- Mushi_Kurotowa
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p140「食品をすべて店で買っている人にとって、直接生産型のフードエンタイトルメントがどのように構成されているか理解することは難しい」ほんとこれ。 都市生活者の直感と常識による「慈善」が失敗しがちで専門家によるリサーチが必要な理由がここ。
2021-06-19 19:33:07p141「最貧層にとって食品を売ることによる収入向上が重要」 効率アップと食品物価の下落ではなくて、徐々に価格が安定的に上昇することが望ましい。そうそう。「安くなったら買う」という購買層ではなくて「高くても買ってくれる」層を開拓しないといけないのはこのため。昆虫は安くならない方が良い
2021-06-19 19:38:13p143「都会の消費者が食品を定価で買うことに疑問を持たない」これは都会のいいところ。都会のいい消費者に届いて欲しい。
2021-06-19 19:40:15「多くの消費財と異なり、食品の需要には上限がある。(中略)上限に達すると、農家はどれだけ価格を下げても買い手を見つけることができない」これは既存の市場が飽和した作物よりも、新しいローカルな食材を開発すべき根拠にならないか。不安定で季節性の産物を技術で安定化させる。
2021-06-19 19:43:31功利主義によるトレッドミル効果(生産性向上に乗り遅れた事業者が脱落すること)の正当化によると、それは業界全体の向上であり、社会全体が得た恩恵は少数の脱落者の不利益より大きい。p146。 フードテックでも言われがち。トリクルダウン的発想で、直接生産のエンタイトルメントをカバーできない。
2021-06-19 19:47:44ヘンリーシューいいな。「最も優先されるべき自由はフードエンタイトルメントで、食料を得る権利をすべての人が確保されるまで、言論の自由や集会の自由でさえも、社会的資源を投入してまで確保される必要はない」極端だけど美しい極論だ。
2021-06-19 19:51:19「なぜ農家は道徳的に重要なのか」いい問いかけ。p147
2021-06-19 19:52:28p147「貧困であったり、飢えている者としては考慮に値するが、小規模農家は農民としての特別な考慮に値しない、と結論づけることはできるが、、、」この辺り悩ましくてよい。「効率的に生産された栄養」を田舎まで慈善で配布して「食糧安全保障」なのか。技術的に不可能なのと、道徳的にどうか。
2021-06-19 19:58:15p149「センの人間開発の理論では、富よりケイパビリティを重視」 これは大事だし実効性を現場で持たせやすい。
2021-06-19 19:59:35「センがケイパビリティと機能性を区別する理由は、手段が限られた人でも、他の多くの需要と欲求の中からどれを実現するか選択したいと願う。場合によっては教育機会や医療すら進んで切り捨てる」 ほんとこれ。栄養が足りないことを問題と思わない問題はケイパビリティがある層でも機能に達しない。
2021-06-19 21:09:48昆虫が栄養としてファンクションを得ている状態の地域において、ケイパビリティの増大はファンクションへ直結する可能性を高める。と言えそう。文化の理解が重要なのはここ。文化がないのにケイパビリティ増大しても、「売るけど栄養が変わらない」という問題へとつながりがち。
2021-06-19 21:11:25「デイビットクロッカーは行為主体性(エージェンシー)の重要性を強調。 」これもすごいな。現場が分かっててかつ機能性を狙えて、かつ深く考えられる天才はどの分野にもいる。p149
2021-06-19 21:12:57「貧困者を貧困者であること以上の理解が必要、(中略)手短に言えば、農家として認識することである」p150 「農民は社会的名声がなく、離農することが社会の階段を上ることとみなされる」納得ばかり。
2021-06-19 21:16:55「ジェファーソン(アメリカ第三代大統領)は、経済的行為主体性が高い集団の方が民主的な方法で政治的行為主体性を実現する可能性が高い、と言う仮説。」うーん。これはラオスには当てはまらなさそう。 政治的ではあるけれど、民主的ではあんまりない。
2021-06-19 21:20:57p156「食料生産者は、開発倫理の構図からほとんど消されている お。核心きたぞ。 「工業社会の人々が食料生産の具体的な経験から切り離されていることにその一因があるに違いない」 ほんとマジ。工業社会の市民向けに「ウケる」モノを作っても土地で実効性がない。
2021-06-19 21:24:07「私たちは、ペンの一振りで食糧生産者と食料消費者の間の緊張関係を解消するという、壮大なアイデアを疑うべきである」 首がもげるほど頷く。
2021-06-19 21:25:40「富裕層による援助を要求し、ケイパビリティの一般化された解釈(所得に基づくケイパビリティ一辺倒による支援)を行い、新自由主義の全面的な批判をする哲学的議論は、食農倫理学の根本的な問題を解決していない」 ホントそれ。最近の資本論のアレもこれも、SDGsも、SDGs批判も似たり寄ったり。
2021-06-19 21:29:39p157「家畜福祉と食肉生産の倫理」お。これは昆虫を当てはめやすい。 ベジタリアニズムって、インドの宗教的ベジタリアンから輸入されたものなのね。宗教的生命観をウォッシュするあたりがちょっと文化の盗用の気配がする。読み進める。
2021-06-19 21:31:47ブランベル委員会の「すべての食用動物について行われるべき配慮」 1、飢えと渇きからの解放 2、不快感からの解放 3、痛み怪我病気からの解放 4、種として通常の行動を表現する自由 5、恐れや苦痛からの解放 殺虫剤式農法は虫を殺して農地に漉き込んでいるけどどれも配慮されてないな。
2021-06-19 21:34:58トムレーガンの主張、これ怪しいな。 「人間と同様に、多くの動物(もちろん、全ての脊椎動物)は生命の主体である」 もともとのインドのベジタリアニズムに当然のように脊椎動物を特別視する概念があったかどうか。宗教をウォッシュしてないか。
2021-06-19 21:45:00昆虫に対する動物福祉はほとんど検討されてないけれど、現行の食肉、ベジタリアニズムの両者とも「昆虫の苦痛はないか配慮するにしても小さい」と解釈するしかない方向に「改良」されていないか。
2021-06-19 21:47:16家畜の動物倫理(生まれてこない方が良かった。苦痛より死に絶える方が良い)と反出生主義との関連性ってだれかやってたっけ。調べてみよう。
2021-06-19 21:48:58「動物福祉を向上させる責任は業界全体に(たぶん累進的に)分散させなくてはいけない」
2021-06-19 21:55:46「学術的哲学の住民は、人間が人間以外の動物について、それらが置かれている状況を知らずに、自分たちの提案が実行された時に何が起きるのか理解しないままもったいぶった話をする」すごいキレキレだ。
2021-06-19 21:59:43「今日、世間で広まっている倫理的菜食主義に対する賛成論は、食生活が持つ見えない多くのつながりを無視した簡略化と一般化を伴っている。ときにこの無視は軽蔑にまで達する」 p190 すごい章だ。たのしい。
2021-06-19 22:02:51