②「南相馬市の汚染マップ作り 20110720-0808」

前回の①「南相馬市の汚染マップ作り +牛肉汚染問題」http://togetter.com/li/160283 の続きです。  ③ http://togetter.com/li/180090
2
前へ 1 ・・ 4 5 次へ
中熊 弘隆 @nakaguma3

放射線測定値速報 場所;新潟県津南町相吉(木造屋内)  時刻;8月06日 08:00 数値;0.11μSv/h   測定器;シンテック  天候;晴れ #rdan #hakaru

2011-08-06 08:08:04
中熊 弘隆 @nakaguma3

報告⑭ ①で7/3とあるのは8/3の誤りです。さて、市側の対応である。この日、桜井市長は出張で、代わりに村田崇副市長と市幹部数人が対応してくれた。我々のマップ解説の後、市側の取り組みについて説明を受けた。それによると、2ヶ月の除染月間ということで、8月中に学校や幼稚園を除染する。

2011-08-06 22:06:14
中熊 弘隆 @nakaguma3

報告⑮ 道路、公園も除染する。学区ごとに高圧洗浄器を用意する。申請にもとづいて支給する形を取る。学区は181ある。東大の児玉教授の指導によって除染マニュアルを作成し全戸に配布した。1kmメッシュで4箇所測定する、という形での全域測定を始めている。富山の方に測定作業をお願いした。

2011-08-06 22:06:31
中熊 弘隆 @nakaguma3

報告⑯ 作業は市の北から順次進めている。福島県からホールボディカウンターの貸与を受けた。市民病院に設置されている。線量の高かった場所の住民や子供を中心に計測する予定。運営は県ではなく市が行う。食品の分析器は今のところ手配していない。ゲルマニウムによる土壌、水の分析器は入手を準備中

2011-08-06 22:07:25
中熊 弘隆 @nakaguma3

報告⑰ 我々の作成したマップは、市から全学区に一枚ずつ回してもらえる他、公共施設で現在開いているところ(あまりないのだが)には掲示してもらえるとのことで、それに見あった枚数をお預けした。更に、市側からチェル救に対して次のような依頼があった。

2011-08-06 22:07:49
中熊 弘隆 @nakaguma3

報告⑱ 自分たちは測定作業を進めることはできるが、短期間でその分析をし詳細なマップを作り上げる力はない。データの分析とマップ作成は今後もチェル救の力を借りたいとのこと。こうした市側の対応には、既に桜井市長が脱原発の意向を固めているということ以外にも、次のような背景があると思われる

2011-08-06 22:08:24
中熊 弘隆 @nakaguma3

報告⑲ 7月に県からホールボディーカウンターの貸与を受けた市は、試しに市職員の検査を行った。その結果、職員全員の内部被曝が判明した。また、この間自主避難した市民に帰郷を促しているが、一向に帰る気配がない。市民が安心して暮らせる環境づくりを先行させなければ、故郷の復興はあり得ない。

2011-08-06 22:08:47
中熊 弘隆 @nakaguma3

報告⑳ こうした現状認識に至った結果として、フィールドワークから得られた豊富な経験と知識を持つ市民運動との連携という方向性を模索し始めているのだと僕は考えている。当初1台しかなかった市保有の線量計も数十台に増え、広範な市民が参加した除染活動が進むものと期待される。

2011-08-06 22:09:02
中熊 弘隆 @nakaguma3

報告㉑ 市役所での会合を終え、その足で市民集会へと向かった。地元住民30名ほど、その他、近隣の郡山市や相馬市、遠方からは九州からの参加者もあり、全体で50名ほどの会合となった。測定作業第1次隊での地元参加が4名であったことを思えば、関心の広がりを実感できる数字ではある。

2011-08-06 22:09:14
中熊 弘隆 @nakaguma3

報告㉒ マップ解説の後、チェル救側から市民に対していくつかの提案がなされた。その一つは「生活被曝線量測定」。個々人の様々なライフスタイルの中で、被曝線量がどう変化するのか、子どもと大人とどう違うのか、できれば家族単位で測定しデータを集め汚染地帯での新しいライフスタイルを模索したい

2011-08-06 22:09:43
中熊 弘隆 @nakaguma3

報告㉓ そのために、高性能の時計型積算線量計を複数台用意した。この提案に対しては、後の交流会の中で市民有志から「元締め役」の申し出があり、線量計は記録用紙とともに市民に引き渡された。次に、市民による管理運営と費用の一部負担を前提とした高性能の「食品測定器」の提供とオペレータの養成

2011-08-06 22:10:17
中熊 弘隆 @nakaguma3

報告㉔ 300万円を超える高額な品物であるが、食品測定器の設置は急務であるとの認識からの提案であった。会場で運営組織の立上げに前向きな意見が多く出され、納期が3ヶ月ということもあり、直ちに発注することが約束された。また今後のカンパ活動に資すためマップ1500部が無償で引き渡された

2011-08-06 22:11:10
中熊 弘隆 @nakaguma3

報告㉕ 集会では、市民側から土壌や水の汚染についての質問に対し、チェル救の中心的スタッフで、名古屋大学教員の河田昌東(まさはる)氏が答えた。まず、土壌汚染に対しヒマワリは有効かとの問いに対し。氏は「植物による短期の除染を期待してはならない」と答えた。その根拠は以下の通りである。

