進化的アプローチから心理学をやりたいなぁと思っています。
@kaihiraishi ありがとうございます!つまり「重回帰分析の決定係数(従属変数の全分散のうちどの程度を説明するか)について遺伝と環境の比をとったもの」的な感じですかね?
2021-10-31 04:56:21@asarin 微妙に違って、例えば典型的な社会心理で出す決定係数は、行動遺伝学で言うところの「非共有環境要因」の中身を腑分けしていることになります。遺伝率は観測変数の全分散のうちの何%が遺伝で説明できるか、の推定値ですので。
2021-10-31 09:51:51@asarin だから「じゃぁ全分散のうち、遺伝要因は何%で、ほげほげ要因は何%なの?」という問いも可能です。実際そういう研究もあります。別件で話題になってる再現性問題に関わるのですが「女性が、どういう男性顔を好むのか」というところで「生理周期で変化するのだ!」という有名な研究がありまして、(続
2021-10-31 09:54:27@asarin じゃぁ双生児研究をしてみようぜ、ということで2000人超の女性の双子さんに協力してもらって男性顔の好み(具体的には「男っぽさ」への好み)の分散への、遺伝と、生理周期その他の説明率を計算してみた研究があります。結果は、遺伝率は約30%。有名な性周期は8%ですが統計的には有意でなかった。
2021-10-31 10:01:27@asarin ということで「妊娠可能性が高い時期の女性は、男っぽい顔を好むようになる」という進化心理学の有名な仮説は否定されました。が、「生理周期の測定法は?」とか、色々と要検討課題もあることも事実であり。論文はこちら。 doi.org/10.1177/095679…
2021-10-31 10:03:54@kaihiraishi このギャンブルとかドラッグの項がどうにも納得できないんですけど。元々コレらは依存性が高いから遺伝が関係してくるのかあんまり分からないんですが、タバコなんて一月吸わしたらみんな喫煙者になりそうですけど。
2021-10-31 10:09:18@ketsuro 有難うございます。そもそもタバコを吸おう(ギャンブルをしてみよう等々)とするかどうか、という所の個人差も含めての推定値です。そして、タバコを吸おうと思う程度には、例えば時代(環境)の影響もありそうなので、違う時代に調査をすれば、遺伝率の値も変わってくることは、あり得ます。
2021-10-31 10:23:15@ketsuro と思って検索してみたら「時代は変わっても遺伝率は変わってなかったよ(オランダの場合)」という論文が引っかかりました。なるほど。ということで、最終的には「データを見てみないと分からない」という種類の研究分野です。 link.springer.com/article/10.118…
2021-10-31 10:24:32平石先生のこのスレッドは、遺伝率という統計量の解釈について、学術的に妥当な上に、できる限り飛躍や極論を排したものとなっています。 twitter.com/kaihiraishi/st…
2021-10-31 09:12:08安藤寿康先生作成の図ということで、双生児研究で共著もある私から、この図で「遺伝」とか「環境」とか書いてあるものの意味を、ざっくりと説明してみたいと思います。1/n twitter.com/2030mirai/stat…
2021-10-30 23:04:36恐れながら付け加えるとすれば、そもそも統計的因果推論において2種類の変数の重要性を比較するというのは非常に困難だという前提がもっと多くの人に知られてほしいと思います。以下の教科書の"3.5 Assessing the Strength of Associations"が参考になります。 amazon.co.jp/gp/aw/d/128411…
2021-10-31 09:12:08かいつまんで言えば、変数の重要性なるものは変数に内在するものではなく、分析の目的および重要性を定める基準(価値観、コスト、実現可能性など)が揃ってはじめて検討可能になるということです。要は、意思決定の条件がある程度明示されねば検討不可能だということです。
2021-10-31 09:12:08社会の公平性が増したり、社会の競争が増すことで、 環境要因と遺伝要因の均衡が変化することがあるのか。 twitter.com/kaihiraishi/st…
2021-10-30 23:49:40@Trpg_cosmos はい。環境要因と遺伝要因の割合が変わることはあります。例えば米国では、社会経済的地位が高い層ほど、知能の遺伝率が高いという報告があります。doi.org/10.1177/095679…
2021-10-30 23:55:40@kaihiraishi とても興味深い説明ありがとうございます。 先生の説明を聞いて、違和感があるのが音楽です。音楽は才能に区分されている他の項目に比べ学習に多大な経費がかかり、貧富の差が学習環境の差につながりやすいと思えます。ゆえに音楽の方が個人差への環境の影響割合が大きくなるように思えるのですが。
2021-10-31 14:00:32