コルベットが語る大西洋戦争

@flowerclass 氏による第二次世界大戦・大西洋における通商保護戦についてのメモ書き。イギリス海軍のほかカナダ海軍などについても。護送船団の編制、ヘッジホッグやHF-DFはそんなに早く活用されなかった等々。 イギリスの対潜前投兵器についての派生解説は http://togetter.com/li/178876
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こんぱすろーず @flowerclass

まずヘッジホッグの設計段階における想定成功率が25%だったということを考えなきゃならない。想定の4分の1程度の効率しか発揮できていなかった。

2011-08-21 11:52:01
こんぱすろーず @flowerclass

そして爆雷とは母数が違う。43年上半期爆雷攻撃の回数が554回に対してヘッジホッグ攻撃の回数たったの53回、下半期は爆雷攻撃401回に対して49回のみ。ヘッジホッグの生産が軌道に乗ってから丸1年が経過しており、少なく見積もっても半数近い対潜艦艇に装備されているはずなのに…。

2011-08-21 11:55:36
こんぱすろーず @flowerclass

要は大半の指揮官が従来どおり爆雷をメインに使用しており、ヘッジホッグはたまーにしか使われていなかったということ。この後、イギリス海軍は問題点を洗い出して指揮官に対するレクチャーを増やし、やっと1944年後半になって35.1%という想定以上の成功率を叩き出すことができた。

2011-08-21 12:02:43
こんぱすろーず @flowerclass

参照元:"Seek & Strike -Sonar,anti-submarine warfare and the Royal Navy 1914-54" W.Hackmann.1984

2011-08-21 12:08:09
こんぱすろーず @flowerclass

おう、午前中、1943年の段階でヘッジホッグを装備していた対潜艦艇が「少なく見積もっても半数」といったけど1943年6月における正確な数字が見つかったので載せておこう。

2011-08-21 19:47:18
こんぱすろーず @flowerclass

1943年6月の時点でヘッジホッグ装備済みの艦数。リバー級フリゲートは60隻中40隻、フラワー級コルベットは120隻中70隻、ブラックスワン級スループは30隻中2隻、A-I級駆逐艦は30隻中14隻。うん、ほぼ半数ですね。

2011-08-21 19:51:42
こんぱすろーず @flowerclass

参照元:"British Destroyers & Frigates -Second World War and After-" Norman Friedman, 2006

2011-08-21 19:55:39
ぜいく🌙🔨 @zeiqu

@flowerclass 成功率ってどういう意味の数字なんですかね?命中率?

2011-08-21 11:56:43
こんぱすろーず @flowerclass

@zeiqu 潜水艦相手ですから命中したかどうかははっきりしないので、「攻撃が有効だったと認められる割合」だと思います。

2011-08-21 11:58:43
ぜいく🌙🔨 @zeiqu

そもそもヘッジホッグって最初の探知でソナーの邪魔にならず撃沈出来たらいいなーって兵器で、撃った後は普通の爆雷戦に移るしね。

2011-08-21 12:00:07
ぜいく🌙🔨 @zeiqu

ヘッジホッグは最初にぶっ放すだけで潜水艦を追い詰めるのは爆雷ですから。

2011-08-21 12:02:31
えいち・えむ・えす・ゆりしーず @hms_ulysses

Chirchill's Navyだと爆雷の初期(1943年第2四半期)の命中率が7%、メンテナンスと使用手順の改善で37%に改善されたって書いてあるな。若干異なるものの @flowerclass さんの資料と大差はないなー

2011-08-21 23:43:52
夜想亭@C102欠 @yasoutei

@flowerclass 新兵器が投入されても、用兵の意識が変わらないと意味が無いということですか。そういや、ソナーは敵潜に接近しすぎると探知不能になるデメリットがあるので、その辺も最初は影響してたんでしょうか?

2011-08-21 12:11:03
こんぱすろーず @flowerclass

@yasoutei 要因は複合的ですが、用兵側が拒否したというよりも開発側の説明が足りなかったので、用兵側がどう使っていいのか困惑していた、というほうがあってます。それと改修がやっつけ仕事で正しく作動しないことがあったり、メンテのマニュアルもないので肝心なときに故障したり…

2011-08-21 12:37:57
夜想亭@C102欠 @yasoutei

日本海軍があそこまで米潜にやられた理由って、前投型対潜兵器の欠如ではなく、レーダーの不備、傍受した無線の方向探知がろくにできなかったことなんだろうか。

2011-08-21 11:56:05
夜想亭@C102欠 @yasoutei

無線に関しては、日本は無線用の良質な水晶が入手できなかったのも理由のはず。いずれにせよ、米潜が群狼戦術の際に野放図に無線を使えたのは、大西洋のUボート戦様相が違いすぎて…。

2011-08-21 11:59:20
つむじ伯(混沌・善RX) @tsumuji_wind

@yasoutei 潜水艦の探知能力自体が不足していたような気もしますね……

2011-08-21 12:01:39
夜想亭@C102欠 @yasoutei

@tsumuji_wind 日本の場合、ソナーの性能もアクティブ、パッシヴ共にいまいちな上に積んでる艦が大戦後半になるまで少かったですから。あ、独のUボートが対艦レーダー積んで無かったという差も両戦線の差にはなりそうですが、他の陸上での無線傍受などがカバーしている分も。

2011-08-21 12:08:20