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「他人の不幸は蜜の味」と言うように、人間の脳には、他人の不幸を喜ぶ傾向と回路がある。社会的比較理論(social comparison theory)は、人間は他人との比較において自分の地位や価値を確認するため、他人が不幸になるとその分自分の幸福が増したという幻想を抱くと論じる。
2021-10-31 08:09:30他人の不幸を喜ぶ傾向は、その意味のドイツ語から、Schadenfreude シャーデンフロイデと呼んで研究されてきた。たとえば野球のファンが相手チームの失策を喜ぶのがシャーデンフロイデの典型である。
2021-10-31 08:10:28シャーデンフロイデは、自分と比較する意味のある他者に対して抱かれる。つまり、その他者が自分と何らからのかかわりがあるか、同じコミュニティに属していると認識されなければならない。あるいは、その他者の幸福が、何らかのかたちで自分の幸福を減じるという幻想が存在しなければならない。
2021-10-31 08:11:41シャーデンフロイデは人間の脳の自然な傾向の一つであるが、乗り越えることはできる。一番良いのは論理的な再解釈をすることである。多くの場合、他人の不幸は自分の幸福と論理的、統計的に関係がない。他人が成功しようと、失敗しようと、自分の人生は独立事象である。
2021-10-31 08:12:38また、友人や知り合いが成功した場合と、失敗した場合と、どちらが自分にとって客観的に「得」であるかを考えると、成功した方が得である場合が圧倒的に多い。友人が成功して有名になることを素直に喜んで祝福する方が、自分にも良い影響やおこぼれがあるケースが多い。
2021-10-31 08:13:47結局、シャーデンフロイデは社会的ネットワークが大きくなった現代においてはあまり意味を持たない、古い感情だと言うことができる。むしろ、他者の成功を祝い、失敗は素直に悲しみ、自分の人生の幸福に向けて合理的な努力をする態度の方が適応的だと言える。
2021-10-31 08:14:53以上、シャーデンフロイデについて概観してきた。小室圭さんがNYの司法試験に合格した場合、小室さんや眞子さんの幸福が増すけれども、その結果自分の人生がどうなるかを冷静かつ客観的に考えれば、誰にとっても小室圭さんが合格した方が良かったことがわかる。シャーデンフロイデは現代的ではない。
2021-10-31 08:17:08