた。」

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｢旧い刺青はある薬品やロウソクの炎で焼消した。皮膚の別の個所を木綿針で傷つけて青インクを流し込んだ。女たちは新しい刺青を赤い布で繃帯して相手の注意を引くようにした。相手に聞かれると、赤い布を解いて貴男と私の名だと言って見せた。」

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「この刺青戦術は駐留兵を引きつけた。刺青を見せられた相手はポン引の男たちを押しのけても女たちの部屋に通ってきた。そうした相手から女たちはしぼれるだけの金と物資とを捲き上げた。相手が遊興費に困ったと見ると素早く別の相手に乗り換えるこも忘れなかった。」

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「そういう場合、女たちはローマ字の刺青の便利さをしみじみ感じた。日本語と違いローマ字なら自分の名さえ変えれば相手の男をいくら換えてもたいてい通用したからである。」

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｢この刺青の効果は、まもなくこの女たちにポン引の男たちを無視する地位を占めさせることになった。ポン引を利用せずとも仲間のうちでいつも最高収入者になれた。多額の収入は機会あるごとに仲間に物質的恩恵もあたえる。いつとはなく仲間の女たちが刺青のある女の周囲に集まるようになった。」

Dai-m @Daim197641

@kingbiscuitSIU そういえば北海道の昭和末期に、ヤンキー？女の間で剃刀で男の名前を彫る連中が居たらしいです。当時のラジオパーソナリティが批判していました。

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@Daim197641 ( ；∀；)ｲｲﾊﾅｼﾀﾞﾅｰ

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｢またこの女たちは、17、8歳から売春の経験をしているので、ダンサーや女給出身の女建ち(昭和21年5月頃より現われている)からも性病のこと、その他について指導者的立場に置かれていた。初代の女たちは性病をあまり問題にしていなかったが、ダンサーや女給出身の女たちは性病を一番恐れていた。」

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｢21年9月頃から刺青をした女は完全な姐御になった。市内に家を買い求めて部屋主になった。これによってパンパン宿が六軒ほど増えた。姐御の家に同居した女たちは売春の場として元の部屋主の家の部屋と姐御の家の部屋を自由に使った。この時代はどの家も女の数より間数が少なかったからである。」

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「この街の女の世界に、初代の女たちによって一種の仁義が型作られた。初めて立川にやってきた女は｢顔見せ」といって重立った仲間に挨拶して廻った後でなければ稼げなかった。これをしないと「リンチ」を受ける。この風習は初代の女たちの酌婦の経験から自然に型づくられたものと考えられる。」

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｢後に現われた特殊女性は、初代の女たちの残した風習をそのまま実行していたに過ぎない。これは24年にオンリーとなった女が出るまで、全ての女たちによって実行され引き継がれていた。」

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｢初代の特殊女性には駐留兵と関係するようになって初めて妊娠したという例が多い。この女たちは酌婦生活数年或は十数年を経てきてまだ一度も妊娠の経験がなかったという女ばかりだった。最近のように闇堕胎が盛んでなかったので混血児を生んだ女もいる。」

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｢この時代に生まれた混血児が今年は学齢期に達したが、初代の女が生んだ混血児たちは無籍であったり里子に出されたりしているので、一様に小学1年生になることは困難であろう。立川では混血児の28年度入学が意外に少なくたった2名なのは、この事実を裏書きしている。」

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「私の知る58名の混血児のうち19名は初代の女が生んだ子供たちで、黒人兵の子が16名、白人兵の子が3名いる。父親が誰であるか女自身にもわかっていない。黒人兵の子を産んでいるのは全部酌婦あがりの女で、白人兵の子を産んでいるのは21年5月頃から現われた。」

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「ダンサーや女給くずれで黒人兵を客にとらなかった女たちである。昭和20年9月から21年2月までの売春混乱期を過ぎると、黒人兵を客にした女には白人兵が近づかなくなっている。」

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｢女たちで貯金をしていた者は僅少だった主たる理由。 ・衣食住全てが闇生活。この時期の女はほとんど「日本人か朝鮮人の情夫」を養っていた。 ・性病を患うが闇の治療費。闇堕胎も一回八千円から六千円。 ・周囲の男たち(闇屋・不良・ポン引)などに借倒されたり共同出資などの甘言に乗せられる。」

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「・衣服の新調が多いがすぐ飽きて半値以下で売ってしまう。 ・貧困家庭出身者は親からの送金催促が激しい。月に三万円前後送金している女もいた。 ・仲間との交際費が多額。この時代は自分一人の行動が許されず、収入が多い時は姐御以外の女たちは先輩、同輩に奢らなければならない。」

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(´･ω･`) ｢昭和20年9月から22年末にかけての時代は、特殊女性や女に部屋を貸していた者たちが市民からひどく軽蔑されていた。彼らは立川に住んでいても市民から離された存在だった。街の公費を納めていても、町内の人たちからはのけ者にされていたのである。」

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｢初代の女が街に現われると同時に自分の住んでいる家を女たちの売春に利用させた人たちは、全て貧困家庭で、二部屋か三部屋の借家住まいをしていた。夫婦者であり子どもが多くて主人も夫婦も45歳を越えた人たちばかりで、未亡人や独身の男でこうした商売を始めた者はいなかった。」

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｢働くにも40歳を越えた年齢が邪魔して雇主がなく、闇屋をしようとしても一文の資金もない、そこで思い切って資金いらずでその日から金になる売春宿を始めたのだが、部屋貸しを始めるようになるとその家の人たちは街を歩くにも裏通りをこそこそ歩くようになった。」

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｢その家の子どもは近所の子供たちからパンパン屋の子と蔑まれていつも仲間はずれにされていた。今日のパンパン業者のように、町内の顔役だなどと大きな顔はしていられなかった時代である。」

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｢この時代の部屋貸しする家の玄関か台所の柱には、太くて長い麺棒がかかっていた。饂飩粉の配給を受けて各家庭で手製のうどんを常食としていた時代だから不思議ではなかったが、それが同時に駐留兵に乱暴をさせないおまじないであることがわかった。」

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｢酔った駐留兵が来て暴れそうになったので、斬込戦の態で麺棒を構えて振り回すと｢パパさん、にっぽんきりこみ、もうたくさん」とおとなしく帰ったのだという。その話が広まって太くて長い麺棒がパンパン宿の守り神となって、立川市内のパンパン宿の柱に軒並みかけられるようになったのだという。」

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(´･ω･`) ｢昭和22年になると街の女たちは38、9名(そのうち刺青のある者27名)の｢街の姐御｣によって一応は統制された生活になった。この頃の立川に蝟集していた特殊女性は600名と言われていた。」