Twitter一人百物語

さんぽーさん(@OFF_ton1907)による一人百物語
5
あるーく @OFF_ton1907

さて、夏なので、ツイッターを使って独り百物語をやりたいと思います。1日に2~3話呟いて、夏中に100話を目指したいと思います。怖いの苦手なフォロワーさんはごめんなさい。そんなに怖くするつもりはありませんので……では。

2011-07-31 22:46:53
あるーく @OFF_ton1907

【百物語1】その昔、京都東桐院通に妖怪が現れ、人々は扉を閉ざし家に閉じこもっていた。しかしある女は好奇心から外を見てしまった。ごろごろと転がる牛車の車輪、その中央に男の顔があり、人の足をくわえていた。「己の子を見ろ」と顔が叫ぶので見ると、我が子は足をもがれて血塗れに息絶えていた。

2011-07-31 22:52:30
あるーく @OFF_ton1907

【百物語2】「さっちゃん」という歌がある。「さっちゃん」という女の子はバナナが好きだが、まだ小さいから半分しか食べられないという内容の、あまりにも有名な童謡である。夜、眠る前に、この歌を歌ってはいけない。「さっちゃん」がやってきて、体の皮を剥がれ、中身を半分食べられてしまう。

2011-07-31 22:53:36
あるーく @OFF_ton1907

【百物語3】僕の小学校には滑り台があった。夕方、決まった時間にその滑り台の上で手招きをする子供がいる。近寄ると「一緒に滑ろう?」と持ちかけられる。決して話に乗ってはいけない。滑っても地面には着かず、そのまま地獄へ滑り落ちてしまう。昔、その滑り台から転落して死んだ児童がいるそうだ。

2011-07-31 22:55:35
あるーく @OFF_ton1907

本日はまず3話。古典、都市伝説、自身の見聞きした話など、幅広く題材をとって語っていくつもりです。

2011-07-31 23:06:33
あるーく @OFF_ton1907

【百物語4】長崎の昔話。ある晩子供が大声で泣くので、父親は「バケモンに喰わすぞ!」と叱った。すると「そんなら喰わせろ」と声がする。父親はとっさに「一人前になったら喰わす」と言ってしまった。やがて年月はたち、果たして子は姿を消した。「約束通りもらったぞ」と声を父親は聞いたという。

2011-08-01 21:30:56
あるーく @OFF_ton1907

【百物語6-A】昔々、山奥に仲の良い夫婦がいた。夫は妻の長い髪を愛でたものだ。ある雪の激しく降る夜、夫は里に用事があって家を留守にした。妻は嫌な予感がしたので止めたが、夫はすぐ帰るからと出ていってしまったのだ。恐ろしい吹雪だった。こんな吹雪は初めてだと妻は窓から外を覗いた。

2011-08-01 21:37:09
あるーく @OFF_ton1907

【百物語6-B】(Aの続き)すると何かがノシノシとこちらへ向かってくるではないか。夫が帰ったのかと思ったが、それは大きな鬼だった。妻は火棚の上に隠れた。しかしその長い髪が垂れていた。鬼は髪を引っ張って妻を引きずり下ろすと、無惨にも食べてしまった。雪国に伝わる、『雪鬼』の話。

2011-08-01 21:38:41
あるーく @OFF_ton1907

【百物語7】大学で囁かれる噂。今は封鎖されたが、かつて文学部と経済学部を繋ぐ地下道があったとか。ある夏休み前、女学生が誤ってそこに閉じ込められてしまった。泣いても叫んでも、夏休みで誰にも聞こえない。発見された時には彼女は発狂死し、指は扉や壁を掻きむしったために血塗れになっていた。

2011-08-02 21:27:31
あるーく @OFF_ton1907

【百物語8】また、経済学部棟には塗り込められた窓がある。そこはかつてある教授の控え室であり、その教授に単位を落とされ卒業できなかった女学生が、腹いせに首を括ったのだという。それ以来、その窓に首を吊った女学生の影が映るという噂になった。そのため、窓は埋められてしまったのだそうだ。

2011-08-02 21:28:32
あるーく @OFF_ton1907

【百物語9】こんな話もある。経済学部の一室に女学生が閉じ込められた。女学生は発狂し、首を吊って自殺してしまう。それ以来、女学生の影が映るので、窓は埋められてしまった。

2011-08-02 21:29:11
あるーく @OFF_ton1907

【百物語10】文学部の地下トイレに閉じ込められたパターンもある。「閉じ込められた女」と「首を吊った女」の2パターンの噂がいつしかごっちゃになったのか。経済学部と文学部。ここでかつて、本当は、何が起こったのか。知る者はいない。なお、これらは飽くまで「噂」である。

