ギガベース日誌 ACT08「PHANTASMA BEING」09

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獅子 ギガベース鎮守府工廠でアセンブルされたネクスト。 複数のリンクスで操縦を分担し、AMS負荷を軽減する試作型AMSを搭載。操縦は不知火、火器の使用はDfJが担当する。 構成部品はどれも入手性に優れたGA製品や強奪したジャンクパーツの寄せ集めであり、基礎性能は低い。　#ギガベース日誌 pic.twitter.com/6iTgPTENJF

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ZODIAC 詳細不明。　#ギガベース日誌 pic.twitter.com/bbT0NujcnO

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本日の #ギガベース日誌 は過去の伏線とかがドバーッと出てくる予定なので これ（ togetter.com/li/1337776 ）とこれ（ togetter.com/li/1302776 ）とこれ（togetter.com/li/1484310 ）を読んでおくと一層楽しめるかもしれません

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「何だ？敵部隊が……」 状況が別の段階に至った事を、ギガベースの艦娘達は敵部隊の動きから察知した。 「こちら長門。敵部隊が後退している」 「こちら大淀。全艦、警戒を維持してください。防壁の向こう側で、何か動きがあったようです」　#ギガベース日誌

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艦娘達が防衛部隊の動きに困惑する裏で、技術妖精大宮はモニタリング中のDfJの状態に異常値を発見していた。 「接続強度が低下……馬鹿な」 「いや、というより、これは」 「わかりますか？エミール」 「割り込んでいる……ように見えないか？DfJに割り当てられた領域に、何かが」　#ギガベース日誌

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「Admiral、応答を。大宮達が数値上の異常を検知した。Admiral」 呼びかけるも、応答は無い。 接続状況は理想的であり、通信妨害の類は検知されていない。つまり、DfJ自体に問題が生じている。 「何が……」 「おっと。やはり来ましたか……敵増援、2方向からです」　#ギガベース日誌

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「一方は、横須賀鎮守府地表から。防壁の向こう側にコジマ粒子の発光が確認されました。もう一方は6時の方向より急速接近中。艦娘……恐らくは、棲姫級の深海棲艦と推定されます。109秒後にサイセター主砲射程圏内に到達予定。マークします」　#ギガベース日誌

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「さて、どうします？アスピナがこの襲撃を予め認識していた以上、ある程度は想定の範疇でしょうが……彼等にとっての"機"が熟したように思えますが」 「……Admiralと秘書艦の安全が最優先だ。聞こえるか、秘書艦不知火！直ちに戦闘を中止し撤退せよ！」　#ギガベース日誌

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DfJへの呼びかけを諦め、機体の主だった操縦権を有する不知火へ撤退指示をするグラーフ。しかし、返ってきた言葉は期待とは異なるものだった。 「こちら不知火、Dの様子がおかしい……それに、アスピナから何かが……！」 「こちらでも確認している。繰り返すぞ。早急に撤退を……」　#ギガベース日誌

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「それは宜しくないな。彼は真実を求めてこの場所に来た。彼の艦娘であるならば、その意を汲み取るのが正しさではないのか？」 「何者だ」 「申し遅れた。アスピナ機関主任研究員、サウード・マクトゥームだ。地中海からラインアークを経て此処まで辿り着いた君達に敬意を、そして」　#ギガベース日誌

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「我々の資産たるジョシュア・オブライエンと、オリジナルを此処まで連れてきてくれた事に、感謝を」 「サウード……貴様が」 「さて、ジョシュア。此処からの話は、君の艦娘にも聞いてもらったほうが良いと判断し、オープンチャンネルに切り替えさせてもらった」　#ギガベース日誌

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戦場を異様な空気が包んでいく。 その原因であるサウードの声は、無感情に、残酷に、DfJと不知火にとっての最悪の事実を述べ始めた。 「先程説明したように、君の脳内に残存しているデバイスは、我々が研究の最初期に開発した、初期型AMSの基幹部分だ」　#ギガベース日誌

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「結論から言うと、君の生命を保ったままそれを除去する事は、我々にも不可能だ。だが、心配は必要ない。今現在、君を襲っている意識や記憶に関する障害の大半は、それのために起きているのではない。それが"機能停止"に陥りつつある段階の証左だ」　#ギガベース日誌

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「ジョシュア・オブライエンは9歳の時に初めて、初期型のAMSに接続した。君達も既に知るように、我々は様々なアプローチで、天才的な戦闘適性を有する存在の人工的な創出と管理を命題に活動を続けてきたが、これはその計画の成長期に位置する取り組みだった」　#ギガベース日誌

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「その計画において、我々はまず、兵器の操縦者に対して外科的な処置を施すことで、その能力を向上させようとした。これを『デザインド』と呼び……その手法の終着点として、人体と機械の完全なる接続技術、AMS（アレゴリーマニピュレイトシステム）が生まれたのだ」　#ギガベース日誌

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「話をジョシュアに戻そう。君が最初の接続テストで極めて高い適性を見せた結果、我々は当初想定していたよりも長期間、君を被検体として使用する必要に迫られた。デザインド計画の到達点として完成する筈だった君に、それ以上の役割を求めたのだ」　#ギガベース日誌

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「その後、アスピナはAMS技術を手土産にレイレナードやアナトリアとの連携を強め、アーマード・コア・ネクストを完成に貢献した。当然の如く、ネクスト研究の初期からジョシュアは重用され、国家解体戦争後には正式にリンクスとして登録されるに至った」　#ギガベース日誌

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「その後、君はリンクス戦争の英雄としてかの傭兵と並ぶ戦果を挙げた後、アナトリアにおける戦いで戦死した。我々は破壊されたプロトタイプ・ネクストのコックピットから君を回収した。正確には、君の脳内に癒着したまま残されていた、初期型AMSを」　#ギガベース日誌

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「そうして、君の3978番目のクローンに、それを移植した。これが、君の脳内にそのデバイスが遺されるに至った経緯だ」 「サウード、お前……！！」 不知火の心中に燃える憎悪と嫌悪は、サウードの説明が重なるほどに、その強さを増していく。　#ギガベース日誌

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「最も重要なのは此処からだ。"何故そんなものを移植する必要があったのか？"答えは簡単だ」 「やめろ」 沈黙を続けていたDfJが口を開く。 今まさに崩れ落ちようとしている自分の基盤に、震える全身でしがみつきながら。　#ギガベース日誌

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「人間の自我は、深層情報という形で完全な解析と管理が可能だ。そしてAMSは、接続したリンクスの自我を記録し、深層情報の形で保存する事ができる」　#ギガベース日誌

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「Abyssal Molding System。初期型のAMSのみが持つ、もう一つの機能。それは、自我の記録のみならず、出力と造形を可能とする。深海棲素を用いる以上、運用にも秘匿にも多大なコストが掛かる手段だが……ジョシュア。君には、それだけの事を我々にさせる魅力があった」　#ギガベース日誌

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「"自分はジョシュアとは違う"だったか？とても心苦しいが、その自認は完全に過ちであると指摘せざるを得ない。何故ならば」 やめてくれ。 彼女がくれた、この意味を、この名前を。　#ギガベース日誌

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「君の自我は、移植されたAMSによって、"9歳の時点のジョシュア・オブライエン"の状態を、維持され続けているのだから」 おねがい　だから。 これがあるから　生きて　こられたのに。　#ギガベース日誌