二楽山人氏による表紙シリーズまとめ2

古典籍の表紙はこんなにも美しい!二楽山人氏による表紙シリーズの皆さんの反応も含めてまとめた第二弾です!
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4.江戸時代初期によくみられる「丹表紙」『東鑑』

二楽山人 @hitomaroeiku

しつこい表紙シリーズ。江戸初期版本で良く使用された丹(たん)表紙です。硫化水銀の辰砂を用いています。今はどうか判りませんが、鳥居の朱色と同じものですね。古いほど発色が素晴らしく、見ていてうっとりします。経年変化で表面に銀色が浮き出すこともあり、味わいが増します。 pic.twitter.com/HvVRbf4heo

2021-11-26 08:04:22
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冢堀庵主人(信陵君化) @tenkyu19sei

@hitomaroeiku 銀朱と謂われるのも尤もですね。 架藏の東鑑も同版でしょう

2021-11-26 08:08:21
二楽山人 @hitomaroeiku

@tenkyu19sei 寛永版のお仲間ですね。古活字版の丹表紙が欲しいのですが、それはなかなか。

2021-11-26 08:12:41
冢堀庵主人(信陵君化) @tenkyu19sei

@hitomaroeiku 一冊のみの零本ですが品格が有ります。

2021-11-26 08:15:57

5.小倉色紙の『集古十種』!松平定信好みの花!?

二楽山人 @hitomaroeiku

まだまだやるぞ表紙シリーズ。松平定信が編纂させた『集古十種』の小倉色紙の冊です。高さが37センチ程もある大型の本です。表紙の模様は定信好みの花勝見文ですね。定信が関与した本には、色違いサイズ違いであっても、この文様が使用されていることが多いです。 pic.twitter.com/ZehY5kdpLo

2021-11-27 08:48:13
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二楽山人 @hitomaroeiku

色・模様違いはこちら。有名な定信の随筆『花月草紙』の表紙です。 pic.twitter.com/a73Nm4Aise

2021-11-28 08:14:58
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・小倉色紙:百人一首の色紙。藤原定家の書として、古来有名なもの。この起りは、定家が一人一首ずつ百枚の色紙を書いて、小倉山の山荘の障子(襖)に貼ったものが、たまたま室町時代のころまでそっくり伝存したと伝えられる。その五十枚は連歌師飯尾宗祇に珍重され、さらに茶人武野紹鴎らに賞翫されて、茶道の名物となった。(国史大辞典)

6.江戸初期の大ベストセラー!『清水物語』の丹表紙

二楽山人 @hitomaroeiku

まだまだ引っ張る表紙シリーズ。仮名草子のベストセラー作品として有名な『清水物語(きよみずものがたり)』の丹表紙です。真っ新な感じもよいですが、こういう良く読まれて艶が出たものも味わいがありますね。この作品も少し後のものは良くある縹(はなだ)表紙になります。 pic.twitter.com/mKRDsKD3w9

2021-11-28 07:47:12
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二楽山人 @hitomaroeiku

こちらが一般的な縹(はなだ)表紙です。落書きかなにかの墨書があります。題簽ぼろぼろで判読不能ですが、清水物語の下です。 pic.twitter.com/SEXskj3B8S

2021-11-28 12:12:06
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7.見た目は『百人一首』、中身は『伊勢物語』キミの名は……?!

二楽山人 @hitomaroeiku

まだまだやめない表紙シリーズ。珍しい裂表紙はともかく、題簽の位置が微妙です。しかも中は『百人一首』ではなくて『伊勢物語』なんですけど…。「人」の書き方も面白いですね。色々と謎多き本です。 pic.twitter.com/qXRL8GMjUS

2021-11-29 08:59:31
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二楽山人 @hitomaroeiku

中が『伊勢物語』である証拠を。中々の定家様で書かれています。外題を左肩と中央の間くらいに書くのは定家の癖というか、特徴なのですが、それを意識してたわけではないのでしょうね。さすがに。 pic.twitter.com/Ttik4HcjOh

2021-11-29 12:15:04
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なぐら(今年の東京アンティークフェアは7/13-15) @nagurasense

@hitomaroeiku (真ん中に題簽の剥がしあとがうっすら見えるような…。だとしたら誰か賢しらのやらかしたやつですかね)

2021-11-29 10:54:32
二楽山人 @hitomaroeiku

@nagurasense 現物確認しましたが、剥がし跡は確認出来ませんでした。

2021-11-29 11:38:20
二楽山人 @hitomaroeiku

@nagurasense いえいえ、色々お考え下さりありがとうございました。

2021-11-29 12:11:34
Y.Sさん @rekishi53

@hitomaroeiku 「人」の右側の点が一つ入った書き方は見たことがありますが、三点入った書き方は初めてです。 この筆者の書き癖なのでしょうか。

2021-11-29 13:34:32
二楽山人 @hitomaroeiku

@rekishi53 僕は二つのものは見たことがあります。癖のレベルなのかどうか調べてみる必要がありそうですね。

2021-11-29 14:51:11
Y.Sさん @rekishi53

@hitomaroeiku はい、字形としてあるものなのか、癖なのか良く分からないです。 そう言えば、他の字ですが「文」で右側に二つ点が入っているのは、割合と見かけますね。

2021-11-29 16:42:29
二楽山人 @hitomaroeiku

@rekishi53 文に関しては、そういえばという程度にしか認識していません。今後注意したいと思います。

2021-11-29 17:12:52

8.これはかわいい!小さい古筆手鑑の表紙『小手鑑』

二楽山人 @hitomaroeiku

悪あがきの表紙シリーズ。通常よりずっと小さな古筆手鑑の表紙です。鑑定などはないのですが、外題「小手鑑」の文字は、茶道遠州流の匂いがする定家様であるような気がします。通常の冊子本にはない角金具が可愛いです。 pic.twitter.com/1E3ZyGKmky

2021-11-30 05:37:00
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