小説版の佐倉杏子について整理する

いろいろと反響を読んでいる『魔法少女まどか☆マギカ』の小説版。その中でも今回は、佐倉杏子について整理してみました。 まどかとほむら、そしてまどかの友達観についてはこちら:小説版魔法少女まどか☆マギカについて。(やりとりのまとめ);http://togetter.com/li/176084 まとめ 続きを読む
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遠野九重@『役立たず』7巻、9月8日(金)発売! @Six315

じゃあなんで杏子はさやかのために間違えていたのか。これもまたまどかの語る通り。(というか11章の追加シーン――”街を彷徨うまどか”は、作者がこの小説における各キャラクターの演出意図を語るためのものですね)

2011-08-21 00:25:19
遠野九重@『役立たず』7巻、9月8日(金)発売! @Six315

「そんな杏子ちゃんは――さやかちゃんの強さにあこがれて、希望を感じて」 だからこそ、さやかに尽くしていたんだよ、と。…ちなみにこの文言は11章で突然出てきたわけでなく、「あたしがなりたかったあたし」(下巻p133)「かっこよく否定してくれる存在」((下巻p134)と前フリはあった

2011-08-21 00:28:42
遠野九重@『役立たず』7巻、9月8日(金)発売! @Six315

P133もP134も小説版で追加されたセリフですな。このふたつと11章をあわせると、筆者がどういう意図をもって杏子を動かしていたかがよく見えるわけで。さやかにあこがれているがゆえに、さやかに尽くした少女。

2011-08-21 00:29:58
遠野九重@『役立たず』7巻、9月8日(金)発売! @Six315

ここまでいったことは下巻P116で一度、まとめて語られてる。「なれなかったあたしが、なるべきだったあたしがここにいる」「杏子ちゃんは、きっと――さやかちゃんのために間違えてあげたのでした」

2011-08-21 00:32:43
遠野九重@『役立たず』7巻、9月8日(金)発売! @Six315

よーするに小説版杏子は、TV版杏子セリフ……「最後に会いと勇気が勝つストーリー」に「憧れて魔法少女になったんだよね。すっかり忘れてたけど、さやかはそれを思い出させてくれた」をクローズアップしとるわけです。

2011-08-21 00:35:08
遠野九重@『役立たず』7巻、9月8日(金)発売! @Six315

じゃあ、TV版杏子にあって、小説版杏子にないものはなにかといえば、「さやかに自分の家族を重ねていた可能性」なわけです。 (そこは あまり閲覧をお勧めしません。小説版『魔法少女まどか☆マギカ』についてのあれやこれや。 http://t.co/L0a1jcs に詳しい)

2011-08-21 00:37:49
遠野九重@『役立たず』7巻、9月8日(金)発売! @Six315

小説版杏子は、家族のことをバッサリと切り捨ててしまっている。下巻P118P119を見てみよう。杏子がいつもものを食べている原因が説明されているけれど……それは、キュゥべえと契約に至るまでにあったとされている。家族の心中については言及されていない。

2011-08-21 00:40:47
遠野九重@『役立たず』7巻、9月8日(金)発売! @Six315

愛と勇気が勝つストーリーへの憧れが強調され、家族のトラウマが切り捨てられたのが小説版杏子なわけです。(で、なんで愛と勇気が勝つストーリーへの憧れが強調されたかと言えば、繰り返している通り「さやかのために間違えてあげた子」という風に位置づけたいから)

2011-08-21 00:43:09
遠野九重@『役立たず』7巻、9月8日(金)発売! @Six315

ここで面白い点があるのですよ。小説版杏子の解釈って、ちょうど、『おりこ☆マギカ』の杏子と対になる。こちらの杏子はむしろ、家族のトラウマに重点が置かれている。逆に、愛と勇気が勝つストーリーへの憧れは切り捨てられている。

2011-08-21 00:44:41
遠野九重@『役立たず』7巻、9月8日(金)発売! @Six315

小説版杏子と『おりマギ』杏子はちょうど、おぎないあう形になっている……んだけど、『おりマギ』杏子がそれほど批判されていない(胸のサイズのぞく)のに対し、小説版杏子が阿鼻叫喚になっているのは興味深いところ。

2011-08-21 00:47:33
遠野九重@『役立たず』7巻、9月8日(金)発売! @Six315

小説版杏子:愛と勇気が勝つストーリーへの憧れが強い;最後までさやかを救うことを諦めない。自爆も(ある意味で)さやかを救うため TV杏子:愛と勇気が勝つストーリーへの憧れと家族のトラウマの両方がある;小説版にくらべて、自爆には一種の諦めや自分の人生の締めくくりの意味が強くなってくる

