差別問題に対して「「差別禁止」はしない、「理解増進を目指す」という日本政府の対策の問題点

差別問題に対して日本政府は「「差別禁止」はしない、「理解増進を目指す」という対策案を打ち出しています この「差別禁止」をせず「理解増進」を進める政策の問題点の話です
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KAMEI Nobutaka @jinrui_nikki

「差別禁止」はしない、「理解増進」をする、という論理の背景には何があるか。簡潔に説明できます。 「差別禁止」は、多数派の権限を制約します。 一方の「理解増進」は、多数派の権限を温存し、少数派をどのように扱うかの生殺与奪権を多数派に与え続ける立場です。 この違いを見失ってはなりません

2021-06-13 23:31:53
KAMEI Nobutaka @jinrui_nikki

個人を守るための差別根絶の方策を、多数派の理解と判断に委ねてはならない、普遍的な理念による上位下達の禁止法・制度によるしかない、というのは、私の限られた経験で得られた貴重な教訓のひとつです。 理解増進はないよりもあった方がよいですが、それに委ねる手口はきわめて危うい、と考えます

2021-06-13 23:34:41
KAMEI Nobutaka @jinrui_nikki

組織の中で、社会の中で。時には火の粉を浴びながら私が実践してきた、個々人の権利を守る行動に対して。 冷淡だった人たちが、法制化が整ったとたんに手のひらを返し、理解者の装いを始めた事例など、枚挙にいとまがありません。 禁止法の後に理解がついてくるのですよ、通常は。その逆ではありません

2021-06-13 23:50:40
KAMEI Nobutaka @jinrui_nikki

差別禁止法がないと、何が起こるかというと。 「まあこういうことはよくないだろうし、避けたいとは思うけれど、うちには金がないし、人手が足りないし、態勢も整っていないので、いずれ今後の課題として…」みたいな言い訳が横行して、結局何も変わらないからです。 差別の撤廃が優先事項になりません

2021-06-14 00:47:21
KAMEI Nobutaka @jinrui_nikki

各種法制において差別が禁止されている分野においても、実態として守られておらず、政府省庁自体が雇用者数を粉飾するような事態が横行しているという現実にあって。 「差別禁止」を先送りにし、「理解増進」に置き換えるということが、いかに「やる気がないか」の様を如実に物語っていると言えます

2021-06-14 00:53:29
KAMEI Nobutaka @jinrui_nikki

公権力が、「差別禁止」ではなく、「理解増進」というレベルに留め置くということは、それゆえに、少数派当事者による啓発努力、説得の義務を強化することになりはしないかと危惧します。 無条件に守られるべき個人の権利が、多数派の理解の程度によって左右される状況をあえて作っているわけですから

2021-06-14 01:50:11
KAMEI Nobutaka @jinrui_nikki

差別とは、膨大な時間の無駄のことである。 という趣旨のことばを述べた先人がいるのですけど。 「理解増進」などという姿勢で、少数派当事者に今後とも膨大な時間の無駄をさせるよりも。 明快に差別を禁止して、時間の無駄をなくすこと。それこそ立法と行政の仕事ではないでしょうか、と私は思います

2021-06-14 01:57:40
KAMEI Nobutaka @jinrui_nikki

この種の議論で、「『差別禁止』は強すぎる」とか「『理解増進』では踏み込みが足りない」のように、量的な強さ弱さの問題と受け止めるのは誤っています。量的な違いではありません。 多数派から他者承認の独占的な権限を奪い、少数派当事者に自己決定の権限を与えるという、権利の付け替えの問題です twitter.com/jinrui_nikki/s…

2021-06-14 22:01:05
KAMEI Nobutaka @jinrui_nikki

奴隷制が横行していた時代にあって、「理解あるよい奴隷所有者になりましょう」などとキャンペーンを張っても、意味がないわけです。 「何人たりとも、人間に対して所有権を設定することなどできない」と、奴隷所有権を完全に否定しない限り、奴隷とされた人たちの権利は守られません。ということです

2021-06-14 22:07:20
KAMEI Nobutaka @jinrui_nikki

報道で見聞するところによると、「裁判が乱立する」などという理由で、関連する議論を押し留めようとする議員たちがいるとかです。 裁判を起こす権利を頑なに認めようとしない、少数派当事者が権利の主体として立ち現れることを絶対に阻止したいという思想が、ありありと現れているではありませんか

2021-06-14 22:12:06