@naoki_ma (松沢直樹)氏、「終戦記念日に、祖父のことを偲び、接点のあったコルベ司祭の生涯を追うと、今の時代の危うさが見えてくる」。
- ujikenorio
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「大変でしたね。お持ちください。やさーしか顔のしてっさい、人の好過ぎるにもほどのあろうもんて言うくらいの気がしたと。ばってん、その特高の人は、じいちゃんが渡した芋の入った袋を押しいただいて、がたがたがたがた震えて受け取ったと。そして声を殺して泣いとんしゃった」
2011-08-15 16:18:20「うちは、じいちゃんを特高から助け出したと思っとったと。ばってん違かった。じいちゃんは、拷問した特高の人よりも強かったと。マリア様が守ってくんしゃることば信じて、勝った強か男やった」
2011-08-15 16:21:05祖父が本当に強い人物だったかは孫としては疑問である。(医者きらいで、ドクターが注射などしようとしたら、逃げ帰ってくる人だったから)しかし、何かを信じて生き抜いてきたことは、よく理解できる。それは、信仰が支えになっているのだろうか。それだけで、そんなに強くなれるものだろうか。
2011-08-15 16:23:35さきほどRTした マキシミリアノ・マリア・コルベ司祭の生涯も、私には祖父と重なって見える部分がある。
2011-08-15 16:26:49マキシミリアノ・マリア・コルベ司祭(以下、コルベ司祭)は、1930年に長崎に来日した。日本語が堪能とは思えない来日3カ月目で、聖母の騎士という雑誌を創刊し、布教活動に努めた。
2011-08-15 16:28:06コルベ司祭が創刊した「聖母の騎士」は、キリスト教に関心がない人にも見やすい工夫がしてある。コルベ司祭は、編集者としても一流であった。現在なら、大手出版社の雑誌編集長を凌駕する編集者になったっだろう。ちなみに、ジャーナリストの守護聖人としても知られる人物である。
2011-08-15 16:29:54そのコルベ司祭は、帰国後、ナチスを批判したとして捕えられ、強制収容所に送られることになる。処刑が決まった囚人に代わって自分が餓死室に入り、他の囚人を励ましながら、最後はナチスの兵士に、毒物を注射されて殺害されてしまう。
2011-08-15 16:33:09自分に毒物を注射した人物を、コルベ司祭は赦しただろう。祖父は、生前のコルベ司祭と面談したことがあったらしい。もしそうならば、自分を拷問に合わせた特高警察の職員をなじらず、そっと食料を渡していたわったのは、コルベ司祭の言葉を通じて伝った信仰と、苦しい時代を生き抜く希望ではなかったか
2011-08-15 16:35:47私は、祖父やコルベ司祭のような強さは持てない。簡単にくじけてしまうし、苦しかったり、寂しければ、すぐに誰かにすがろうとする。行いも決して正しいことはしてこなかったし、不品行な行いの誘惑に勝てず、自分に心を寄せてくれた人を、何人も傷つけてきた。
2011-08-15 16:38:24反省はすれど、一生強くもなれそうもない。それでも生きることが神に命じられた使命なら、「体を少し強くしてほしい」「今まで心を寄せて下さった人に対して、取り返しのつかないほど傷つけてしまった人に幸運と癒しを与えてほしい」「書く意思をつまづかせないでほしい」
2011-08-15 16:40:208年越しで戦い続けた生活の問題の出口が見えた今、もし神がかなえてくれるなら、先に述べたことを祈りたい。疲弊の泥沼から抜け出た今は、自分を癒すことを考えてもよいのかもしれないが、先のことを強く願う。今は、かつて祖父やコルベ司祭が難を受けたに等しい時代だからだ。
2011-08-15 16:43:18体は心を支配する。泥のようにまとわりついた疲弊がまだ私を苦しめ、思考を後ろ向きにさせることが多々ある。正直、こんなに苦しいのなら、消えてしまいたいと思う日もある。それでも生きることを求められるなら、
2011-08-15 16:45:25肉体と心の疲弊から守っていただきたい。そのためには、最低限の経済的な収入が必要だということも理解できた(私はこのことについて、他の人が呆れるほど関心を持ってこなかった)。
2011-08-15 16:46:34生きる中では、誰かと触れあわなければならないし、時には自分が守護者とならなければならないこともある。それには、先に述べたことが重要になる。その上で、祖父やコルベ司祭が受難として乗り越えられた時代がこないよう、私の放つ言葉に力が宿るよう、祈ってほしい。
2011-08-15 16:48:05終戦記念日に、祖父のことを偲び、接点のあったコルベ司祭の生涯を追うと、今の時代の危うさが見えてくる。
2011-08-15 16:49:19我々は疲弊の中で、隣人や家族に関心が持てず、つないだ手を引き離そうとされていることに気づいていない。それは悪魔の計画である。今、あなたの大事な人の手を離してはいけない。あなたは愛した人に刃を振り下ろさなければならなくなる。逆に刃を向けられることにもなりうる。
2011-08-15 16:50:57我々は、紙幣が銃弾に使われないよう、紙幣の中に悪魔が潜まないよう、しっかり見つめなければならない。悪魔は、あなたの愛する人の代わりに、血のインクで刷られた偽物の紙幣を握らせようとする。その誘惑に気づいてほしい。
2011-08-15 16:52:34純粋なものの中に不純なものが混じっている。アディクションサルベージを諦めない理由はそれだけ。友達はバカが沢山。それでも彼らの防波堤として、時に混乱して恋に堕ちたり、憎んだりして生きてきた。ロックも音楽も映画も役者も皆、皮一枚の世界。だから生きもがく。大丈夫、知ってるよ。大丈夫。
2011-08-15 16:52:42そしてもし、愛する人の手を離そうとしているなら、しっかり握り返してほしい。かつての戦争の時代のような直接弾を撃ち合う受難は訪れないかもしれない。その代わり、気付きにくい方法で、戦争という災厄は私たちを躓かせようとするのは間違いない。
2011-08-15 16:56:47残念ながら、今その渦中にいることを、かつての戦争の歴史をひも解いて知ってほしい。第二次世界大戦は、経済問題が端緒となって、民間人だけで300万人以上の人が死に至ったと言われる。今はどうだろう。我々は隣人の死に慣れはじめていないか?
2011-08-15 16:58:57毎日、自死者が出る鉄道の駅。経済的問題で、離ればなれになる家族や恋人。そのことを見つめると、今はかつての戦争の時代に等しい時代にあると考えるべきだろう。
2011-08-15 17:00:43そして、もっとも大事なのは、実弾を撃ち合う戦争であれ、目に見えない弾を撃ち合う戦争であれ、大事な人を引き離すことだ。
2011-08-15 17:01:32あなたに大事な人がいるなら、大事にしているという言葉をあげてほしい。言葉は紙幣の代わりにはならない。だが、人の生き死にや、お互いのつながりを決めてしまう酸素のような存在である。
2011-08-15 17:02:58私は、心身の疲弊のあまり、大事な人に言葉をあげられず、握っている手を離してしまった。それでも命があるだけ有難いのだが、同じことは誰にも味わってほしくない。
2011-08-15 17:04:08