二楽山人氏による表紙シリーズまとめ2

古典籍の表紙はこんなにも美しい!二楽山人氏による表紙シリーズの皆さんの反応も含めてまとめた第二弾です!
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二楽山人 @hitomaroeiku

日本の書物の歴史について学んでいます。特に形態と内容の相関関係に興味があります。必要があって、奈良から江戸時代までの本や本であったものなどを集めています。外国の書物史にも興味があります。

1.渋いだけに柿渋?!刷毛引き表紙『類題和歌集』

二楽山人 @hitomaroeiku

表紙シリーズまだまだ。少し毛色を変えて、刷毛引き表紙を。刷毛目をわざと残すようにして、柿渋を塗ったものです。公家日記などの写本の使用例が多いので、記録表紙などとも呼ばれます。飾り気のないものですが、妙に味わいがあります。 pic.twitter.com/2jJiZDgr4s

2021-11-23 05:28:09
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・柿渋:渋柿の青い果実からしぼりとった液。赤褐色で、防腐・防水剤として紙・木などに塗る。また、その色。(デジタル大辞泉)

みの虫 @sumiwaza

へー、柿渋 下塗りなしの、一度刷毛? 防湿防水の差は気にならない? 渋くて、素敵ですね! twitter.com/hitomaroeiku/s…

2021-11-23 10:07:31
二楽山人 @hitomaroeiku

@sumiwaza 柿渋を隙間なくたっぷりと塗って、艶のある防虫防水効果のある茶色表紙のものの方が多いのでが、このタイプはどうも自分の家用らしいです。

2021-11-23 10:15:25
冢堀庵主人(信陵君化) @tenkyu19sei

@hitomaroeiku @sumiwaza 元禄頃より以前の佛書には柿澁を何度も塗った「栗皮表紙」の物を良く見かけますね。先日求めた寛永版の「翻譯名義集」もそうでした

2021-11-23 10:26:49
二楽山人 @hitomaroeiku

@tenkyu19sei @sumiwaza 確かにそのくらいから茶色表紙は急に少なくなりますね。飽きられたというか、野暮ったく思われたのかもしれません。

2021-11-23 10:38:34

2.美しい紺色と金の饗宴『文正草子』

二楽山人 @hitomaroeiku

粘り腰の表紙シリーズ。『文正草子』の綴葉装タイプの絵入りほんです。表紙の雰囲気が嫁入本に近いのが分かります。正月の読み染めに使用されたというこの作品。確かに残存数が凄いですね。手元にある絵入り断簡も、半数以上が文正です。 pic.twitter.com/LoILq3OPEd

2021-11-24 08:47:24
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( 小説書く練習でほぼお休み)Shant Christorepi @ShantChristo

凄く、綺麗で丁寧な描き込みに感嘆。素人なのでどうしても蝶や草花に目が行く。 紺色?藍色に金色は合うなぁ。 夜景なのか、貴重な色とか?であえての配色なのか… twitter.com/hitomaroeiku/s…

2021-11-24 10:50:55
二楽山人 @hitomaroeiku

@bobbleheaddog 古いお経以来、紺地に金泥の文字は鉄板の組み合わせですね。この組み合わせは極楽を象徴するともいいますので、ありがたい感じもしますね。

2021-11-24 11:37:16
( 小説書く練習でほぼお休み)Shant Christorepi @ShantChristo

@hitomaroeiku あぁ!F外なのにありがとうございます! 時間あるときに一気に拝見させていただいております…!嬉しい限りです!!! お経の鉄板だったとは知識不足だったのに教えていただき本当に感謝です!やっぱり知識ありで見ると、さらに好きになりますね!当時の人に思いをはせると感慨深いです!!!

2021-11-24 11:41:17
二楽山人 @hitomaroeiku

@bobbleheaddog 楽しんでいただけて幸いです。お経に紫地に金泥の組み合わせがあるのですが、こちらはかなり珍しいです。本の表紙でもその組み合わせが稀にありますが、やはり紺の方が金が映えるようです。どういう人が持っていたのかとか、考えると楽しいですよね。

2021-11-24 11:57:30
( 小説書く練習でほぼお休み)Shant Christorepi @ShantChristo

@hitomaroeiku 本当にご丁寧にありがとうございます! 紫地に金泥って扇子や着物にあるので、もしかしたらお経の教本由来のありがたい色なのかも…と素人ながらに思ってしまいました。日本は装飾品がない分、本に金の装飾を入れて、お洒落してたら可愛いですね!

2021-11-24 12:20:01
二楽山人 @hitomaroeiku

@bobbleheaddog 紫に金もとても素敵なんですが、紺に比べて少ないのは何故か気になっておりました。仮説なのですが、紫は変色しやすいのが、その主因なのだと考えております。紫外線で色が褪せるならまだしも、抜けてしまって色がなくなったりするのです。その点紺は強い色ですね。

2021-11-24 14:07:48
( 小説書く練習でほぼお休み)Shant Christorepi @ShantChristo

@hitomaroeiku 現代から考えると製品の色が抜け落ちるってないので「紫は色が変色しやすい」という新知識、そのものに喜んでます! 紺色は絵画でも使われてしっかり残る色でもものね!

2021-11-24 18:57:57
二楽山人 @hitomaroeiku

中の絵はこんな感じです。綴葉装タイプとしては稚拙な方だと思います。 pic.twitter.com/lL5MBf4dgX

2021-11-24 08:58:28
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なぐら(今年の東京アンティークフェアは7/13-15) @nagurasense

この表紙でこの挿絵は違和感あるなあ。あるけどなんか理由を考えて答えろって言われたら「『文正』だから」と答えると思います。満点の答えではないが、☓にもされない部分点狙いの答えですが。 twitter.com/hitomaroeiku/s…

2021-11-24 09:32:25

3.とにかく豪華!紺地に金箔、金泥の奈良絵本『百人一首』

二楽山人 @hitomaroeiku

しつこく表紙シリーズ。袋綴タイプの『百人一首』奈良絵本です。上冊は題簽が失われているので下冊のものを。これも紺地にこれでもかというくらい金箔と金泥が施されていますね。 pic.twitter.com/frYvbZyPeZ

2021-11-25 08:42:32
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二楽山人 @hitomaroeiku

よくみると、「一」が申し訳程度に書かれている。読む時は「いっ」は小声にしなければいけない感じ。

2021-11-25 12:39:31
みの虫 @sumiwaza

なるほど~、 気がつかなかったー! なぜ? twitter.com/hitomaroeiku/s…

2021-11-25 13:31:06
二楽山人 @hitomaroeiku

@sumiwaza ほんと何故ですよね。ちょっとバランス悪すぎます。

2021-11-25 14:54:43
二楽山人 @hitomaroeiku

中はこんな感じです。基本的に上畳を描かないタイプですね。 pic.twitter.com/wWVA8TYlin

2021-11-25 14:56:19
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