- hinger11316602
- 908
- 4
- 0
- 0
産業医/医学博士。ハーバード公衆衛生大院卒。米国企業7社で産業医実務トレーニング。嘱託産業医→米国産業医養成課程→専属産業医→コンサル事務所代表。新型コロナに関して呼吸器専門医、公衆衛生で日米学位、じん肺石綿外来担当、論文複数。職場の合理的配慮を研究、論文/学会/寄稿発表、シンポジウム、産業医単位専門研修講師複数。
コロナパンデミックで加速した科学や流体力学の知見から、従来の飛沫、空気感染(=airborne transmission)の定義の再考を行うべきとするレビュー(参考文献なんと206!)が、今朝のScience誌に。 はしかや結核など他の呼吸器系ウイルスの感染経路に関する従来の考え方の更新まで踏み込む、圧巻の内容 1/n pic.twitter.com/Cpn7rE1QSu
2021-08-27 16:54:03従来の飛沫感染、表面接触感染、空気感染の理解ではCOVID-19パンデミックで生じたスーパースプレッディングイベントや屋内外の違いを説明できない。これは適切な予防策がとられない事を意味する。 従来、空気感染とは、主に感染者から1~2m以上離れた場所で、 science.sciencemag.org/content/373/65… 2/n
2021-08-27 16:54:045μm以下のエアロゾルorその後水分が蒸発した「飛沫核」を吸い込むことと定義され、このような感染は「珍しい」疾患でのみ発生すると考えられてきたが、実はそうではない。 以上総論、以下各論ポイント 3/n pic.twitter.com/tYpdKeBjfE
2021-08-27 16:57:03・近く:飛沫+エアロゾル、遠く:エアロゾル(論文ではエアロゾル=airborne transmission=空気感染、飛沫核は考え自体が古典的でほぼ触れられず) ・流体力学に基づき100㎛で分けるべき ・100μmは(1.5mの高さから)静止した空気中に5秒以上浮遊し、感染者から1m以上離れて移動、吸入可能な最大粒子4/n
2021-08-27 17:22:27・モデリング研究では、感染者から2m以内でもエアロゾルの吸入が主であり、会話時に0.2m以内、咳嗽時に0.5m以内にいる場合のみ飛沫が優勢 ・すなわち、SARS-CoV-2で飛沫感染が支配的になるのは、個人同士が0.2m以内で会話している場合に限られ、飛沫感染のリスクははるかに低い 5/n pic.twitter.com/ajlmmH949C
2021-08-27 17:22:28・SARS-CoV-2は当初事項再生産数R0が少なく、飛沫もしくは表面接触による感染が主と考えられていた。というのも空気感染するウイルスは結核や麻疹のようにR0が高いと考えられていたから。これは根拠がなかった。 ・飛沫感染が主流であると考えられていた麻疹、インフル、RSVなど、多くの 6/n
2021-08-27 17:22:28呼吸器系ウイルスの空気感染を裏付ける確かな証拠がある。他にライノ,アデノ,エンテロ,SARS-CoV,MERS-CoV,SARS-CoV-2等、多くの呼吸器ウイルスが空気感染する ・A型インフルの家庭内感染では、空気感染が感染の約半分と推定 ・SARS-CoV-2は0.25-4μm以上のエアロゾルから感染性ウイルス回収された 7/n
2021-08-27 17:22:28・実験室での研究では、エアロゾル化したSARS-CoV-2の半減期は1-3時間程度 ・SARS-CoV-2の飛沫感染や接触感染の報告がない一方、エアロゾルが多くの呼吸器系ウイルスの感染に関与しているという証拠が増加しており、空気感染はこれまで認識されていたよりもはるかに発生していると認めざるを得ない 8/n
2021-08-27 17:22:29・エアロゾル感染が主であり、換気、気流、空気ろ過、紫外線消毒、マスクの装着などが特に重要 ・粒子径以外に、空気感染に影響与える要因は、粒子中のウイルス量、エアロゾル中のウイルス安定性、各ウイルス用量反応関係が挙げられる ・このため、平均ではその性質を捉えられない事がある 9/n pic.twitter.com/PMDdZ4LChn
2021-08-27 17:22:30・現に、SARS-CoV-2は、疫学調査で10-20%の感染者が感染者の80~90%に二次感染させる不均一性がある ・呼吸器系エアロゾルは、生成部位により、肺胞エアロゾル、気管支エアロゾル、気管支エアロゾル、喉頭エアロゾル、口腔エアロゾルに分類 ・気管支エアロゾルは、通常の呼吸時に形成される 10/n pic.twitter.com/3mcRY3efq3
