武蔵の高角砲増備に関する話

従来の通説では武蔵は高角砲の製造が間に合わず、代わりに機銃を装備したとなっているが、実際はどうだったのか。 その答えの一部をTweetにより提示 最近、研究者を名乗る者からの言い掛かりによる職場への電話等の嫌がらせが酷いため、細部詳細知りたい方は直接連絡を下さい。
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さむらい@戦史調査中! @Type96_AAgun

武蔵の高角砲増設がされなかった理由として「高角砲が間に合わなかった」「高角砲の製造が間に合わなかった」というのが回想などでもよく出てくる。そして関係史料から実際は違うと仰る方も見かけるが、実際それほど深い話でも何でもないし、回想に書かれてることも間違いではないと私は思うけどね。

2019-11-02 22:42:25
さむらい@戦史調査中! @Type96_AAgun

機密第〇四二二四五番電、戦藻録そして既成艦船工事記録から武蔵の対空兵装強化の訓令の状況と実態を窺い知ることができることは調べたことがある人からすれば周知の事実であろう。

2019-11-03 00:20:15
さむらい@戦史調査中! @Type96_AAgun

「高角砲の製造が間に合わなかった」からではないと主張される方というのは戦藻録の四月十七日(昭和19年)にある武藏の損傷復舊及對空砲火の增强に就ては數案あるも、五月十日を目標に全兵力の集結を行ふ艦隊司令部の意嚮<意向>に基き、五月四日工事打切の事に決定其の旨機動艦隊司令部より電報せり。

2019-11-03 00:20:15
さむらい@戦史調査中! @Type96_AAgun

という記述から「高角砲の製造ではなく現場の要求に基づいて工期を短縮したからだ」を根拠としている。しかしながら果たしてそれは本当の意味で正しい解釈なのかと言われれば私は半々であると考える。その理由の一つが機密第〇四二二四五番電の内容である。

2019-11-03 00:20:15
さむらい@戦史調査中! @Type96_AAgun

「(前略)第一案揚錨機艦内修理可能ノ場合損傷復舊工事ハ四月三十日此ノ場合機銃ノミ増備可能(但射撃装置及覆塔間ニ合ハズ)揚錨機陸揚ゲ修理ヲ要スル場合損傷復舊ハ五月二十日此ノ場合機銃射撃装置及覆塔ノ一部間ニ合フ 第二案高角砲ヲ増備セバ六月十日完成(但シ高射装置及揚弾薬装置間ニ合ハズ)」

2019-11-03 00:20:15
さむらい@戦史調査中! @Type96_AAgun

さらに冒頭文では「防空兵装強化ニ關シテハ中央トモ折衝中ナルモ呉工廠ニテハ左ノ二案アリ第二案實施ノ場合ハ入渠前ニ副砲二基陸揚ノ要アリ(後略)」とあり、第二案をベースに工事が進められたことがわかる。

2019-11-03 00:20:16
さむらい@戦史調査中! @Type96_AAgun

しかしながら第二案では工期通りに進めれば、高角砲そのものは装備可能ではあるものの、高射装置と揚弾装置が間に合わず、そもそもシステムとして運用できないことと、現場の要求による工期の短縮切り上げにより、どう頑張っても間に合わないから次回へと持ち越されたと考えるのが自然である。

2019-11-03 00:20:16
さむらい@戦史調査中! @Type96_AAgun

その上で武蔵乗組員たちにはどのように広まったのか。これは一種の伝言ゲームのようなもので、例えば「高角砲の設備(高射装置、揚弾装置)が間に合わない」というような話が伝わる段階のどこかで「高角砲の製造が間に合わない」となったのだろうという推測はできる。

2019-11-03 00:20:16
さむらい@戦史調査中! @Type96_AAgun

高角砲自体で砲側照準は可能ではあるけども、肝心の射撃速度を維持発揮するための揚弾装置が無いとなると最初の航空攻撃には対処できるだろうが、じ後の戦闘には支障が出るのは明白であるし、かといって一基の九四式高射装置の管制下に置くのは荷が重いし、実質一個目標にしか対応できない。

2019-11-03 00:42:06
さむらい@戦史調査中! @Type96_AAgun

この辺のことも結局過去に各所でお話した内容でしかないんだけども、冒頭で述べたように深く考えるような内容ではないんではないかなと。上層部の話が末端部まで正確に伝える必要性のある話かと言われれば本件はそこまであるとは思えない。

2019-11-03 00:50:23
さむらい@戦史調査中! @Type96_AAgun

雑に言うと高角砲の装備位置に機銃が置かれているのを見た乗組員たちが疑問に思ったりしたことから「どうやら〇〇らしいよ」っていう程度じゃないの。末端の人員まで徹底するような内容であれば訓示なりの場で艦長等が認識の徹底を図るからね。

2019-11-03 00:50:23