2011-08-21 00:59:03
遠野九重@『役立たず』7巻、9月8日(金)発売! @Six315

『おりマギ』杏子:愛と勇気が勝つストーリーへのあこがれは低い。家族のトラウマが心の大部分を占めている;わりかし簡単に死を受け入れる

2011-08-21 00:59:40
@mikefooledfield

@Six315 個人的にはおりマギ杏子は諦めの早さだけがとにかく気になるんですよね

2011-08-21 00:48:34
遠野九重@『役立たず』7巻、9月8日(金)発売! @Six315

@mikefooledfield 四肢切断のときといい織莉子戦といい、わりかし簡単に諦めてますよね…… 今の自分だと「愛と勇気が勝つストーリーを完全に諦めてしまっているから(心の支えがポッキリ折れてしまっているから)」とか考えてしまいますねえ……

2011-08-21 00:57:00
堀川◆キョウ @Kyo_Horikawa

@Six315 おりこ杏子はさやかと絡みがないから「愛と勇気が勝つストーリーへのあこがれ」っていうものが再燃してないんだろうねー。おりこ杏子がオクタ戦したら、逆にソッコー真っ二つにして撃破してるんじゃないかな

2011-08-21 01:01:48
遠野九重@『役立たず』7巻、9月8日(金)発売! @Six315

『おりマギ』杏子がオクタ戦やってたとすると、たぶん、TV版よりも早いタイミングで自爆を選んでいた、かも。

2011-08-21 01:00:34
堀川◆キョウ @Kyo_Horikawa

オクタヴィアは杏子撃破という戦績は上げてるけど、それは「元さやか」なのが分かってて「まだ救えるかも」という勝利条件不明の戦いをしてるからで「一般人まどか」という足枷まで付いてるから杏子に勝ち目がないすぎたに過ぎないよね(確認

2011-08-21 01:05:10
遠野九重@『役立たず』7巻、9月8日(金)発売! @Six315

@Kyo_Horikawa あー、たしかにそうですね…… 「愛と勇気が勝つストーリーへのあこがれ」が再燃したら死亡フラグで「ひとはいつか死ぬよ」と言われたら生存フラグというのはまたあまのじゃくというかなんというかw

2011-08-21 01:06:41
@mikefooledfield

@Kyo_Horikawa @Six315 なるほどたしかに さやかがいないからああいう風になってるんですよね 重要なことすっぽかしてた なんだ さやかがいれば、って考えればおりこの杏子そんな違和感ないです

2011-08-21 01:09:04
堀川◆キョウ @Kyo_Horikawa

@Six315 「愛と勇気が勝つストーリーへのあこがれ」ってのを「夢を追い続ける茨の道」と捉えたら力及ばす倒れることもある、さやかはそれを全うした形だと思うし。いつか死ぬよ、ってのは杏子はよく分かっていて人の寿命のほかに魔女になるっていう「自然死」の形を受け入れたにすぎないのかも

2011-08-21 01:12:33
堀川◆キョウ @Kyo_Horikawa

魔法少女から魔女になった子と、使い魔が成長した魔女と、拾ったグリーフシードが孵った魔女で性能に違いがあるのかしらんけど。 メガほむの自作爆弾で撃破できるので杏子が何も考えずにオクタヴィアに対峙したら難なく勝てると思ってる

2011-08-21 01:07:48
堀川◆キョウ @Kyo_Horikawa

杏子がリビングデッド的なメンタルというか、家族が壊れた時点で生きる意味を失ってるんじゃないかってのは前から言ってるけど。で、死ぬ理由もないし力だけはあるからそれを使えるうちは使って、使えなくなったらそのまま朽ち果てようって考えてたんじゃないかなって<さやかに出会うまでは

2011-08-21 01:15:07
堀川◆キョウ @Kyo_Horikawa

だからさやかに出会ってないおりマギ杏子は簡単に自分の生を諦めるしTVではさやかという本来自分が持っていて諦めていた生きる意味を拾って守ろうとして死んだ

2011-08-21 01:16:37
遠野九重@『役立たず』7巻、9月8日(金)発売! @Six315

小説版は「さやか(=かっこよく自分を否定してくれる存在)に憧れてる子」って演出意図だしね…… だから杏子は演出上、自分を肯定してはいけない。

2011-08-21 01:23:37