「千と千尋の神隠し」を復習するまとめ(その1)

視覚的表現に特化して「千と千尋の神隠し」を見直します。その2以降はまた機会を改めてまとめます。
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アニメてにをは@石曽根正勝 @animeteniwoha

「千と千尋」落穂拾い。 車から降りる千尋。バックミラーに映る姿まで描き込まれています。 #てにをは千と千尋の神隠し pic.twitter.com/vdmOJHoIjt

2022-01-08 06:21:10
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暖簾をくぐる仕草がしつこいほどに丁寧。 pic.twitter.com/sYj1Frl1JR

2022-01-08 06:28:15
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この圧倒的な美術のゴージャスな風景のなか、「油」印の旗頭のいかにも「セルっぽさ」が若干浮いているほどのちぐはぐな存在感。「これはセルアニメでっせ」というところか。 #てにをは千と千尋の神隠し pic.twitter.com/kHsAcgTIjg

2022-01-08 06:33:40
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宮崎的「影」らしさ。 宮崎アニメの「影」はしばしば「影の実体」と乖離して/独立して映じることが多い。特にこのカットでは「影の実体」が徐々に現れてくる面白さ。 #てにをは千と千尋の神隠し pic.twitter.com/rIVRei05yV

2022-01-08 06:38:31
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この階段を降りる足の動きは3コマ打ち(リミテッド)から1コマ打ち(フルアニメ)へ変容する「リミテッドが・やわらかく変化」します。 #てにをは千と千尋の神隠し pic.twitter.com/AqT31MxWHw

2022-01-08 06:46:46
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「背景画」にあたるべき「豚と柵」がすべてセルで出来ています。「全セル」です。なにげなく、すごい手間のかかったカット。 同時に豚の群れという「同じモノがそれぞれに動いて・運動が複数に際立って」います。 #てにをは千と千尋の神隠し pic.twitter.com/viAo1nJPIb

2022-01-08 06:51:14
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「構図が描く・運動の複数性」。 1.屈曲して「奥へ・すぼまっていく」階段。 2.階段に「沿うように」走る電車。 3.電車と「垂直に交叉」する橋。 4.電車の走行線と「沿う」つつ、橋とは「垂直」の関係にある三本の「煙」。 非常に贅沢な構図と動き。 #てにをは千と千尋の神隠し pic.twitter.com/6ACKtB21wD

2022-01-08 07:07:42
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ここはわかりやすく、3コマ打ちからフルに「やわらかく・リミテッドの変容」をしていますね。 #てにをは千と千尋の神隠し pic.twitter.com/wNDQ9PEzZQ

2022-01-08 07:17:51
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「千と千尋の神隠し」のガラス戸は現代的な洗練の極みを経ていなくて、ガラスの四隅が湾曲して・陰影を帯びています。 このカットなどほれぼれするほど、単純化されつつ・それらしい。 #てにをは千と千尋の神隠し pic.twitter.com/8UkfpwADZS

2022-01-08 07:26:16
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千尋のこのジャンプ。 これは作画打ち合わせのとき演出上の指示が出たんでしょうか? 結果的に「宮崎的・様式」ではない、「別の様式」からなる動きならびに動作のシルエットが実現してしまいました。 #てにをは千と千尋の神隠し pic.twitter.com/CAIbzsbxiV

2022-01-08 07:33:52
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釜じいのいるボイラー室へと入っていく、千尋の「体幹が・よじれた」シルエットは明らかに「宮崎的様式とは異なる・別の動きの様式(スタイル)」に準じています。ジブリ生え抜きのアニメーターにはできない作画がこの一連のシーンで確認できます。 #てにをは千と千尋の神隠し pic.twitter.com/n4J2xgqBex

2022-01-08 07:39:05
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釜じいの腕が何本も現れて、そのそれぞれが別々の動きをしている「運動の複数性」。 運動が複数に交錯するだけで宮崎アニメはがぜん面白なる。 あと動きの付け方もこれは3コマ打ちじゃなくて、2コマ打ちかな? #てにをは千と千尋の神隠し pic.twitter.com/e8YPPu9ZJo

2022-01-08 07:49:36
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そうして釜じい、ススワタリ、千尋の三者が、各人固有に「それぞれに・動いている」複数性。 動きの情報量がなにしろすごい。 #てにをは千と千尋の神隠し pic.twitter.com/yDWJUbzkhE

2022-01-08 08:02:39
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いやー、この千尋のシルエット。 沢山のアニメを観ているひとには驚きではないのでしょうが、 宮崎アニメを専門に見慣れた人間には、こんな人物のシルエット、見たことないですよ。すごい。 #てにをは千と千尋の神隠し pic.twitter.com/B7XHhqYqgK

2022-01-08 08:06:09
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この釜じいの腕が壁の上方へ伸びあがるカットは「斜め奥へ」の立体作用をともなう効果。 「斜め奥/斜め手前」は通常地平上で使用されることが多いので、この上方への奥行きを持たせつつの「斜め奥」は珍しい。 #てにをは千と千尋の神隠し pic.twitter.com/lri1LXhEX2

2022-01-08 08:15:47
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アニメてにをは@石曽根正勝 @animeteniwoha

さてさて、この石炭の重量級を観客に伝える「動作の作用/反作用」。あるいは「動きの質」。 大塚康生さんが作画試験で受けたという「鉄の槌を振り上げる、振り下ろす、重みの感触」。 動きのつけ方の基本がここでも健在です。 #てにをは千と千尋の神隠し pic.twitter.com/MPFU7LE89a

2022-01-08 08:22:26
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でもススワタリといい、あとで湯婆婆がくりだす「かめはめ波」といい、なにか「ふっきれた」感がありますよね。 公開当時、ショックですらありました。「そんな使い方しちゃっていいの?」って。 #てにをは千と千尋の神隠し pic.twitter.com/wix936H4l6

2022-01-08 08:30:02
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アニメてにをは@石曽根正勝 @animeteniwoha

この木の槌のディティール感。 影色、日向色に、輝き色の三色で見事に魅せてくれます。 あとで出てくる湯婆婆の顔の造形の「過剰さ」の先触れ。 なぜここまで過剰なのか。 デジタルとの関わりでセル表現にこだわったからか? #てにをは千と千尋の神隠し pic.twitter.com/O5dFydsSPl

2022-01-08 08:34:57
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アニメてにをは@石曽根正勝 @animeteniwoha

この「千と千尋の神隠し」では、屈んで出入りする動作が多く出てきますね。「屈んで・動く」動作の面白さ。 #てにをは千と千尋の神隠し pic.twitter.com/2qVUWGlGJL

2022-01-08 06:56:48
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アニメてにをは@石曽根正勝 @animeteniwoha

釜じいからもらったイモリの黒焼きを懐にしまうリン。 この「ふところに、しまう/出す」動作がこの映画には何度も出てきます。 #てにをは千と千尋の神隠し pic.twitter.com/MLkmSoFezV

2022-01-08 09:00:46
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アニメてにをは@石曽根正勝 @animeteniwoha

湯婆婆のところへ向かうリンと千尋。 このなにげないカットで注目すべきは、ふたりが歩くのを眼差す、その手前に柱を設けていること。 この一本の柱を手前に置くだけで空間の立体度がぜんぜん違うのです。 誰にでも出来そうでいて忘れてしまう演出上の配慮。 #てにをは千と千尋の神隠し pic.twitter.com/3sV2B3ZXsY

2022-01-08 09:12:04
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