2011-08-02 21:30:11
あるーく @OFF_ton1907

今日も百物語ツイートをします。今日は江戸時代の『片仮名本・因果物語』より、奇妙な死に様を見せた3者のお話。

2011-08-03 22:01:23
あるーく @OFF_ton1907

【百物語11】江州(近江)に道節という欲深な金持ちがいた。彼は七十歳で生きながら餓鬼となった。一日に四升五升と飯を食べて、ついに「飯が食いたい、飯が食いたい」とうめきながら死んでしまった。彼の兄もまた、同じように死んだという。

2011-08-03 22:01:57
あるーく @OFF_ton1907

【百物語12】やはり江州に西源という僧がいた。ある夜、どこからともなく現れた大入道が、彼を打擲した。それから毎夜、恐ろしい男がやってきて、西源を火に入れ水に入れ様々に責め苛んだ。西源は時には便所に隠れたりしたが、見つかって、結局五十日ほどで殺された。

2011-08-03 22:02:37
あるーく @OFF_ton1907

【百物語13】越前敦賀に貪欲な金持ちがいた。寛永二十年六月に難病にかかった。目を皿ほどに剥きながら、人に「この金で助けてくれ」と言った。やがて苦悶し「今日死ぬ、今、死ぬ」と猛烈に苦しんで、亡くなった。しかし死後も生き返ってのたうち回ったので、やむなく斬り殺されたという。

2011-08-03 22:03:33
あるーく @OFF_ton1907

【百物語14】京都東山松原通には「幽霊子育飴」を売る飴屋がある。その昔、その飴屋で飴を夜な夜な飴を買った女の幽霊がいたそうである。女は死後、土中にて赤子を出産し、飴でその子を生かしていたという。遺児は後、高僧となったそうだが、まことに凄まじきは母の愛。

2011-08-04 21:28:09
あるーく @OFF_ton1907

【百物語15】ある家の風呂場に度々、巨大な女の顔が浮かび上がった。女の顔はにたっと笑うだけで害はなかった。けれども気味は悪いので床下を調べると、壷があった。壷の蓋を取ると一匹の蛇が這い出ていった。それから怪異は起こらなかったとか。僕が以前、交際していた女性の、その祖父宅でのお話。

2011-08-04 21:29:53
あるーく @OFF_ton1907

【百物語16】この世で最も恐ろしい怪談は『牛の首』というものである。あまりにも怖すぎるので、知った者はみな死んでしまうそうだ。だからこの怪談を知っている者はいない。

2011-08-04 21:30:44
あるーく @OFF_ton1907

【百物語17】江戸の怪談集『百物語評判』に「垢ねぶり」という化け物のことが書かれている。垢から生まれて垢を舐めるのだという。現代にも、風呂を汚くしていると現れる「垢なめ」という妖怪が伝えられている。昔から風呂、トイレなどの水まわりには怪異が起こりやすいとされる。

2011-08-06 22:44:48
あるーく @OFF_ton1907

【百物語18】ある小学校で、男性教師Aが宿直をしていた夜、忍び込もうとする窃盗犯を見つけた。自分が捕まえてやると、プールまで追い込んだ。切羽詰まった犯人はナイフでAを刺殺した。その血でプールが赤く染まった。そのプールは毎年その時期その時間になると、水が真っ赤に染まるとか。

2011-08-06 22:47:52
あるーく @OFF_ton1907

【百物語19】僕の小学校の怪談。ある男子トイレの3番目の個室に、幽霊が出る。ある男子生徒が夕方、その個室を訪れると、首吊り死体がぶらさがっていた。生徒は悲鳴をあげて逃げたが、数分して確かめようと再び覗くと、死体は影も形もなかった。首を吊る縄をかけるような所もなかったという。

2011-08-06 22:49:28
あるーく @OFF_ton1907

今日の百物語は蜘蛛のお話です。蜘蛛はその姿から、妖力を持つ存在だと信じられました。

2011-08-07 22:25:51
あるーく @OFF_ton1907

【百物語20】旅人が琵琶法師と出会い、神社に宿を共にした。法師が香箱を「良いものか鑑定してください」と差し出すので受け取ると、鳥もちのようにくっつき、離れない。法師は大蜘蛛に姿を変え、旅人の血をゆっくり吸い始めた。幸い別の旅人が通りかかり蜘蛛は逃げたが、恐ろしい話である。

2011-08-07 22:28:10
あるーく @OFF_ton1907

【百物語21】男がとある淵で釣りをしていた。すると小さな蜘蛛が淵から現れ、糸を男の脛にすりつけた。蜘蛛は何度も淵と脛を往復し、糸は増えていった。男はなんとなくそれを切り株に移し替えた。その瞬間、切り株は淵に引きずり込まれていった。水中から「賢い、賢い……」と声がしたという。

2011-08-07 22:30:36
1 ・・ 6 次へ