ストレイトロード:ルート140(60周目)

オリジナル短編「ストレイトロード」をベースに、毎日1作ずつ投稿している掌編という名の習作。 今回は2951~3000+おまけ。終盤のリクエスト回数以外の共通テーマは特になし。なお各話の内容は特に連続していません。 今後も引き続き1日1組つぶやいていきます。 続きを読む
0
前へ 1 2 ・・ 5 次へ
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、2962。出身。 誰かに勝っている、上回っている(と確認する)ことで自分を維持できる……と思い込む人もいる。

2021-10-30 19:06:54
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

仮装の子供に紛れて監視から逃れる作戦と聞いた。だが私が秘密裏に買った被り物と小道具に藍は厳しい評価を下した。「頭だけ隠してもすぐバレるでしょ」彼女は私の上着を取って自らの頭を覆い、その袖を持って誘導するよう命じた。鏡には頭蓋骨を抱えた首のない大人が映っている。誤魔化せるだろうか。

2021-10-31 19:11:08
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、2963。頭蓋骨。 #twTorT も意識したものの、お題はうまく入らなかった。

2021-10-31 19:11:08
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

ホテルの窓からは街路樹に遮られてよく見えないが、魔女の干渉に抗議する集団は列を成してこちらへ向かっているという。先頭で声を張り上げる一人はすぐに誰か判った。深紅の夫人に心酔して赤く着飾った老婦人は怪物を追う私達を妨害したことがある。藍が表に出たら石を投げられるだけで済むだろうか。

2021-11-01 18:53:27
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、2964。先頭。 何かの影響を受けすぎて、ある意味で元のそれを超えてしまう人も、たまにいる。

2021-11-01 18:53:27
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

立ち寄った村に宿はなく、夜通し車を走らせるには危険が多い。やむなく駐車場の片隅で休んでいると、そこからも退去を求められた。「得体の知れない者に居着かれては困る。村の総意なのだ」「得体の知れない生き物に倉庫を荒らされていても?」藍が窓を開けて身を乗り出した。伝達役が明らかに怯んだ。

2021-11-02 18:46:06
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、2965。総意。 厄介者扱いされることも多い。

2021-11-02 18:46:07
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

人里を襲う怪物の撃退は空軍の仕事、子供の出る幕はない。隊長の意向により藍はキャンプで待機となったが、私は敷地の外に出された。部外者扱いではなく前線の働き手として。訓練も受けていない身に務まる役目があるのか。「魔女とやらに余計なことをさせないためだ」私の指示で動くと思っているとは。

2021-11-03 19:30:10
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、2966。待機。 空軍とは言うが作中では飛行機などを飛ばせないので、代わりに「空の脅威」に対処する役目を担っている。

2021-11-03 19:30:10
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

瞬時に藍の足を絡め取った根は新種の植物か、あるいは。目配せの後、彼女を置いて走り出した私の背に、学者の罵声が刺さる。「それでも使用人か!」今の行動を令嬢への忠誠心に欠けるとみなすなら、やはり彼とは意見が合わない。木々に囲まれた小さな青空の下で発煙筒を仕掛けた。全て藍の指示通りに。

2021-11-04 19:20:33
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、2967。忠誠心。

2021-11-04 19:20:33
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

地球を蹂躙した怪物が通信網を破壊したとき、人類を分断し混乱させる効果など考えもしなかっただろう。ただ通り道の障害物を、巣穴を覆う目障りな異物を取り除いただけだ。「木の根っこと間違えたのかも」藍が千切れたケーブルを掘り出すと作業員は顔を覆った。「基地局は巣にされた。有線もダメとは」

2021-11-05 18:45:58
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、2968。通信網。 ただでさえ自然の脅威と戦っているのに。

2021-11-05 18:45:58
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

「わたしだって別にエラい人とケンカしたいわけじゃないのよ」村に着く前の藍は言った。調査は農作業の妨げではない、怪物の被害を防ぎたいのは先方も同じ。間違いではない、が。「問答無用。魔女と話すことなどない」長老は挨拶もなく一言で門を閉めた。見飽きた展開への不満がつむじ風を強めている。

2021-11-06 18:55:54
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、2969。展開。 年配の人ほど、現在の環境に恩恵が多い人ほど、新しい言葉で語られる危機には鈍くなりがち。

2021-11-06 18:55:54
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

宙を舞う紙に藍が手をかざすと、急に風向きが変わってこちらへ下りてきた。大気に干渉する能力の使い方は攻撃だけではないのか。感心していたら藍にその紙を握らされた。「贈り物、それとも偽物?」空を漂う落とし物は新しい集合住宅の当選を伝える手紙だった。宛先の人物に心当たりを尋ねるしかない。

2021-11-07 19:53:30
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、2970。当選。 普通に生きていくのが難しい世界。

2021-11-07 19:53:31
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

怪物に集落を奪われ逃げた人が安全そうな場所に逃げ、密集して暮らし、先にいた住民との衝突が増える。やがて地域の内乱に発展した。「人同士で争う余裕あるの?」新聞を読んでいたら首筋に吐息を浴びた。藍は空の敵への言及が少ない点が気になるようだ。「ゆとりがない程、喧嘩になりやすいのですよ」

2021-11-08 18:53:24
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、2971。内乱。 当事者目線で細かく書くと140文字どころじゃなくなる。

2021-11-08 18:53:24
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

最後にデザートが運ばれてきた。藍だけ頼んだはずのケーキが何故か二種類ある。「あなたの分よ。今日は無茶言ったから」先程トマトを押しつけてきた件ではないだろう。「では半分だけ頂きます」藍は給仕にナイフを用意させ、自ら取り分けた。二等分と呼ぶには少し足りないケーキが私の手元に置かれた。

2021-11-09 19:44:55
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、2972。二等分。 保護者である前に使用人なので、あまり強く言えない場面もよくある。

2021-11-09 19:44:56
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

ロッカーの一つには棒状の道具が詰め込まれていた。銃を失った場合に備えた武器庫のようだが、縄跳びの道具を切って繋ぎ合わせた不恰好なヌンチャクもあった。映画で本物を振り回す役者を見て真似した子供がいたのかもしれない。「やったことあるの?」知識だけだと答えると、藍は残念そうな顔をした。

2021-11-10 18:53:31
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、2973。ヌンチャク。 怪物との激闘の痕跡をたどって廃墟を調べるシーンは何度も書いてきた。

2021-11-10 18:53:31
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

ある僧侶は山での修行中に不気味な生物と遭遇した話をしてくれた。藍が生まれる前、最初の怪物が現れた時期の出来事らしい。「旅立つ前に植えた苗木が根付く頃に帰るはずが、その前に呼び戻されたよ」彼は笑う。「時代は変わる。競うように高い建物を造っていたのに、今は皆が地下へ潜りたがるだろう」

2021-11-11 19:56:02
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、2974。根付く。 植物の様子が本来の意味ですが、派生した表現に合わせた内容も含めました。

2021-11-11 19:56:02
前へ 1 2 ・・ 5 次へ