2021-08-27 17:22:31・喉頭エアロゾルは、発声時の声帯の振動によって発生する ・100μm以上の飛沫は主に口腔内の唾液から生成される ・1890年代始まった呼吸器系エアロゾル研究では5μm未満のエアロゾルを検出できなかった ・それが1-2mの基準の理由となったが、これは間違いである 11/n
2021-08-27 17:22:32・スピーチでは、100μm以上の飛沫に対して、100倍-1000倍の100μm未満のエアロゾルが生成 ・子供は大人に比べてウイルスを含んだエアロゾルの発生が少ない ・いくつかの呼吸器系ウイルスを対象とした研究では、大きなエアロゾルよりも小さな(5μm未満)エアロゾルのほうがウイルスRNAが多かった 12/n
2021-08-27 17:22:32・静止した空気中では、5μmのエアロゾルが1.5mの高さから地面に沈むのに33分かかる ・1μmのエアロゾルは12時間以上空気中に浮遊 以上から、空気感染による感染をより理解する事で、効果的な感染対策がより明確になると示唆されると結論 。 めちゃくちゃ奥深い エアロゾル対策強化! これですね。 13/n pic.twitter.com/DgMvDLrqvV
2021-08-27 17:22:33エアロゾルってイメージしにくい 以上の論文では触れられてませんが、著者の一人(last author)Linsey Marr氏は 流体力学的に、たばこの煙をイメージすべきと言ってます。 2020年7月7日七夕の夜 とある大学関係者約60名に開催させていただいた研修スライド。おすすめ。 twitter.com/Hiroshi_Tsuji/… 14/n pic.twitter.com/F0aAqgslN1
2021-08-27 23:32:00慎重にインドアでのレストラン営業再開してるNY。どの程度ナーバスになるべきかというタイトルの今朝NYTimes記事。 新型コロナ飛沫の動態でよく参照されるバージニア工科大Linsey Marr教授が記事の中で推奨。エアロゾルはタバコの煙をイメージすべき、例えばあのパーテーションは防いでくれるかと。 twitter.com/linseymarr/sta…
2020-09-30 13:46:46以降は2020年9月30日のツイート
見えないエアロゾル(一般的に5μm未満をさす)の動態をイメージする方法として、タバコの煙に置き換えるのは非常に実践的ですし、ある程度専門家の間でも共通認識あると考えます。5月のScience誌でも同様の見解あり。分煙と歩きタバコ禁止が当たり前ではなかった世代は特にイメージし易いかと。 twitter.com/Hiroshi_Tsuji/…
2020-09-30 14:11:23これは知っといた方が良いと思ったのは、インフルエンザで証明されてるがエアロゾルと呼ばれる小さな飛沫内のウイルスの方が肺の奥に到達して重症化し易い可能性がある。2mの基準はなんと1930年代の研究で当時はエアロゾル捕らえれなかった。どれだけ広がるかはタバコの匂いをイメージすれば良い事。
2020-05-29 21:47:06慎重にインドアでのレストラン営業再開してるNY。どの程度ナーバスになるべきかというタイトルの今朝NYTimes記事。 新型コロナ飛沫の動態でよく参照されるバージニア工科大Linsey Marr教授が記事の中で推奨。エアロゾルはタバコの煙をイメージすべき、例えばあのパーテーションは防いでくれるかと。 twitter.com/linseymarr/sta…
2020-09-30 13:46:46New York Dining Is Moving Indoors. How Nervous Should You Be? nytimes.com/2020/09/29/din… ...partition? “I think that’s mostly theater,” Dr. Marr said. “Imagine the aerosols as cigarette smoke. Will that partition stop smoke?”
2020-09-30 03:28:45New York Dining Is Moving Indoors. How Nervous Should You Be? nytimes.com/2020/09/29/din… ...partition? “I think that’s mostly theater,” Dr. Marr said. “Imagine the aerosols as cigarette smoke. Will that partition stop smoke?”
2020-09-30 03:28:45