2011-08-06 22:11:22
中熊 弘隆 @nakaguma3

報告㉖ 植物が土壌から吸収するセシウムは、水溶性のものに限られる。つまり、土壌中の酸と反応してイオン化したセシウムのみが吸収されるのだ。その比率は僅かに全体の1%に過ぎない。つまり、どんなにセシウムを吸収しやすい作物を植えても、99%は土壌に残ることになる。

2011-08-06 22:11:51
中熊 弘隆 @nakaguma3

報告㉗ ヒマワリが有効であるというデータは、実験室の水耕栽培から得られたものであるようだ。初めから水溶性セシウムを大量に混ぜた溶液で栽培し、ヒマワリがそれを吸収する様子をデータとしているのだ。しかし、実際のフィールドではそうならないことをウクライナでの各種実験データが示している。

2011-08-06 22:12:05
中熊 弘隆 @nakaguma3

報告㉘ また、ヒマワリは木質が多く、バイオガス資材としても利用価値が低い。このブームは今年限りに終わるだろうというのが、氏の見方だ。では、汚染された田畑を今後どうすればよいのか?30㎞圏内では作付けが自粛されており、表面をいじっていない限り表土を数㎝剥ぐだけで除染の効果は得られる

2011-08-06 22:12:31
中熊 弘隆 @nakaguma3

報告㉙ しかし、そこで出た汚染残土の処理が次の問題となる。学校や保育園の校庭から出る量とは比較にならない大量の汚染土をどう処理するか?東電の敷地にぶちまけるとしてもその量はたかが知れている。河田氏を初め、チェル救スタッフの多くはウクライナ方式の早期導入を検討すべきだと考えている。

2011-08-06 22:12:49
中熊 弘隆 @nakaguma3

報告㉚ 現在、チェル救がウクライナで進めている「菜の花プロジェクト」は、5年前から始まった。当初土壌の除染を主目的にし、そこで収穫した菜種からバイオディーゼル燃料を、油粕と根や茎等のバイオマスからメタンガスを製造し、土壌の除染と土地の有効活用に道を開こうとするものだった。

2011-08-06 22:13:05
中熊 弘隆 @nakaguma3

報告㉛ しかし、この間の試験栽培と土壌調査によるデータから得られた結論は、既に述べたように、土壌中に溶け出している水溶性セシウムは全体の僅か1%に過ぎないという事実だった。つまり、植物による土壌の除染にはあまり期待が持てない。しかし、汚染耕地の有効活用という道は生きている。

2011-08-06 22:13:17
中熊 弘隆 @nakaguma3

報告㉜ ウクライナ政府は、事故後20年の歳月を経て、ようやくチェル救の助言を受け入れ、国家予算をつけ、大規模プロジェクトに組み入れた。「汚染された耕地を汚染されたままの状態で有効活用する」。エネルギーの自給、雇用対策、地域経済の復興等、期待される経済効果は様々である。

2011-08-06 22:13:36
中熊 弘隆 @nakaguma3

報告㉝ ところで、「土壌中に溶け出す水溶性セシウムは全体の僅か1%」というデータは、我々に別のヒントを与えてくれる。つまり、農作物を通じて引き起こされる内部被曝を考えるとき、我々が注目すべきは、土壌中に存在する放射性セシウムの1%で足りると言うことだ。

2011-08-06 22:13:51
中熊 弘隆 @nakaguma3

報告㉞ ウクライナでは既に次のような面白いデータも出てきている。1年目に菜種を植えた土壌(日本と同じ酸性)に、2年目にセシウムを吸収しやすい作物を植えても作物からはセシウムは全く検出されなかった。再びセシウムが溶け出すには、2年近くがかかるのだ。つまり輪作が可能となる。

2011-08-06 22:14:05
中熊 弘隆 @nakaguma3

報告㉟ とまれ、当日の農家の方との議論の中では、そこまで話を進めることはできようもなく、思いは当分の間、チェル救スタッフの胸の内にあるのみだろう。南相馬市民は地震と津波、そして放射能汚染という三重苦の現実を未だ受け容れ難く、苦悩の日々が続いている。仕方がないことなのだ。

2011-08-06 22:14:22
中熊 弘隆 @nakaguma3

報告㊱ 我々は、機が熟するのを待つしかない。しかし、そう遠くない将来、南相馬市民は現実を受け容れざるを得ない時がくる。それが「諦め」としての受け入れではなく、前進のためのステップとなるよう、僕らは側面援助を続けねばならないと心底思う一日だった。終わり

2011-08-06 22:14:48
中熊 弘隆 @nakaguma3

行政の意識の中にはそれが強くあると思う。でも、、南相馬の汚染の状況は、「なんとかなりそう」と思わせる材料がいたるところにあると僕は思うのだけど。RT@hamajaya プルトニウムによる汚染の疑惑もあるのに「除染すれば大丈夫」「戻って住めるよ♪」的な動きが一部で急激に高まって

2011-08-07 00:27:09
前へ 1 ・・ 4 5 次へ