チキチキルーマニア吸血鬼棺桶タックル大会（仮）

ハチ🐾 @hachisu716

レミリア「この時期になると良物件の争奪戦で血が騒ぐよなあ」 咲夜「頭に棺桶のせててどうやって戦うんですか？」 レミ「両手で支えてそのまま突進」 咲「うわ痛そう」 レミ「けっこう楽しいよ。簡易な仮止めで壊れるように作ってあるから。突っ込んで、バリーンって派手に弾けると楽しい」

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レミ「それに吸血鬼もずいぶん数が減ってしまったから生存確認でもあるかな。物件争奪……なんて言ったけど、本当は土地のほうがずっとずっと広すぎて、自由に住み放題なんだよ。でもやる。同胞の顔が見たいから。勝負なんて顔つなぎのおまけのおようなもんさ。実際そんなに集まらないんだよね」

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レミ「棺桶もちょっと小洒落たものを用意なんかして相手を喜ばせたり、逆に、壊すとスッキリするような神父のハリボテなんか、ひどいタッチで描いたりして。憂さを晴らしたりするわけ。そのあと勝負がつけば、一時的に住む場処を交換してみたり」

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レミ「あるいは、『貴公とのゲーム及びこたびの勝利はまこと光栄の至りではあるが、あいすまぬながら貧士の一身上の都合により、断腸の思いで辞退』なんかして……そのほうが多いかもね。そのあと互いの家を訪ねて、『争奪』の代わりにお茶を飲んだりさ。まあそういう催しなんだよ」

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レミ「高貴なる吸血鬼が棺桶抱えて相手に頭突き、なんて莫迦っぽくて楽しいだろう？　だから好きだったの。もうはりきって、ふた月前くらいからは棺桶の準備なんか始めてさ、毎年参加してたんだけど」 そこで椅子に背を預けて、寂しそうに笑う。 レミ「ある年からはもう、私しかいなくなってしまった」

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レミ「その数年前には、一気に減った年があったんだ。だから、覚悟はしてた。来年は誰が残るだろうか、たったひとり残ったやつが気の毒だな、手作りの間抜けな張り子の棺桶なんぞを頭に抱えて、笑顔でこんな淋しい場処にたたずむんなら。なんてみんな笑ってて。……とうとう私がそうなってしまったよ」

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吸血鬼があまりに強すぎるゆえに、ファンタジーとして認識されはすれど、現実の存在を信じる人は少なくなりすぎて、とかよくない？ 強いものから消えていく。なぜなら「でたらめに強い」ものは「でたらめ」だと思われるから。

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数が減りすぎたルーマニアの吸血鬼たちが、クロッケーに似た老人会として棺桶どつきあい物件争奪大会してたら可愛いなって思った。

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レミリア「妖怪は、強いものから忘れ去られて消えていく。だからわたしは吸血鬼として一番弱かったんだよ。存在するかもな、と思われるくらいの可愛げのある弱さがあったから、最後まで残った。……それでも最後に残ったら、ひとりでも最強ってことさ。今はね」

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レミ「フランは吸血鬼だけれど、魔女でもある。魔女は魔女狩りが語り継がれるくらい、人間にとって最も存在を信じられる妖怪だ。いてほしいな、と思われるような存在。だから、あれはもう、厳密には吸血鬼とは違う。外に出たって、人は存在を忘れない。だからフランはもう、大丈夫だ」

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みたいな思惑があって、フランが魔女っ子になるのを止めなかったレミリアがいても可愛いなと思いました。

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物件奪い合い吸血鬼祭りたのしいな。ぜったい楽しい催しじゃないけど勝手に楽しくするのは楽しい。

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吸血鬼みんなお顔立ちがアホみたいに良いし、高貴なお方々なんだけども棺桶バトルのときはニッコニコになってクソガキみたいな遊びしてかわいくなるのかわいい。

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吸血鬼Ａ「ふ、今年も手足があったか、東の」 吸血鬼Ｂ「何を云う、西海岸沿い。とうとう連れ合いに逃げられたと渡り鳥が云うとったぞ。傷心のまま500年は引きこもると思うとったわい」 吸血鬼Ｃ「今年はだいぶ数が減った。君たちが健勝でなによりだ」 で うわーーーーい！😊 って棺桶ぶっつけバトル

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レミリアが最弱だから最後に残ったっていうの、言いながらレミリア推しの自分がそんなことないだろって暴れてたんだけど、 なんだかんだ情が深くて酷になれないから弱いってことになってるのもいいなって思った。

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脳内レミリアみたいな女好きの色男みたいな吸血鬼の同胞が他にもいて、イケメン同士で洒落た会話してるのいいなーって思いながら焼き肉食べつつ穏やかな顔してた……

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吸血鬼Ａ「……ずいぶん数が減ったものだ」 吸血鬼Ｃ「昔はお祭り騒ぎだったのにね。そこで商売を始める者もいて」 Ａ「強い者からいなくなる。いなくなれば狩人が気勢を上げて、弱い者は狩られて死ぬ。道理だな」 Ｃ「そうだね。いまや残るは兎ばかりか」 Ａ「おいおい、兎とはまた切ない譬えだ」

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Ａ「彼らのほうが繁殖力がある。我々が同胞を生むのは、そう易くない」 Ｃ「はは。兎より弱いか」 Ａ「シチューになれば旨い。同胞の血は不味いしな」 Ｃ「飲んだことがあるんだ」 Ａ「そんな遊びも覚えておけよ、ちび。まだそれが出来る仲間がいるうちにな」 Ｃ「うーん……友人の血を飲む気には」

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にやりと笑って襟を指で引き、肌を出すＡ。 Ａ「この首を貸すか？」 Ｃ「厭だよ。代わりにどんな面倒を頼まれるか分かったものじゃない」 Ａ「これきりのチャンスだと思うぞ」 そう言って、優しく眼を細める。 Ａ「……次に消えるのは、恐らく俺だろう」

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Ｃ「……まさか。きみほどの吸血鬼が忘れられるなんてこと。それに、間違っても狩られるなんてことも」 Ａ「忘れられることはあるさ。俺はちと、伝説になりすぎた。女遊びも派手にやった。甘く、恐ろしいものは、スパイスの効いた夢物語になる。……敗因は女遊びがうますぎたことかな」

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小さく牙を見せて笑うＡ。遠くでコウモリとたわむれるＢを見る。 Ａ「……あれも、もうじいさまだ。じいさまといってもまだ生きはするだろうが、生きるのにはもう飽いている。じきにおのれから幕を引かれるのではないかと思うよ。狩られるのも消えるのも拒んで。そういうかただ」

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Ｃ「……そんな」 Ａ「……レミリア」 と、目の前の吸血鬼の名を呼ぶＡ Ｃ「……！」 Ａ「忘れ去られたものが、行ける場処があるのだという」 Ｃ「？」 Ａ「いや、忘れられようとさだまったもの、かな。先に消え去った同胞が運良くそこにいればいいが、まあ期待はするな。がっかりするだけだからな」

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Ａ「俺にもそれがいずこにあるかは知らぬ。だが、消えゆく妖怪を護るため、力のあるものが作った里らしい。……そんな力があるなら、無茶苦茶だけどな。そこには忘れられた妖怪たちが住んでいて、人間も暮らしているのだとか」 枯れた葡萄のような瞳を、どこか熱っぽく輝かせて言うＡ。