動画『マーガレット・サッチャー: イギリスを救った女』を訳してみた。

高市早苗さんが自民党総裁選への立候補を表明して話題になっています。高市さんが目指す政治家として名前をあげるマーガレット・サッチャーのミニ伝記動画です。解説は英国生まれの歴史学者、ニール・ファーガソン。
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tarafuku10 @tarafuku10

動画『マーガレット・サッチャー: イギリスを救った女』を訳してみた。高市早苗さんが総裁選への立候補を表明して話題になっています。高市さんが目指す政治家として名前を挙げるマーガレット・サッチャーのミニ伝記動画。解説は英国生まれの歴史学者、ニール・ファーガソン。 youtube.com/watch?v=XeBHDS… pic.twitter.com/BmGdNitsKk

2021-08-30 22:27:11
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今の世界をとんでもない状態だと思っているのなら、あなたは1970年代を知らない。私が育った英国では、その最悪の時期はシェイクスピアの『リチャード3世』の台詞を借りて「不満の冬」と呼ばれる。1975年のインフレ率は27%。電車は常に遅れた。公衆電話は常に壊れていた。何もまともに機能しなかった。 pic.twitter.com/YmqQmRsHpl

2021-08-30 22:29:04
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一番困ったのは、繰り返されるストライキだった。炭鉱労働者のストライキ。港湾労働者のストライキ。印刷業者のストライキ。ゴミ収集人のストライキ。墓堀人のストライキ。 もう元に戻ることはないと誰もが思った。そこに現れたのがマーガレット・サッチャーだった。 pic.twitter.com/5EQoXKujjU

2021-08-30 22:29:05
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首相としてダウニング街10番地に足を踏み入れた1979年5月から、退陣する1990年11月までの間に、彼女はすべてを変えた。 1925年10月13日に生まれたサッチャーは、思いがけない救世主だった。中産階級の家庭に育った子供時代に、彼女の将来を予測させるものは何もなかった。 pic.twitter.com/PMitBoW2dR

2021-08-30 22:29:06
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勤勉な学生だったサッチャーは、オックスフォード大学で化学を専攻した。卒業後は小さなプラスティック関連会社に入社するが、イギリスの巨大化学企業であるICIの入社試験には落ちている。人事部のレポートにはこう記されていた。「この女性は、頑固で、意固地で、危ういほど自説を曲げない」 pic.twitter.com/kKF81o5G5G

2021-08-30 22:29:07
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この3つの性質が必要となったのは、1950年に保守党候補として政治の世界に入ったときだ。何度かの失敗の後、1959年に遂に下院議員として初当選を果たす。それから20年かけて、彼女は地道に党内の序列を上っていった。 pic.twitter.com/x0YVEvNgGs

2021-08-30 22:29:08
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1975年には早くも労働党を描写する素敵な言い回しを思いついている。「労働党は社会主義者にはお馴染みの病気を患っている。他人の金を使い果たしたのだ」。 pic.twitter.com/GgREYxfjRw

2021-08-30 22:30:09
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これとは対照的なものとして記憶されるのは、彼女が言うところの「英国が受け継いできたもの」である。彼女によれば、それは 「意思に従って働き、自分の稼ぎを使い、財産を所有し、主人ではなく従者としての国を持つ、人としての権利」である。 pic.twitter.com/Vhta47z8EO

2021-08-30 22:30:10
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これがサッチャリズムの神髄であり、英国経済という患者が必要としていた強壮剤だった。最近の流行りは、1980年代にサッチャーの奇跡などなかったと主張することである。しかしこれは明らかに間違いであるだけでなく、大事な点を見逃している。 pic.twitter.com/mV4TDXH6xd

2021-08-30 22:30:11
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すなわち、サッチャリズムは生産性の向上や雇用の創出だけの問題ではない。インフレを退治し、中産階級に再び繁栄をもたらす取り戻すことも同じくらい重要だった。そしてそれは、力強く達成された。 pic.twitter.com/xif7R8sS7P

2021-08-30 22:30:12
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しかし、サッチャー政権を特徴付けたのは経済ではなく軍事の出来事だった。アルゼンチンとのフォークランド戦争により、サッチャーは勝どきをあげる戦う女王、新しいブリタニアとして人々の心に決定的に刻みこまれた。そしてそれはもちろん、1983年の総選挙における保守党の勝利を確実なものにした。 pic.twitter.com/ZlhOIGG6bq

2021-08-30 22:30:13
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イギリス海軍特別部隊を南大西洋に送るにあたっては、多大な政治的勇気を要したことは疑いようがない。党の同僚の多くは交渉による解決を要求した。しかし、サッチャーは折れなかった。帝国の時代を懐かしく思っていたからではない。彼女にとって、侵略は道徳的にも法的にも間違ったことだったからだ。 pic.twitter.com/h9YKP6g3oU

2021-08-30 22:31:26
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ソ連の雑誌は理由もなしにサッチャーに「鉄の女」というニックネームを付けたりはしない。思想的同志ともいえるロナルド・レーガン米国大統領とともにソ連に対抗することにためらいはなかった。 pic.twitter.com/6Xh3DkfZsR

2021-08-30 22:31:27
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ソ連が中距離核ミサイルを東ヨーロッパに展開したとき、サッチャーは強硬な反対をものともせず、アメリカの巡航ミサイルとパーシング・ミサイルを西ヨーロッパに配備するというレーガンのとった対抗手段を全面的に支持した。 pic.twitter.com/arOAeVvGLs

2021-08-30 22:31:28
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彼女の反対者たちは今でも認めがたいだろうが、サッチャーはほぼすべてについて正しかった。英国の労働組合は力を持ちすぎていると考えた彼女は正しかった。非効率的な国有企業を民営化しなければならないと考えた彼女は正しかった。そして、西側は冷たい戦争に勝利できると考えた彼女は正しかった。 pic.twitter.com/jggUQzEcx0

2021-08-30 22:31:29
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1979年、彼女はBBCのインタビューでこう語っている。「イギリスが衰退していくのは我慢ならない。どうしても我慢できないのだ」。私たちだってそうだった。1970年代を通して、その衰退は止めようがないように見えた。 pic.twitter.com/WR0BIGTtWe

2021-08-30 22:31:29
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しかし、マーガレット・サッチャーが凋落を止めた。インフレと産業不安という経済の病を治した。財産所有デモクラシーの概念を蘇らせた。そして、原則に基づいた勇敢な外交政策によって、世界におけるイギリスの地位を取り戻した。 pic.twitter.com/4t8gPJ4wbE

2021-08-30 22:32:00
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彼女を支持した私たちは、歴史の勝者の側にいたことを誇りに思う権利があるだろう。しかし、私たちが演じたのは脇役にすぎないことを謙虚に受け止めるべきだ。彼女は指導者だった。それは、ときにはたったひとりの人間が歴史の流れを変えられることの証明である。 pic.twitter.com/o59HB1vbCb

2021-08-30 22:32:53
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マーガレット・サッチャーはそれを間違いなく良い方向へと変えた。 スタンフォード大学フーヴァー・インスティチュートのフェローのニール・ファーガソンでした。(了) 注: The Falklands War は原文がWarなので「紛争」ではなく「戦争」と訳しました。 英文スクリプト: ↓ prageru.com/video/margaret…

2021-08-30 22:32:53
リンク www.prageru.com Margaret Thatcher: The Woman Who Saved Great Britain | PragerU You’ve heard her name. You might even have seen a film about her. But do you know the whole story of Margaret Thatcher – where she came from, what she stood… 2127