エマニュエル・トッドと家族類型

面白いけどわかりにくいトッドの思想について憶測と妄想を交えながらつぶやきます
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孫二郎 @344syuri

地政学的にはシーパワーの地位を占めることが多い。 (マゴジロー注:北海沿岸部に特に多く分類しているので、ヴァイキングと何らかの関係があるように思える。)

2021-11-20 09:43:53
孫二郎 @344syuri

平等主義核家族:フランス北部、スペイン中南部、イタリア北部・南部が典型。政治的には自由主義、経済的には社会主義。絶対核家族に比べて平等原理が強い。ローマ帝国の影響下にあった場所、特にブドウ栽培が盛んだった地に多い。

2021-11-20 10:33:41
孫二郎 @344syuri

当初はポーランドもこのグループだったが、ローマ帝国がポーランドを征服したことはないので、何か別のもの(一時的同居を伴う核家族)であるとトッドは考え直しているようだ。地政学的にはランドパワーを形成することが多いが、植民地などではシーパワー的に振舞うことも多い。

2021-11-20 10:33:41
孫二郎 @344syuri

直系家族:ドイツ、スウェーデン、フランス南部、スペイン中南部、日本が典型。政治的には権威主義、経済的には社会主義。家の財産を相続できない子弟が僧侶または傭兵になるケースが多く、両者のミックス(騎士修道会、僧兵)を輩出することもある。

2021-11-20 10:34:45

※スペイン中南部はスペイン北部の誤りです。

孫二郎 @344syuri

地政学的にはランドパワーとなることが多いが、条件によってはスペインや日本のように強力な海軍を持つケースもある。リムランドに発生しやすい。

2021-11-20 10:34:45
孫二郎 @344syuri

外婚制共同体家族:ロシア、中国、旧ユーゴスラヴィア、イタリア中部が典型。政治的には権威主義、経済的には共産主義。君主制の元では帝国主義、共産主義の元ではプロレタリア独裁を採用することが多い。

2021-11-20 10:36:30
孫二郎 @344syuri

父親の権力が極めて強い家父長制で、皇帝(主席)は時として恐ろしく頼りがいのある父親に擬される。地政学的にはランドパワー。往々にしてハートランドに位置する。

2021-11-20 10:36:30
孫二郎 @344syuri

内婚制共同体家族:アラブ諸国が典型。政治的には権威主義、経済的には(イスラム)社会主義。イスラム教と密接不可分な関係。 国家は一般的に弱体で部族の存在感が大きい。地政学的にはランドパワーで、シーパワーは歴史上存在しない。

2021-11-20 12:28:22
孫二郎 @344syuri

ハートランドとリムランドの両方にかけて広がっているが、自らがプレイヤーになれるほど強力な国は今のところない。

2021-11-20 12:28:22
孫二郎 @344syuri

おっと、地政学云々はマゴジローの感想ですので忘れて結構です。

2021-11-20 15:31:57
孫二郎 @344syuri

17世紀のオランダ、18・19世紀のイギリス、20・21世紀のアメリカと絶対核家族がヘゲモニーを握り続けているのは偶然ではない なぜなら絶対核家族のメンタリティは自由と自己責任に貫徹されていて自由主義・資本主義と大変に相性がいい

2021-11-20 15:57:15
孫二郎 @344syuri

元々直系家族だった日本でも現代化に伴って絶対核家族に近づいていっているし別の国でも普遍的に進行しているところからも現代文化において絶対核家族化戦略が優位にあることが伺える

2021-11-20 15:57:16
孫二郎 @344syuri

平等主義核家族にそこまでの力がないのは資本主義を取る限り避けられない貧富の差への許容範囲が狭いから その代わり西側諸国としては例外的に共産主義との親和性が高い

2021-11-20 16:23:34
孫二郎 @344syuri

平等主義核家族よりは格差への耐性が高い直系家族の方が資本主義化で成功することが多い 直系家族は教育へのこだわりが強く伝統的に識字率が高い傾向にあるのも強み

2021-11-20 16:23:35
孫二郎 @344syuri

ウェーバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」は直系家族においてもっともよくあてはまる 教育熱心なのは財産同様知識も相続させたいという願望の賜物 親が特殊な技能が必要な職業に就いている場合は特にそういう傾向がある(料亭とかなんかの家元とか)

2021-11-20 17:05:18
孫二郎 @344syuri

共同体家族は外婚内婚ともに資本主義と相性が悪い 権威主義は権力者の意図しない経済活動を好まないし結果平等の精神も機会平等の資本主義と相いれない この家族制度の元でのみ共産主義国家は自生し違う家族制度に接ぎ木しても決して上手くいかない

2021-11-20 17:27:37

国ごとの家族類型

孫二郎 @344syuri

次は国ごとの特徴を確認します

2021-11-21 02:11:18
孫二郎 @344syuri

イギリス 絶対核家族が支配的。スコットランド西部には直系家族の痕跡が、ウェールズには末子相続の痕跡が見える。絶対核家族のため子供は全員独立し、両親の老後の面倒を見る者がいない。この問題は、現在は行政福祉が介入することで、歴史的には教会などの地域の共同体の互助によってカバーされる。

2021-11-21 02:11:18
孫二郎 @344syuri

若者は成人から結婚までの間、富農や貴族の使用人として現金収入を得る慣行があり、結婚資金が十分に貯まると独立した小作農になる。イングランドは遺産相続よりも生前贈与の方が重要で、遺言は残されたわずかな部分のみを決定する。

2021-11-21 02:11:19
孫二郎 @344syuri

近世に入ると使用人の代わりに工場労働者になる若者が増え、都市化が進行する要因となる。丁稚奉公よりも稼ぎが良いので婚姻年齢は下がり、それに引っ張られる形で出生率が上昇し、人口が増える。

2021-11-21 02:11:19
孫二郎 @344syuri

働き口は人口より増える速度が遅いため失業者が生まれやすく、そういった食い詰め者は得てして商船や軍艦の乗組員として強制的にスカウトされ、過酷な船の仕事で疫病や飢餓により亡くなる者も多かった。海上帝国ではよくある話。

2021-11-21 02:11:20
孫二郎 @344syuri

スコットランド人は直系家族らしく勉強熱心で、アダム・スミスをはじめイングランドに劣らない人材を輩出している。絶対核家族にせよ直系家族にせよ資本主義との親和性がとても高い。

2021-11-21 02:11:20
孫二郎 @344syuri

オランダ ドイツとの国境沿いの一部だけが直系家族で、ほぼ全土が絶対核家族。そのうちホラント州は非常に早くから都市化の進んだ地域であり、1514年には都市人口の割合が全人口の46%を占めていた。その結果農地当たりの人口は希薄で、農村の広さはヨーロッパの平均よりかなり広い。

2021-11-21 08:06:17
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