ナコ @nakotic の #twnovel 全部

ナコ@文学フリマ東京Q-01 @nakotic

#twnovel 青年は帰ってきました。日に焼けて、少し怪我をして、小さな瓶を持って。瓶の中のきらきらする水を飲むと、さかなねこは猫と魚に分かれます。「にゃあ」猫を少し魚を齧って、すぐに止めました。魚は水槽に入れられました。そして青年の家で、猫と魚は仲良く暮らしたということです。

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うそみたいなバニラって、ほんとうにバニラなのかな？バニラエッセンスが入っているからバニラなの？バニラエッセンスってなに？バニラの、本質？って言いながらミルクバーを食べてるきみ。ボーナスが出たら、ハーゲンダッツ食べような。冬は。こたつで。なんと一人三個までだ。 #twnovel

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#twnovel さかなねこ。後肢が魚になった猫。魔女の夕食を盗み食いして呪われたという。水が嫌いだけど乾くと辛いし、いい匂いなのに齧ると痛い。とてもかわいそう。「また魚部分かじっちゃったにゃあ。いたいにゃあ。でもいい匂いにゃあ」と泣く猫のために、青年が魔法の薬を探す旅に出た。

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#twnovel 気持ち悪い。あんな手が俺を触るのが気持ちが悪い。あんな唇から出るあんな声が、あんなことを言うのが気持ち悪い。あんなことをした指で俺に触れるのが気持ち悪い。あんなところがあんなふうになってあんなことをするのが気持ち悪い。気持ち悪いのが気持ちいいのが、気持ち悪い。

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空を飛ぶ夢。聖域の周縁。サブカルチャー。仲間募集。思想と情報の統制。放送協会へ。シルバーマンの部屋。擬似的な自由。壁飛び、壁登り。地に足がついていないということ。トタンの上から見る夜景。客人。自律的でなければ飛べない。　#twnovel

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#twnovel 数多流れる星たちのなかから、一つを選んで願うように。きらめく文字と物語の中から、ひときわの輝きをすくいだして。文字たちの流星群を、貴方に。願わくば、星の落ちた海や草原に、未訪のうつくしい王国があらんことを。#bunfree U-20 Stardustrain

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#twnovel 「不可能なんてない、と貴方も思ってますよね」深夜の部室。「不可能というラベルを貼った瞬間に『不可能』になる。それだけだ」不規則なタイプ音が響く。「なら、やるのみです」「ああ」窓の外、東の空が白む。「少数精鋭の強さ、見せつけてやりましょう」「見せつけるまでもない」

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救済されなかったマリア・マグダレナの物語 。グノーシス。 腐敗した物質世界に囚われた、救われない魂たち 。壇上で殺される日を待つ生贄 。生贄になれなかった執行者た。月も星もない夜 。彼らは真理に到達することはおろか、その存在を感知することさえ許されていない 。 #twnovel

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「副部長は、どこで洋服買ってるんだ？」珍しくしょげた様子で部長が尋ねる。「おれは古着とか、ＧＡＰも好きですけど」副部長は部長を一瞥した。「部長には無印をお勧めします」「…？」「服の色が限定されているので、適当に買っても色合いでセンス崩壊しませんから、あそこなら」 #twnovel

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「うちのご主人、一緒に寝るのはいいんだけど、よだれべたべたで参るんだよね」「うちなんかパジャマの中に入れられるから息苦しいんですけど」「おれ、今度長期出張でインドに一緒に行くらしくてさ、カレーの匂いが染みついたらまじでカレー臭じゃね？」そんなぬいぐるみ飲酒会。 #twnovel

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#twnovel でも、それでも、裏切られてもいいとさえ思うからこそ、魂を削って、感情に火をつけて、恋をするんだろう。私は。確かに私にとってあれはたしかに恋であったし、まばたきもせずにその恋の終焉を見届けたつもりだ。

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概念で殴り合う…！ #twnovel

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#twnovel 「おれはプラスのチェッカーですから」「何だそれは」「‘よかった探し’をしたいんですよ」「理想主義だな、副部長は」「理想は体現されるためにあるんです」唇を引き締めた横顔は、微笑んでいるようにも見えた。 @iori8250

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#twnovel　「副部長…」「マイコンピュータからＵＳＢデバイスをダブルクリック、もう一度ダブルクリックしてファイル選択、開いたら左上のメニューから印刷、です」「いや、ワープロのコードが…」「ポメラのケーブルなら、ＰＣに差しっぱなしですよ」「そうか」

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#twnovel 「生まれ育った町のほかに、大好きな町があって。生まれ育った国のほかに、大好きな国があって。そういうところに行くと、生まれる前に住んでたような気がする」「うん、私にとって、地球って、そういうところだよ」

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#twnovel 陽光が前髪に反射する。同じ色だ、と思った。彼は顎に掛けた指で、そのまま頬を撫でる。反射的に閉じた、瞼の縁も。「そんな顔、ずるいです」目を開くと、困ったような声とは裏腹に、見たこともない表情で微笑んでいる。「ずるい」陽の光のような、微笑。

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軽薄、軽誂、最軽量　#twnovel

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#twnovel　「全部、違うのか？」副部長の机を見て、訝しげに部長が問う。「携帯とＰＳＰとＰＣとポメラとスマフォとwi-fiです」一つずつ説明されても、首を傾げて黙っている。「ワープロ…」「ポメラです」腑に落ちない表情で、部長はポメラの天板を撫でる。

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「わたしのこと、かわいいって言ってくれたから。わたしの写真を撮りたいって、言ってくれたから。わたしを、抱いてくれたから」彼女は微笑む。他の表情を知らないから。彼女の手は差し出される。その指先を掴んでくれることを、求めて。だから、誰か、彼女のことを、貰ってあげて。 #twnovel

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無責任、無節操、無恥　#twnovel

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#twnovel 「馬鹿は死んでも治らないとはよく言ったものだな！」「死ななきゃ治らない、の間違いでは」「副部長はああいう人間が生まれ変わった程度で賢くなると思うか？」「全然」「だろう？」「むしろ、前世でどんな善行を積んで人間に生まれてきたのかが知りたいです」「…それはひどいな」

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#twnovel 部長、とだけ登録してある。単に最初に登録した時から変更していないのだ。「副部長？」向こうも多分、同じだろう。「ひまかー？」「暇ですよ」電話を片手に、鍵、財布、文庫本、煙草を拾う。ＰＣを落とす。「ガード下です？」「おでん食ってる。早く来い」これからも、きっと。

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#twnovel 「部長も寝言で桃太郎侍の決め科白言ってましたよ」「…夢で戦ってた気がする」「何と？」「…己自身の影」「顔洗ってきたらどうです？目が覚めますよ？軽音部みたいなこと言わないでください」数分後。「あの、部長が物凄い形相で顔洗ってたんだけど…」「言い過ぎたかなー…」

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#twnovel「可愛いが正義だ？そんなのは詭弁と言うか、攻撃されにくいための擬態にすぎんだろう」「全くです。真の正義などというものがもし存在するのであれば、それは人知れず、武骨で、つよいものであるとおれも思います」「…部長と副部長は、今度はどこと喧嘩するんです？」「「諜報部」」

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#twnovel 「ウナギイヌが鰻と犬の混血であるなら！おはよウナギは、挨拶と魚類の、概念と生物との融合だとでも言うんですか！挨拶という概念が実体化するとステッキとシルクハットに！？」「…副部長の寝言は明瞭過ぎて気持ち悪いな」「びっくりしますねー」