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microcosmos001
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Kyoko Nakanishi
@mmktn
@microcosmos001 拝聴しました。素晴らしいお仕事です。解説編と併せてお迎えします。ちょうど西脇順三郎で論文を書いていたところでした。 注も解説編も確かで翻訳史に残るプロジェクトを完結させるご苦労も並大抵のものではないと思いますが、じつに素敵です。憧れます。良いお話ありがとうございました。@Coici1
2021-08-22 00:10:29
Yoshi Suematsu
@Medieval_Ragbag
ダンテの描く大悪魔は「三つの顔を持ち、それぞれの口でユダやブルータスら裏切り者をかんでいる。６枚の翼で凍える風をおこし、周りの亡霊たちも氷で覆う。浮世の猛暑がつらい地元では『冷え冷えのルチーフェロで熱波なんて』とのぼやきも」（地獄篇、第34歌参照）
2021-08-22 09:14:00
Yoshi Suematsu
@Medieval_Ragbag
昨日の @microcosmos001 先生と、@coici 先生の対談で『カンタベリ物語』の枠構造についても触れていた。これに関しては、新共同訳の総序歌に付けられた杉藤久志先生の解説が大変興味深い（p. 4）、即ち『カンタベリ物語』を物語が出来ていく過程を見せる「メタ・フィクション」として見るという視点。
2021-08-22 11:16:20
Yoshi Suematsu
@Medieval_Ragbag
これまでも、この作品の枠構造とか、語りの技術、そして、複数の文学ジャンルの操作について、専門家が様々な解説をしてきたが、こうした点はすべて作品のメタ・フィクション的な構造としても議論できる。『カンタベリ物語』はその意味でシェイクスピアの『ハムレット』に似ている。
2021-08-22 11:18:14
Yoshi Suematsu
@Medieval_Ragbag
紙に書いてあって朗読されるように意図された作品だが、朗読というのは一種のパフォーマンス。『カンタベリ物語』を読むと、楽屋落ちを見せる演劇作品を見ているように物語が進んで行くのが分かる。そこでは詩人自身（分身）も登場人物のひとりで、上手く「語ること」に苦労したり、失敗したりする。
2021-08-22 11:21:52
Yoshi Suematsu
@Medieval_Ragbag
私が院生のころ既にアメリカ人の先生が言っていたが（しかし、その先生は賛成していなかったけれども）、『カンタベリ物語』は「物語を語ることに関する物語」と言える。
2021-08-22 11:26:04
Yoshi Suematsu
@Medieval_Ragbag
もう一つ、昨日の対談を聞いて考えたことを書いておこう。やはり杉藤久志先生が指摘しておられるように(p. 5)、『カンタベリ物語』はそれまでの英文学作品のアレゴリーを中心とした人物描写から、大きく具体的な人物描写へ、つまりリアリズム文学へと舵を切っている。
2021-08-22 11:29:27
Yoshi Suematsu
@Medieval_Ragbag
18世紀以来（小説の）読者は、私たちも含め、フィクションとしての名前を持つ人物に慣れきっているが、中世文学には、架空の人物を創造し、名前を与え、具体的に詳しく描写するという伝統は乏しかった。代わりにあったのは、アレゴリカルな人物で、「人類」とか「友情」とか言ったキャラクター。
2021-08-22 11:33:55
Yoshi Suematsu
@Medieval_Ragbag
それがダンテ、そしてチョーサー辺りから具体性がぐっと増してくる。チョーサーにはダンテの影響がかなりあるかもしれない（？）。ダンテは、自分が直接間接に知っていて既に他界した多くの人々を作品に書き込み、リアリズム的な表現に近づくが、しかし、描写は簡潔でリアリスティックとは言えない。
2021-08-22 11:37:59
Yoshi Suematsu
@Medieval_Ragbag
一方、チョーサーは、そういう現実に存在した／存在している人はほとんど描いてないが（他国に亡命したダンテと違い、名前を出すと政治的に危うい面もある？）、職業別に（例えば、粉屋とか、学僧とか）描くというテクニックを使い、人物描写は近代小説の人物のように大変リアリスティックにした。
2021-08-22 11:42:12
Yoshi Suematsu
@Medieval_Ragbag
とか何とか、チョーサーの専門家には、素人臭いわかりきったコメントと言われそうですね(^_^)。いずれにせよ、昨日のヒロ・ヒライ先生と狩野晃一先生の対談で色々考える機会をいただき、深謝。
2021-08-22 11:45:46
Yoshi Suematsu
@Medieval_Ragbag
追記。チョーサーが後世、中世文学を代表する作家となったのは、彼の息子を初めとするチョーサー家の政治力も影響するようだが、より大きな要因は、『カンタベリ物語』における彼のリアリスティックな人物描写にあるでしょうね。のちの読者からみると、「中世の小説」みたいに読めるから。
2021-08-22 11:51:03
Yoshi Suematsu
@Medieval_Ragbag
Protesters claim to ‘seize’ Edinburgh Castle citing Magna Carta theguardian.com/uk-news/2021/a…
2021-08-22 12:56:49
Yoshi Suematsu
@Medieval_Ragbag
An important new article for Chaucer scholars. twitter.com/ericweiskott/s…
2021-08-22 12:59:38
Yoshi Suematsu
@Medieval_Ragbag
Nancy Bradley Warren, 'Chaucer and Religious Controversies in the Medieval and Early Modern Eras' (Univ of Notre Dame Pr, 2019) undpress.nd.edu/9780268105822/…
2021-08-22 17:36:34
Yoshi Suematsu
@Medieval_Ragbag
チョーサーと、同時代における女性の信仰やロラード派について、そして近代におけるプロテスタント／カトリックとしてのチョーサー像の形成など、面白そうなトピックを扱っている。
2021-08-22 17:37:19
✨ ヒロ・ヒライ🐾 @ BHチャンネル
@microcosmos001
おかげさまで、視聴数がグングン伸びています！ 【話題】装丁、ヴォリューム感、多様な訳調、枠物語、ダンテとボッカチオ、ウェルギリウスとオウィディウス、解題、本文、注解、韻文と散文、必携としての解説編 【対談】チョーサー『カンタベリ物語』共同新訳版！！ youtu.be/LOS_3jeJIk8
2021-08-22 19:52:49