旧日本陸軍の火砲に対する認識についてちまちまと + 日本陸軍の航空機運用についてのお話

これがどうしてあんなことに・・・というお話。
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錆猫 @Nyar_Horten

「今日では、何しろ大砲の射距離が馬鹿に延長して、中には二百里、三百里といふ遠方に飛ぶ弾もあり、従つて戦場がずつと広くなり、又、昔のやうに兵隊がワイワイ固まつて戦をする事は絶対に無くなりました。」

2011-08-26 00:26:18
錆猫 @Nyar_Horten

「歩兵でさへ隣の小隊が何千メートルといふ有様である所へ、自動車などで自由に動けるやうになつたので、戦場も決して固定的なものではなく、今此処で戦争が行はれて居たかと思ふと、数分の後にはもうとんでもない遠方の方角で衝突が始る。」

2011-08-26 00:31:03
錆猫 @Nyar_Horten

「この衝突といふのが必ずしも部隊が直接ぶつかるのではありませんから、本日のテレビジョンも果して諸君の満足されるやうな、場面が映るかどうかは頗る怪しいものです。」(以上、昭和4年発行「陸軍と陸戦の話」(小学生全集第五十巻)より抜粋。著者は現役陸軍歩兵大佐(当時)

2011-08-26 00:36:50
錆猫 @Nyar_Horten

以上は当時の小学生向けに書かれた本、抜粋部分は未来の戦場の姿を想定したもの。大筋では戦闘を決定付けるのは近距離戦だが、戦闘の殆どの時間を要し、大勢を決するのは遠距離戦である、といった内容です

2011-08-26 00:41:18
壕野一廻@2日目ハ19b @Type10TK

@Nyar_Horten 普通につい最近までの戦場ですよね。

2011-08-26 00:43:04
錆猫 @Nyar_Horten

@Type10TK 其れ言っちゃ駄目ですよ・・・

2011-08-26 00:45:07
壕野一廻@2日目ハ19b @Type10TK

@Nyar_Horten む?なんだか微妙に会話がすれ違ってるような気がしなくも

2011-08-26 00:45:58
bouninng @bouninng

@Nyar_Horten 昭和四年って事は1929年ですから、そんな頃からそういう想定は出来てたんですね。火砲・・・

2011-08-26 00:46:50
錆猫 @Nyar_Horten

小学生向けに誇張された内容とは言え、近代戦が火力中心の遠距離戦である事を彼等が認識している傍証になるかと。逆に言えば後世で白兵主義への傾注を言われますが、それには彼等なりの理由がある可能性を示唆しているのかもしれません、多分

2011-08-26 00:49:22
錆猫 @Nyar_Horten

(極論すれば金が無いという身も蓋も無いオチなのかもしれませんけど)

2011-08-26 00:50:26
這い寄る混沌@おえかき練習ちう @Nyarlathotep_44

@Nyar_Horten 旧軍もその頃はまだまともに遠距離戦のための砲を大量に配備しようと頑張ってたんですけどね……ホントどうしてこうなった。

2011-08-26 00:51:20
錆猫 @Nyar_Horten

尤も、作戦要務令に於いて歩戦砲協同の際、砲兵(師団砲兵)は原則として敵火点を潰し、歩戦(並びに歩兵砲)は残存する火點を制圧し前進する様に求められていること

2011-08-26 00:52:18
錆猫 @Nyar_Horten

「火戦」は火兵を以てする戦闘手段である。通常、戦闘経過の大半を占め、殺傷破壊などの物質効果は著大であるものの、頑強な敵に対しては「火戦」だけでは戦闘に最終の決を与える事は出来ない(昭和14年陸軍士官学校「戰術学教程」/戰略論体系別冊「戰略・戦術用語辞典」133頁)

2011-08-26 00:55:43
ななリス @nana_lis

この人にも厚い本書いて貰おうぜ! “@Nyar_Horten: 尤も、作戦要務令に於いて歩戦砲協同の際、砲兵(師団砲兵)は原則として敵火点を潰し、歩戦(並びに歩兵砲)は残存する火點を制圧し前進する様に求められていること”

2011-08-26 00:58:36
錆猫 @Nyar_Horten

一平方メートルに有効弾子破片一個でほぼ一人は死ぬであろうし、三分間過ぎる頃には隠れる者は隠れてしまうので、それ以上の射撃継続は無駄だった。若干の時間をおいて射撃を復行することはあるが、効果は半減すると考えられる(光人社「ニューギニア砲兵隊戦記」58頁)

2011-08-26 00:59:21
錆猫 @Nyar_Horten

といった記述辺りから見ても、砲戦だけでは敵戦力を全滅させる事は恐らく困難であり、幾ら遠距離戦を志向したとしても結局は近接戦闘が必要な訳ですが

2011-08-26 01:01:13
bouninng @bouninng

@Nyar_Horten 「通常、戦闘経過の大半を占め、殺傷破壊などの物質効果は著大であるものの~」の辺りを見ても、重要性は判ってるみたいなんですよね。そしてこれが14年、1939年・・・どうしてああなってしまったんでしょうか

2011-08-26 01:04:07
錆猫 @Nyar_Horten

ついでに言えば、以上は砲戦を空襲に置換えても通用します。そして近年は歩兵火力すら継戦能力を考慮しなければ相当のモノ(軽装備ではそれこそひとたまりも無い位)になっていますので、火戦後の残存兵力の単純な脅威度は戦中の比では無いほどになっているのでしょうねー

2011-08-26 01:04:23
錆猫 @Nyar_Horten

@bouninng @Nyarlathotep_44 以前ネタにしたと記憶していますが、多分、航空機を長距離砲の代役としたのではないかと個人的には想像しています

2011-08-26 01:12:14
這い寄る混沌@おえかき練習ちう @Nyarlathotep_44

@Nyar_Horten @bouninng まあそういう一面も確かにあるにはあるんですけど、やはりその割には爆撃機や襲撃機の搭載量がなぁ……

2011-08-26 01:15:14
錆猫 @Nyar_Horten

@Nyarlathotep_44 @bouninng あくまで憶測に過ぎませんが、多分旧軍がしたかったのは先のリビア内紛の経緯に近いのではないかと。先制的な航空撃滅による制空権の確保→投入可能な「航空機」を使った対地支援の下、貧弱な地上部隊の前進、といった感じでしょうか

2011-08-26 01:19:23
這い寄る混沌@おえかき練習ちう @Nyarlathotep_44

@Nyar_Horten まあ確かにそれに近い航空機運用ではありますね。ただ地上でも火力戦ドクトリンによって十分な火砲の支援のもと突撃するのが旧軍の理想図ではあったんですよね……まあそれする金無いんだけど。

2011-08-26 01:21:50
錆猫 @Nyar_Horten

@Nyarlathotep_44 @bouninng 司偵を始めとした偵察機群は敵策源地並びに敵「部隊」中枢の捜索と攻撃を行う、と。いや、結局お金が無いんですけど(をぃ

2011-08-26 01:25:17
這い寄る混沌@おえかき練習ちう @Nyarlathotep_44

@Nyar_Horten @bouninng ないない尽くしで米軍と戦うんですから、そら上層部も発狂しますわな。

2011-08-26 01:30:53
山猫男爵 @baron_yamaneko

@Nyarlathotep_44 @Nyar_Horten @bouninng あの爆撃機や襲撃機は、前線拠点から何度も往復出撃するような使い方を想定してるから、搭載量は少なめなのかなと思います。

2011-08-26 01:24:30